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サン=テグジュペリ, 河野万里子 / 新潮文庫 (1143件のレビュー)
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訳者により心に沁み込む度合いが違うと思います。河野さんの訳が最高と思います。
神奈川県民なので、子供のリクエストで箱根の星の王子さまミュージアムで感銘を受け、「星の王子さま」は何冊か購入したり、見かけたら読んだりしています。本は訳者により心に沁み込む度合いが違うと思います。河野…万里子さんの訳は言葉を非常に繊細に 大事にしているのが伝わってきて、自分が本の中に入ってしまった様な感覚を覚えます。また、あとがきで心を打たれるのも稀な経験でした。(このサイトから購入した書籍データはWindows環境では読めないので少しだけ注意が必要です。スマホなどはOK。)続きを読む
投稿日:2017.04.27
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てげてげ読書ノート
大人になって心で感じた宝物
「星の王子さま」を初めて読んだのは、小学生のとき、岩波少年文庫(改版後)でした。 「ゾウをこなしているウワバミ」(ボア)の絵は、今でもお気に入りです。バオバブの木も、妙に気合いの入った色刷りの挿し絵…で覚えましたし、愉快な絵本という印象でした。 しかし今回、新しい訳文で読み返したところ、本書は、胸を締め付けられる、苦しい愛の物語ではありませんか。作者も、「軽々しく読まれたくはない」としています。 子どもが、「生きるというのがどういうことかわかっている」なんて、とんでもない! 本書は、ユーモラスな絵本の姿をした、しかし、その奥深くに真実を隠して輝く、砂漠の底の井戸なのです。 (1)王子さまは小さな領主 そもそも、なぜ「子ども」(アンファン)ではなく、「王子」(プリンス)なのでしょうか。 それは、彼が、小さな星の持ち主、つまり領主様だからです。 作者はアントワーヌ・「ド・」サン=テグジュペリですから、彼自身も「サン=テグジュペリの」プリンスであったわけです。 それが人生いろいろあって飛行士になり、なんとか作家として認められた後に書いた作品です。 ですから、本作は、決して「童心に返る」ことを推奨するものではありません。 バラとの関係について、王子は自分たちが幼すぎたため、うまくいかなかったことを語っています(訳文は「あまりに子どもで」)。 仕事を通じて誰かの役に立つことは、価値のあることです。これは、王子も自力で気がつきました。 しかし、キツネからは、さらに高い価値があることを教わります。それは、絆を結んだ者に対する責任があるということです。 「役に立つ」は、労働者の実利的な価値観ですね。その上に「責任」を感ずるのは、選ばれた者、貴族の規範です。 王子は、実利に換算できない真実を大切に扱うためにプリンスなのです。 (2)旅立ちと別れに涙 現在の私が胸を打たれるのは、王子の旅立ち、バラと別れのあいさつを交わすシーンです。 ああ、わがままで見栄張りのバラの告白が、なんと悲しく、可愛らしく、精一杯の思いやりに溢れていることか。 こんな形で女性の「かわいげ」を描いた作品には、他に出会ったことがありません。 小学生の私には、このシーンは印象に残りませんでした。 見送る人の嘆きの深さと誇りの高さが、感じとれなかったのだと思います。 当時の私(国語のテストには、いささか自信がありました)に尋ねたら、「ちゃんと読み取れるよ」と笑うかもしれません。 目で見て知るのと、心が動くのとでは、全く違うのですが。その区別を知らないくらい、幼かったということでしょう。 (3)星に帰った王子は? 体を捨てて星に帰った王子は、その後どうしているのでしょうか。 飛行士は、出会ったときの姿で、また地上に現れることを願っているようです。 しかし、王子はもう、小さな子どもの姿ではないのかもしれません。 愛するバラに寄り添う、もう一輪の花になり、仲良く夜風に吹かれているような気もします。 でもそれだと、夕日を見るのに不便かしら。もしかしたら、飛行士の描いた小さな羊の姿をして、周りの草をモシャモシャ食べているのかも。 いずれにせよ、バラは「はかない」だけでなく、端正込めたお世話が必要な花なのです。 王子はそれを一年も一人きりにしたわけですから、こっぴどく絞られるに違いありません。 でも、面倒な小言を受けながら、王子はとびきりの笑顔を浮かべることでしょう。王子は、ムダに放浪していたわけではなく、深い知恵を蓄えて戻って来たからです。その笑い声を聞いたバラはとても安心して、幸せな香りを漂わせるに違いありません。 大切な人と離ればなれになったとき、元気づけてくれる一冊です。続きを読む
投稿日:2018.03.22
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erinam
このレビューはネタバレを含みます
金沢旅行の際に、二十一世紀美術館で購入し、名作なので読もうと思いつつ積読していた本をやっと読み終わる事ができた。 なぜか最初は読見進められずに何度も離脱して、王子様が地球にいくシーンで頓挫していたのが、ある日なぜか最初からすっと読む事ができたので、人生で必要な時が今だったのかもと捉えています。 「大事なものは目に見えない」のフレーズを始め、各星の大人の風刺に、自分はこのような大人になってしまったのか不安で重ねたり、キツネやバラ、ヘビなどの教訓を深く考えながら、ワンフレーズを噛み締めながら読む事ができた。 不時着した主人公の心の豊かさ、寛大さにも感動して、星の王子様(子どもの心を持った自分)との対話での成長や人生の灯火を得たことにも、ひとつ学びがありました。 最期の別れのシーンは、解釈が分かれるけれど、あまり深く追求せずにしようと思います。 あとがきの、サン=テグジュペリの生涯に触れた解説も勉強になった。 星の王子様ミュージアムに旅行で行って、スイングボールペンを買った事も思い出し、今は閉館してしまったことにも心が痛みつつ、よき思い出にできてよかったなと思います。
投稿日:2024.05.16
ラディッシュ
今回の小説は主人公と王子さまが出会うことで本当に大切なことやものは目に見えないということを様々な出来事を通じて知っていくお話である。いつも当たり前にあることは当たり前ではないという本来容易とも言えるか…もしれないことを痛感させられた。続きを読む
投稿日:2024.05.13
na
"大切なことは目に見えない"で有名だけど、他にも刺さる言葉がたくさん。大人になればなるほど理解が深まる本な気もするけど、子供にも読ませてあげたい。 先のことばかり見据えがちだけど、目の前のことをもっ…としっかり見る必要があるなって、当たり前の日常をもっと大切にしようと思える本。続きを読む
投稿日:2024.05.05
尾骨
これはだいぶ詩的というか、、。 ストーリー性が希薄な分、メッセージに重きを置いた作品だと思うが、読み取りにくい。ただ、自分にとって大切なものは自分にしかその重要性が認識できないようなもの(思い入れとか…)、だったり、効率を考えると無駄に思える行為が実は人生を豊かにするものだったりする、とかは感じたかも。また時間空けて繰り返し読むといいのかも。続きを読む
ぼく
一瞬で読み終えた。本当に読んで良かった。ハッとさせられることが多く、花やキツネとの会話は見応えがある。王子さまとの別れは永遠かもしれないけど、星を見た時の喜びをプレゼントするというのは凄く粋で感動した…。特別だとか価値があるものはなくて、一番大切なことは目に見えない。続きを読む
投稿日:2024.05.02
つる
大切なものは自分自身のなかにある。 だから目に見えない。 王子様も赤いお花もヒツジも素敵なプレゼントをありがとう。
投稿日:2024.04.28
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