【感想】乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命！破滅寸前編: 1

文句の付けようがない、素晴らしい完成度

破滅フラグのスピンオフで、本家とは違って前世の記憶を思い出すタイミングが大幅に異なっているのが特徴。

内容については元が良いので今さら詳しくは触れないけど、作画の人・編集の人の違いにより、本家…のコミカライズ版よりも作品全体の「質」がかなり向上している。画力は高く描き込みも丁寧、コマ割りや動線も上手で読みやすい。

特にキャラクターの表情が多彩で、更に台詞回しも非常に上手いため、各々が持つ個性・魅力を本家コミカライズと同等かそれ以上に引き出せている。各々とカタリナ様が関係を構築していく描写が物凄く丁寧で、読んでいて暖かでとても気持ちがいい。
カタリナ様/シエナとマリアちゃんとの和解も、単に「謝って仲直りして終わり」と雑には済ませず、丁寧な心理描写を交えつつ時間を掛けて関係を修復する。本作はこの「キャラクターの描写」が本当に上手い。

本家コミカライズは(面白いながらも)全体的にやや雑・荒削りな品質だったが、本作では作者の違いにより漫画としての完成度がとても高くなった。
物語もメインプロットはそのままに展開がかなり違っているので、本家を読了している人にもオススメ。続きを読む