【感想】破裂(下)

久坂部羊 / 幻冬舎文庫
(41件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
5
20
12
1
0
  • 原作・ドラマとも秀逸

    心不全の新しい治療法を研究している香村助教授。しかしそこには致命的な副作用があった。
    一時的に心不全が改善され、健康体を取り戻すが、心臓破裂という最期を迎えるのだった。
    そこに目を付けた厚生省官僚の佐久間。心臓破裂を隠し、“ぴんぴんポックリ”と名付けて高齢者への治験を推し進める。

    医療ミス、超高齢化社会、安楽死、治療法の研究開発。
    てんこ盛りのテーマだけれど、混乱なく、ぐいぐい引き込まれる。

    以前NHKでドラマ化されたが、ずいぶん原作と変わっている。
    しかし、テーマが絞り込まれ、ドラマとしては秀逸。
    同時期に放送された民法の『無痛』とは大違い。
    さすがNHKは丁寧な作り方をしていると、両方の原作、ドラマを見て実感した。
    続きを読む

    投稿日:2016.09.07

  • まあまあです。

    現代は生命が色々な面で医療によってコントロールされるようになったように思います。一昔前は「いかに生命を誕生させるか」という題材が多かったようにおもいますが、この頃は「いかに生命を終わらせるか」という話題も出てきたようです。人が人を人工的に作ることが許されるなら、人を終わらせることも許されるようになるのでしょうか。続きを読む

    投稿日:2013.11.24

  • 考えさせられます

    日本のいまの縮図をみているような気がする本です。
    内容に、医療の専門用語や知識を求めらるところもありますが、
    おもしろく読めました。

    投稿日:2015.10.11

  • 2030年問題

    この本を読んだら 2030年問題 心底憂えてきます。
    内容は斬新です。ペプタイド療法で心臓の細胞を若返らせる
    プロジェクト”天寿”
    ぴんぴんポックリ あの世に行ける。
    医療の在り方を考えさせられます。
    が 難しい内容ではなく サスペンス的な内容も織り込まれて素晴らしい作品です
    続きを読む

    投稿日:2015.10.22

ブクログレビュー

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  • ももも

    ももも

    上巻に続いて一気読み。

    ミステリーとして読むには、途中から展開が予想できてしまったところもあって、ちょっと不完全燃焼。

    キャラが全員すごく立っているんだけれども、地の文に誘導されるようなところもあり、先入観を持って読み進めてしまったところもあるのかなあと。

    主題に関わる、医療ミスなり、高齢者問題なりは、難しい問題。倫理的にはそうかもしれんが、社会的には何が悪、というか問題なのかは議論がつきない。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.07

  • ユカリ☘

    ユカリ☘

    このレビューはネタバレを含みます

    医者や弁護士は、社会的地位が高いが、殺されるほど憎まれることがあると思うと怖い。ロバートデニーロ主演のケープフィアーを一瞬思い出した。
    松野の死、香村の死、衝撃だった。
    それで終わるかと思ったら、最後の最後に佐久間の初めて聞く言葉だが、閉じ込め症候群。これが一番衝撃だった。
    何の疑問も抱かず、老人をひたすら長生きさすのが正しいことなのか。と、問題を提起して考えさせる作品だった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.11.14

  • まちか

    まちか

    久坂部作品、本作もいろいろ考えさせられた。
    超高齢社会や安楽死の問題について、佐久間の考えや行動は恐ろしいけど否定もできない。。
    どうなるんだろう、、日本の未来は。。

    投稿日:2020.10.27

  • 1213430番目の読書家

    1213430番目の読書家

    28冊目。上編からあっと言う間に読んでしまった。面白い。第2の「白い巨塔」とも言われるそうな。医療ミスを巡る裁判に並行して、厚労省官僚(佐久間)の企てる高齢者抹殺計画(このキャラといい、腐敗屍骸像と言い手塚治虫作品を彷彿とさせる)。時あたかもコロナ禍も背景に陰謀があるのではと思ったりする。続きを読む

    投稿日:2020.04.23

  • rokosan

    rokosan

    2004年に書かれたとは思えない程、現実的に今の世の中に問題を投げかける少子高齢化問題。15年経っても何も変わらない。でも、命の問題はどうにもならない。。

    投稿日:2019.12.01

  • sam

    sam

    医療ミス裁判、大学病院でのポジション争いとそれにまつわる保身、厚労省が水面下で進める人口調整のための高齢者のぽっくり死推進、これらが絡み合い物語は進む。本筋は大学病院の隠蔽体質を突く医療ミス裁判のようだが、一方で超高齢化社会をどう乗り切るのかを突きつけてくる。
    ハッピーエンドではないのだが、それゆえに読者に対してこの国の医療制度や先行きに疑問を投げかけているのが印象に残る。
    続きを読む

    投稿日:2019.10.08

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