【感想】奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

石川拓治, NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班 / 幻冬舎文庫
(181件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
82
54
23
1
0
  • りんご好きな私にとって

    りんごや桃などの産地に住んでいます。本にもある通り、農家の皆さんほぼ同時期に消毒をします。早朝の犬の散歩時がまさにその時間帯。歩く道がないほどあっちの畑でもこっちの畑でもやっています。

    この本は無農薬でリンゴをつくる。その夢にかけた弘前の「お百姓」木村秋則さんのお話です。できっこないと周囲から冷笑や無視や嘲笑を受けて。

    たぶん、外からのそういうものっていわゆるいじめのように、挑戦者にボディブローを与えるのでしょう。一向に夢にはたどり着けそうにない。木村さんは山の中で自殺を企図します。しかし、その山の中で枯れかけたりんごの木を元気にするヒントをもらいます。

    成功後も偉ぶらない。もったいぶらない。自分が偉いんじゃない、りんごの木がなしえたことと。

    無農薬栽培のものを高価なものにしてはいけない。高級品にして一部の人だけが食べられるものにしてはいけないという主張には無欲と潔ぎよさと、本当に農業を考えておられるのだということを教えられました。

    りんご好きな私、この本に出会えてよかったです。
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    投稿日:2015.03.31

  • 挑戦するすごさ

    とにかく、凄い人だと思いました。その生き様に感動です。自殺するほど追い詰められても貫く、まるでドラマのような展開に引き込まれてしまいます。

    投稿日:2013.10.06

  • 無農薬でリンゴを作る難しさ

    「無農薬で野菜を作る」一度でも野菜を作った人ならば、どれだけ大変なことであるか。
    農薬なしでは不可能だったリンゴで無農薬栽培を始めた農家木村秋則さん。
    プロフェッショナルで紹介されてから、再度取材を行って書かれた本書。
    木村さんの無農薬農家への挑戦、幾度となく味わう挫折の中で見つけたドングリの木。
    木村さんの農業は、「自然との共生」 この言葉は決して簡単なことではない。
    リンゴの木を見ながら土の状態、木につく虫を観察して導き出された農業は、本当に気が遠くなる。 読んでいる人間にも笑顔になれる一冊です。
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    投稿日:2013.09.25

  • 非常に面白かった

    無農薬で果物をつくるなんて考えてみれば極めて難しいのは当然である。
    無農薬で育つ植物は、農薬前提で育つものとはもはや別品種だろう。
    無農薬で育った物は原始的なリンゴに近いのかと思ったが、
    木村さんのリンゴは原始的なリンゴとは違って甘いようである。
    それだけに木村さんのリンゴをぜひ食べてみたい。
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    投稿日:2013.09.27

  • すごい人

    世間の常識に疑問を持ち、信じたことを実現するために周囲を構わず没頭し、個人の利益は二の次という姿に脱帽しました。
    科学者の鑑のような人です。ご本人は、そんな自覚はないのだと思いますが。
    こんな風に、何かに人生をかけられたらなあ。。続きを読む

    投稿日:2013.09.29

  • 食べてみたい!

    自分の決めた目標に、ひたすら真摯に取り組む姿に感動します。私なら、うまくいかないと言い訳して逃げるもんなあ。
    失敗のエピソード(農業でもほかの仕事でも)は、普通ならつらい話の連続ですが、ところどころに挿入されるご本人の語り口(「~なのな」が口癖?方言?)が昔話の語り部のようで、一篇の物語を穏やかに聞かされているようです。
    数が少ないでしょうからレアものと思いますが、死ぬまでにこのリンゴを食べてみたい!
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    投稿日:2013.09.30

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  • なえまる

    なえまる

    205ページ
    1300円
    5月11日〜5月12日

    無農薬でリンゴを作るのは不可能と思われていた。その不可能に挑戦した男、木村さんの半生を描く。完全無農薬に挑戦し、虫をとり、酢をかけ、考えうることをすべてやってみたが、リンゴは花を咲かせず、半分の木が枯れた。収入がなくなり、家族にも苦労をかけ、木村は首をくくろうと山を登る。山の上でどんぐりが元気に育っている様子を見て、そこからリンゴの根っこ、土に目をむける。9年ぶりにたくさんのリンゴの花が咲いて喜ぶ。『リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。』

    木村さんの人柄にひかれた。大きな笑い声と木村さんがいるとその場が明るくなるということが、読んでいるだけでも伝わってきた。トラクタ一の本をとろうとして、一緒に落ちてきた無農薬の本。死のうと思って入った山の中で出会ったどんぐりの木。宇宙人の話。本当に楽しい木村さんでも、手探りの9年間は本当に苦しく辛かっただろう。木村さんのリンゴを食べてみたい。自分がここで諦めるということは、人類が無農薬のリンゴを育てることを諦めることだという言葉が印象的だった。
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    投稿日:2024.04.09

