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ジェームズ・ロリンズ, 桑田健 / 竹書房文庫 (1件のレビュー)
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総合評価:
くっちゃね村のねむり姫
シーンが思い描けないほど、余りに壮大な物語でした
遺伝子を操作する。おそらくその分野の科学者にとっては、とても魅力的なことなのでしょう。NHKBSで放送していた「フランケンシュタインの誘惑」ではありませんが、まさに「科学は誘惑する」ということです。…小説の中でもでてきますが、「意志と設備があって、監視や規制の目の届かない場所」で研究したいと科学者が思うのもわからなくはありません。一方、地球環境を守るため、人類を一律退化させ、6度目の生物大絶滅を阻止するってのも、アイデアの一つかもしれませんね。しかし、自分の身内だけは退化させないってのは、エゴですよねぇ。 この物語はつい最近発表されたものであることから、実にそのあたりのことが生々しく出てきます。また、栗田健氏の訳の見事さにより、翻訳物とは思えない読みやすさでした。しかし、登場人物が滅茶苦茶に多い上に、外国小説によくあるパターンである、同じ人物を、名字で呼んだり、名前で呼んだり、はたまた、何とか博士とよんだりするので、ややこやしく、複数の地域で展開する物語の複雑さも相まって、私にとっては、先に進みたいのに、なかなか先に進めないというもどかしさも感じました。 それにしても、バイオハザードとジュラシックパークまがいのスペクタクルと、西部劇まがいの戦闘シーン、それに、地下に駆逐艦が眠る場面では、宇宙戦艦ヤマトか?と思ったり、その壮大なイメージは半端ではありません。特に、むせかえるような熱帯雨林と、深く暗く冷たい地下空間での物語を対比させながら同時進行させるところに魅入られました。 勿論、ダーウィンの警告は、我々人類に対する警告でありますから、真摯に受け止める必要がありますが、難しく考えることなく、この壮大なるイメージの中にただ浸るのも一興だと思います。続きを読む
投稿日:2018.05.01
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