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町田そのこ / 中公文庫 (934件のレビュー)
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総合評価:
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のょ
今までもこれからも誰にも大切にされることはないんじゃないかと思ってしまうような気分って誰にでも起こり得ると思うんだけど、そんな時に読むと冷静になれるというか、そっと背中に誰かが手を当ててくれているよう…な気分になる本でした。 当事者にならないと語ってはいけないと思うような割と重めなテーマが何個も出てきてそれぞれ考えさせられる内容で、何に焦点を当てるかによっては全然違う感想になると思うけれど きっと現実では人に深く踏み込んだり、迷惑なのではと思って人に縋ったりすることは難しいけれど今よりももっと寄り添えるような人間になりたい と思った。 孤独だと思う日があるかもしれないけれどきっとどこかで自分の叫びに耳を傾けてくれる人がいるだろうと思えたし、誰かの囁きくらいの声にでも敏感に気付けるような人になれたらな。 (ここからは私的なメモ) 色々考えて、人間関係って全てが正解で不正解だよなぁ。 生まれた時から発言、行動、思考、表情、仕草、気分、運、タイミング、何から何まで全てが誰かに影響を与えていて与えられていて。 自分でもどうしたいのか、どうして欲しいかわからないときがあるし、きっとその時のベストだったにも関わらず後付けで言い訳したりとか。 続きを読む
投稿日:2024.04.15
K I K U S A N
原作から読むか。 映画から観るか。 タイミング次第ではあるのだけれど、僕にとっては永遠の課題かな。今作は映画が先でした。映画館の帰りに文庫本を手に入れた。購入した順番に読むことにしているので、読み始め…たのは映画を観てから数週間後。物語自体は、すでに映画から受け取っていたので、驚きはなかったけれども、とはいえ、息苦しさをおぼえる展開であったわけです。なんとも重くて、暗くて、深かった。 多くの読者の方々が挙げておられますが「貰う側から与える側へ」という言葉は、そのまま人生を表す言葉のひとつでしょう。人との関わり、繋がりは決して生半可な気持ちで、どうにかなるものではないことは僕自身の、これまでの経験からも実感がある。もっと広く、深く、気づくことができるように。そうありたいと強く思いました。 続きを読む
kご
こういう本を読むとまだまだ自分の物差しというか価値観や知見は狭いなと痛感させられます...とても上質な作品です。人に対して何かをしてあげてる・してやってるという態度を持つことは本当に残念な心だと考えさ…せられます。いつも誰かに救われながら生きていることを、感じ続けなければいけないですね。続きを読む
投稿日:2024.04.14
oukayuka
運命に翻弄される弱い女性(メンヘラ気味)が周りの助けを得つつ、同じような境遇の寄り添える存在と出会い健気に生きる道を見つける、非常に日本的なお話。そこに毒親、ヤングケアラー、理解のある彼くん、DV彼氏…、児童虐待、LGBT と少々欲張り気味に具が詰め込まれてお腹いっぱい。 本屋大賞、凪良ゆうとかこのへんの路線が続いた反動で2024年は『成瀬は天下を獲りにいく』が選ばれたのかも。続きを読む
まりころ
このレビューはネタバレを含みます
‣ 「貴瑚はひとの温もりがないと生きていけない弱い生き物だよ。寂しさを知る人間は、寂しさを知っているからこそ、失うことにも怯えるものだから」 ‣ 思い出だけで生きていけたらいいのに。たった一度の言葉を永遠のダイヤに変えて、それを抱きしめて生きている人だっているという。 (中略) でも、ダイヤに変えられるほどわたしは高潔ではない。生々しいほど愚かで弱い人間で、そして拭えない罪を犯した。 ‣ 孤独の匂いは肌でも肉でもなく、心に滲みつくものなのだ。 ‣ 52ヘルツのクジラ。世界で一番孤独だと言われているクジラ。その声は広大な海で確かに響いているのに、受け止める仲間はどこにもいない。 ‣ 本当はたくさんの仲間がいるのに、何も届かない。何も届けられない。それはどれだけ、孤独だろう。 ‣ こんなに寂しいのはわたしだけじゃない。この声は誰かに届いていると信じるだけで、心が少しだけ救われた。あのときのわたしは、52ヘルツの声をあげていた。 ‣ 「わたしも、昔52ヘルツの声をあげてた。それは長い間誰にも届かなかったけど、たったひとり、受け止めてくれるひとがいたんだよ」 ‣ 「期待したくて、でも素直にできない、かな。何度も哀しい思いをした顔をしてる」 ‣ わたしの言葉は、彼の心をちっとも救っていないのだ。ああ、この子を、どうしたら笑わせてあげられるのだろう。 ‣ 「貴瑚はね、ひとりで抱えすぎなんだよ。私も匠も、もしかしたら工場の時の友達だって、頼られたらちゃんと受け止めた。貴瑚のしたことを叱りはしても、嫌いになったり離れたりなんてしなかった。もっと信用してほしかったよ」 ‣ 小さな子どもの内に覚えておかなきゃならんことを大きくなって知るのは、ものすごくしんどいものよ。 ‣ わたしはそういう身勝手な拳を受けてきた。でも、殴られてもいい。わたしの後ろにいるこの頼りない子供が安全ならば。 ‣ 「ひとから言われた言葉なんだけどね、ひとには魂の番がいるんだって。愛を注ぎ注がれるような、たったひとりの魂の番のようなひと。あんたにも、絶対いるんだ。あんたがその魂の番に出会うまで、わたしが守るよ」 ‣ 「わたしと帰ろう、愛(いとし)」 ‣ 「ぼくたちと愛(いとし)を出会わせてくれて、縁を繋いでくれて、ありがとう。全て、きみのお陰だよ。」 ‣ 「わたしはあんたを救おうとしてたんじゃない。あんたと関わることで、救われてたんだ。」 ‣ ふたりで、この手の熱を感じて、存在を感じて、わたしたちの声を聴いてくれる群れで生きていくんだ。それはとてもしあわせなことなんだよ。わたしたちにはもう、孤独に歌う夜は来ない。 ‣ わたしでいいのなら、全身で受け止めるからどうか歌声をやめないで。わたしは聴こうとするし、見つけるから。私が二度も見つけてもらえたように、きっと見つけてみせるから。 だから、お願い。 52ヘルツの声を、聴かせて。
萌花
過酷な環境で育ったのにも関わらず、真っ直ぐで的確な主人公の性格に驚いた。ところどころ辛くなる描写があり、想像して泣いてしまうような部分もあり、それでも温かくて優しいメッセージ性に心を打たれた。
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