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米原万里, 山本皓一 / 角川ソフィア文庫 (38件のレビュー)
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総合評価:
みか
3
米原ワールド全開
ロシア語通訳として、真冬のシベリア長期取材に同行した米原さん。 「日本から暖かさを運んできてくれましたね。マイナス39℃なんて、こんな暖かい日は久しぶりです。」現地の人々のこんな言葉から取材が始まる。… 外に出て1分もすると、吐く息が凍って皮膚や眉毛、まつ毛に付き、真っ白になってしまう。 人間や動物の吐く息、車の排気ガス、家庭で煮炊きする湯気の水分が凍り、氷の霧が発生する。 魚を釣り上げて10秒で冷凍状態。 そんな極寒地でも、住めば都。「モスクワのマイナス30℃は湿気が多く、風が吹くから寒さが骨身にしみる。」という。 子供新聞への記事をそのまま載せているので、文章も平易で読みやすい。 米原さんの処女作でもあるが、好奇心とエスプリは持って生まれたものなのだろう。米原ワールド全開だ。 続きを読む
投稿日:2014.11.04
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本読みボーイ
1
暑い夏には寒い本を読んで涼もう
真夏にこそ、寒い地方の本を読んでせめて心だけでも涼しい気持ちになろうと思い購入しました。 ところが、読み始めると内容に引き込まれて、暑さも忘れて没頭してしまいました。
投稿日:2014.08.09
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極寒の地で送られる、普通の日々
ロシア語の通訳として活躍しつつ、多くのエッセイも残してきた米原万里。 『マイナス50℃の世界』は、そんな彼女の記念すべき処女作です。 舞台となるシベリアは、タイトルの通り-50℃にまで気温が達する極…寒の地。釣り上げた魚が瞬く間に凍って固くなり、氷が溶けないためむしろ路面は滑らない、などSFのような世界が広がります。 何よりも、そうした極限の環境に順応し、日々の生活を営んでいく人たちがいることに驚きを隠せません。 マイナス20℃を「暑い」と表現する彼らの毎日。 絶対なんてなくて、人は環境になれる最強の動物かもしれません。続きを読む
投稿日:2014.09.19
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米原さんの本をもっと詠みたくなりました。
マイナス50℃の世界、異常気象ではなくそれが当たり前の場所そこで普通に生活している人達。そのことを読みやく、しかもそんな過酷な場所なのに自分もちょっとその場へ行ってみたくなるような気にさせる文章。本を…最後まで読み終えたとき「もう終ちゃった。もっと読み続けていたい」と思いました。続きを読む
投稿日:2016.06.21
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0107springsteen
子供向けに書かれた本なのかな? とにかく肩肘張らずに読めて、しかも面白い。色んな意味でスリリングでもあるし、信じ難くもあるし。 確かに私たちは才媛を早くに失ったのかも。でも才ある人ってそういう宿命かも…しれず。 ところで今はどうなってるんだろう?この街は。興味ありです。続きを読む
投稿日:2024.04.08
司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)
(内容)トイレには屋根がなく、窓は三重窓。冬には、気温が-50℃まで下がるので、釣った魚は10秒でコチコチに凍ってしまう-。世界でもっとも寒い土地であるシベリア。ロシア語通訳者として、真冬の横断取材に…同行した著者は、鋭い観察眼とユニークな視点で様々なオドロキを発見していく。取材に参加した山本皓一と椎名誠による写真と解説もたっぷり収められた、親子で楽しめるレポート。米原万里の幻の処女作、待望の文庫化。 『あなたもブックトーク』京都ブックトークにて紹介: 「地球上でもっとも寒いといわれるのがロシアのヤクーツク市です。『マイナス50℃の世界』の著者は1948年最も寒い季節、12月から2月にかけてここを取材しました。12月の平均気温はマイナス50℃。取材の後に4月2日付で現地から届いた手紙にはこう書いてありました。<こちらはもうすっかり暖かくなりました。外の気温はマイナス21度。暑いほどです。> ・・えーっ と驚きの声。 マイナス40度になると人や動物の吐く息、車の排気ガス、工場の煙も凍って霧になるのです。・・・同じ地球の上にこんなところがあるのです。」(p.26 千原和美さん 対象小学校6年生)続きを読む
投稿日:2022.12.22
tokosan