  • カレー好き鍼灸師

    カレー好き鍼灸師

    やりきった人間にしか見えない世界がある。
    自分の信念を曲げず続けてこられたこと、とてもすごいことだ。


    リンゴの木の手伝いをしただけだと。
    何にでも通ずるこの考え方は自分の職業でもいえることだから、明日からの臨床で意識していきたい。続きを読む

    投稿日:2024.03.03

  • 藤丸

    藤丸

    農業の素人である私は、農薬の危険性があるなら農薬を使わなければ良いのに、と無責任に考える。
    しかし、本書を読んでみて、その考えは浅はかなものだと理解した。

    木村さんの無農薬リンゴの取組みは、本当に壮絶なものだったと思う。
    自分が、同じ体験をしようなんて考えもつかない。
    死を覚悟するところまで向きあい、奇跡のような出来事を起こした木村さん、そして支えたご家族に心からの敬意を示したい。

    本来、自然はそのものが完璧なものであることにも、本書で気付かされる。人も本当は自然の一部にすぎないのに、自然を支配しようとし続けてきたわけだ。そして、その違和感に何も疑問すら感じることがなくなってもいる。

    本著に『リンゴの木は、リンゴの木だけで生きてるわけではない。まわりの自然の中で生かさえている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。』という木村さんの言葉がある。
    木村さんの奇跡のリンゴは、単に無農薬でリンゴを栽培しただけの話ではなく、人類にとって大切なことを思い出させることに繋がっていると言っても過言ではないと思う。そんな大切なことを教えてくれる一冊でもありました。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.18

  • あこ

    あこ

    私が レストラン山崎 を知ったのは、
    原田マハさんのエッセイ フーテンのマハ を読んだときであった。
    マハさんの文章は奇跡のリンゴなるものの冷製スープをぜひ飲みたい、とそれはそれは強く思わせた。

    してこのたび、弘前旅行を決断し、レストラン山崎の予約が取れた。
    せっかくなので、関連書籍を読もうと思い、手に取ったのがこの本であった。

    旅行当日までなかなか時間が取れず行きの飛行機で読んだ。

    日本の、そして青森のリンゴの歴史
    リンゴと農薬の切っても切れぬ関係
    そんじょそこらの野菜や果物の無農薬とはわけが違う無農薬りんごの難易度
    そして、木村さんの壮絶な無農薬りんごへの挑戦の日々

    あやうくな〜んにも知らずに、奇跡のリンゴを食べるとこでした。
    読んで良かった!!
    花が咲いたくだりで飛行機の中に関わらず号泣。
    東北地方は晴天で窓から見える雪をかぶった八甲田山や着陸直前に見え始めた岩木山が、
    もうこれでもか!と私の旅行気分をもり立ててくれた。


    念願のレストラン山崎へ。
    時期じゃないから、奇跡のリンゴと友達りんご?のフルコース。
    そもそも、りんごだとかなんだとかの前に、すごーく好みの味のフレンチでした。
    そして、りんごの冷製スープ。
    スープなのに、こんなにりんごの味と香りが、ちゃんと食事の味に馴染みながらも、感じられる、見事なお味でした。
    他のお料理も はーい!奇跡のリンゴつこーてますよ!!どお?どお??! みたいな感じではなく、
    しっとりりんごが寄り添ってる感じで、高感度高い。
    久しぶりにあ〜、また来たい。これは。と思わせられた美味しいお料理でした。


    お会計のとき、店の入口に フーテンのマハ と この本が並べてあった。
    もう、私は、まんまとしてやられたわけです笑


    兎にも角にも、せっかくの旅行、予備知識を蓄えていくなら、必読の一冊です。
    文章も説明臭くなく、読みやすいです。


    さて、岩木山を眺めながら、木村さんに思いを馳せることとしようかな。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.17

  • サンキューサンチュー

    サンキューサンチュー

    新幹線の中で読んでいたら涙がとまらなくなり本を閉じてしまいました。10年ほど前に阿部サダヲさん主演の映画を観た時期にテレビのインタビュー番組で木村さんをみました。木村さんのリンゴを食べたいという気持ちより木村さんに逢いたいと思いました。想像を絶する苦難に立ち向かう姿に心をうたれます。頑固で一本槍なところもありますが純朴で愛にあふれた人だと感じます。是非ともたくさんの人に読んでもらいたい1冊です。続きを読む

    投稿日:2024.02.11

  • ゆうきの本棚

    ゆうきの本棚

    来年度から新規就農を考えている。

    農業を本気で行うことの大変さが、
    木村さんの心情を交えて、辛辣に伝わってくる。

    著者の執筆も読みやすく、心に刺さる一冊。

    投稿日:2024.01.29

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