【感想】レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ 〈イギリスの声〉をもとめて

サイモン・ヘファー, 小町碧, 高橋宣也 / アルテスパブリッシング
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • Verfassungslehre

    Verfassungslehre

    読む前にプレヴィン盤交響曲全集を聴き直してみる。

    プレヴィン盤とアンドリュー・デイヴィス盤全集をiTunesにリッピングして、流し聞きしながら時間をかけて読了。
    ヴォーン・ウィリアムズの生涯と、それぞれの時期に作られた作品を著者の評価も含め丁寧に書かれている。
    前後の作曲家との影響や交友関係も、それほどの大著でないのにもかかわらず、綿密に描かれているのには驚いた。
    それなりにイギリス音楽は聞いていてつもりではあるが、この本を読んでいると、まだまだ知らない作曲家が多く残っていることを痛感する。
    多くの写真も掲載されており、こう言ってはなんだが、音楽関係の翻訳では日本語が怪しげなものが多いなか、訳文もしっかりしていて読みやすい。
    巻末のCD紹介(多分原文のものを補充してある)、各交響曲の簡単な解説等も充実しているし、主要作品一覧表、年譜もありがたいし、索引もしっかりしているので、あとから部分的に読み直して確認するのに大変便利。
    日本でもクラウド・ファンディングで発行されている本があるのを初めて知った。
    高額支援者の名前が奥付前に記されている。
    想定していた以上に丁寧な本造で、音楽関係書としては出色の一冊です。

    最後に、やはりイギリス人と思わされたのは、交響曲第1番「海の交響曲」のところで書かれていた次の部分。
    『一世紀ほどもあとになってから趣味の良くなった審美眼で振り返ると、このごく並ていどのアメリカの詩人(「草の葉」のウォルト・ホイットマンのこと)に知性ある男性女性がどうしてあれほど傾倒したのか、なんとも奇妙なことである。』
    その昔、岩波文庫で「草の葉」を一読して、ふ~んと投げ捨てたわたしが、この本でもっとも爆笑して読んだところです。
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    投稿日:2022.12.21

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