椎名誠は自伝的小説や探検記など次々に出す人気作家で私自身も週刊誌の連載エッセイを楽しみにしていたほどの大ファンだったので大黒屋光太夫『おろしや国粋夢譚』の存在はリアルタイムで見ていたはずだが、その時の…通訳が米原万里さんだったことはなぜかすっかり記憶から抜けていた。世界一寒い国ヤクート自治共和国(現サハ共和国)をこども向けに紹介した1〜4章はイラストも楽しく、取材の経緯や裏話の5章まで米原さんの言葉で綴られる当地の暮らしは驚きの連続。写真集としても美しく椎名さんの解説が嬉しい。続きを読む
投稿日:2022.10.31
kanamami
とっても面白かったです! 地球上で、一番寒いのは北極じゃなかったんですね。 永久凍土の上の層が夏になると溶けるせいで、家は傾いてしまうんですね。 マイナス50℃の世界では、スケートって出来なくて、チェ…ーン無しでもスリップしないんですね。。 摩擦熱ごときでは氷は溶けない。。 食べ物の話(狩猟民族の食事、日本人たるもの、日本食から離れられない話など)や、川や湖の話、プラスチックやビニールは通用しないという話など、どれも興味深く読みました。 住めば都ということで、人間の慣れ、順応力って物凄いものがありまふ。。 久しぶりの米原万里でした!こんな本もあったんですね。知らなかった! 粋な日本語センス、私も身につけたいなあ。続きを読む
投稿日:2022.06.09
sagami246
ブグログで本書を検索すると、角川ソフィア文庫版しかヒットしないが、私が実際に読んだのは、現代書館という会社が出版している、毎日小学生新聞編のものである。1986年発行ということなので、今から35年前に…発行されたものだ。この本は地元の図書館から借りて読んでいるが、図書館での分類は「児童書」となっている。実際にすべての漢字に読み仮名がふってある。私自身は、実際にマイナス50°Cの世界が知りたくて本書を読んだわけではなく、米原万里の本をまとめて読もうとしている中で手にした本だ。米原万里は1950年生まれなので、本書発行時は36歳だったということになる。 この本は、もともと、TBSの番組企画から始まっている。厳寒の地であるシベリア横断の記録をテレビ番組にしようという意図である。本書の最後に本番組を担当したプロデューサーのコメントが記載されているが、その中に、本番組製作上の苦労が2点記載されている。 本書・本番組で言う「マイナス50°Cの世界」は具体的にはシベリア地方の、当時のソビエト連邦内のヤクート自治共和国を指す。ソ連の中に民間のテレビ局が長期間ドキュメンタリー番組を撮影するために入ることは、当時は相当に難しいことだったようで、撮影許可を得るためのソ連側との交渉が大変であったことが記されている。現在では、ソ連と言う国自体がなくなったしまったわけで、時代の流れを感じる。 また、本番組製作の意図について、上述のプロデューサーは、地球上には「私たちにはまだまだ沢山の未知の世界があり」、「テレビカメラが私たちに思ってもみない世界を次々と映し出」すことが出来る、そういう一環としての番組であったことを記している。もちろん、今でも当地が厳寒の地であり、コロナ下であることを除いても、特に冬場は簡単に行ける場所ではないことは確かであるが、一方で、このあたりの中心都市で、本書にも訪問の記録があるヤクーツクに関して、ネットで検索すると、「2021年ヤクーツクで絶対外さない観光スポットトップ10」という記事がヒットしたりして、こちらの方も時代の流れを感じてしまう。続きを読む
投稿日:2021.08.14
かとのひも
このレビューはネタバレを含みます
マイナス21度は春めいてきた日の気温。 12月の平均気温マイナス50度、マイナス71度を記録したことがある国ヤクート自治共和国(現・サハ共和国) 米原さんとテレビクルーは万全の防寒着を持って飛行機から降り立つが、そこは想像を絶する極寒の地だった! ・家がことごとく傾いている→凍土の上に立っているため ・スケートやスキーは春のスポーツ→極寒では氷は滑らない ・釣り→氷をお玉ですくいながら。釣り糸も常にしごかないと雫が結氷してしまう。釣った魚は10秒で瞬間冷凍。 ・マイナス50度で飛行機は飛行禁止→エンジンがかかりにくくなる。 ・ヤクート馬→もっさりしてるがかわいらしい!馬肉のための飼育。あと、毛皮。黒馬も少し走ると白馬に変身。 ・短い夏は猛暑 ・洗濯物→干して氷をはたいて取り入れ ・プラスチックなど石油製品は使えない→極寒で形状を保てない ・シベリア寒気団はヤクートからちぎれてとんでくる→暖冬の影響は出てるのだろうか(本は2007年に書かれたもの) ・喧嘩はロシア語で→ヤクートの言葉には罵る言葉がない。ほとんど喧嘩しない。 ・建物にはツララがない→氷がとけないから。鼻先にはつく。 ☆寒さを突き抜けた土地はファンタジーよりもファンタジーだ。
投稿日:2021.05.12
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