【感想】シッダールタ

ヘルマン・ヘッセ, 高橋健二 / 新潮文庫
(170件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
70
47
24
6
2
  • あらゆる真理はその反対も真実なのだ

    今まで一番影響を受けた本を一冊選ぶとしたら迷わず私はこの本を選ぶ。しかし何度も読んでいるが感想の書きにくい本である。知識を伝えることは出来るが知恵を伝えることは出来ない。一度口にだすと全てはいくらか違ってくる。あらゆる真理はその反対も真実なのだ。物事は常に半分だけ正しい。それを思想として伝えるには迷いと真、悩みと解脱とに分けなければならない。このときの思想とは言葉でしかない。世界と自分を愛するためには時として絶望を必要とする。学問や苦行により自分と他人を隔てていた壁を取り去るための遍歴の旅が記されている。続きを読む

    投稿日:2017.01.22

ブクログレビュー

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  • 佐助

    佐助

    なんじゃこりゃ⁉️という読後感
    途中でストーリーを見失い
    ただひたすら文字を追い掛ける拷問
    完読した自分を誉めたい

    投稿日:2024.03.16

  • くも

    くも

    このレビューはネタバレを含みます

    聡明な、でも生きることに疑問を抱いている主人公が、さまざまなな体験を通して、ついには悟りを得る話。

    主人公の名はシッダールタで舞台はインドだけど、あの仏教の開祖仏陀の話ではありません。仏陀は別人としてシッダールタの前に現れます。自分にはなかなか難しくて、読むペースもゆっくりになったけど、読んで本当に良かった。めっちゃいろいろ考えた。メモまで書きながら読んだ。

    シッダールタは仏陀に教えを乞いながら、彼の元を離れる。それは「仏陀の教えは素晴らしいけれども、言葉ではそのすべてを伝えることは不可能=じゃあ自分で悟らなきゃダメじゃん」という理由だと読んだ。んで悟りを得るために?俗世に戻るも、元が聡明なシッダールタはそれでもダメだと絶望しかける。でも川のほとりで渡し守と暮らすうち、何事にも完全なピュアなものなどなく、さまざまな面を持ってるんだ、悪あってこその善なのだと気づき、悟りを得るために自分の人生はこれでよかったと最後救われて終わる。

    話自体は短いのに、めっちゃいろいろ考えて、あー読んでよかったと心に残る一冊になった。
    そしてこの感想も、言葉にした途端なんか陳腐になってしまい、でも書かずにはいられない、そんな切なさも感じた。
    いいですね、ここまで考える読書。純粋に楽しむ話は大好きだけど、こういうのもこれからも読んでいきたいです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.06.07

  • ikki1982

    ikki1982

    内容はそれなりに難しいですが、おもしろい作品でした。何よりも文体が詩のように美しく、読んでいて心地良かったです。
    「言葉」は物事の一面を表したものでしかない、という部分にとても共感しました。

    投稿日:2023.06.03

  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    自分がいかに無知であり、ある意味で凡人であるかを思い知らされる。

    「釈迦」の出家以前の名「シッダールタ」、悟りの境地に達するまでの苦悩、師、友、俗世、欲、自然、苦悩...数多の出会いと体験から学んだシッダールタが辿り着いた境地。

    興味深く読み終えることが出来ました。



    『車輪の下』『デミアン』等で知られるドイツの文豪・ヘッセが描いた、釈迦「悟りへの道」。
    20年にわたりインド思想を研究していたヘッセが、第一次世界大戦後に発表した。

    シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。
    ――成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。

    【目次】
    第一部
    バラモンの子
    沙門たちのもとで
    ゴータマ
    目ざめ

    第二部
    カマーラ
    小児人たちのもとで
    輪廻
    川のほとり
    で 渡し守
    むすこ
    オーム
    ゴーヴィンダ

    注解
    解説 高橋健二

    本文より
    彼は初めて世界を見るかのように、あたりを見まわした。世界は美しかった! 世界は多彩だった! 世界は珍しくなそに満ちていた! ここには青が、黄が、緑があった。空と川が流れ、森と山々がじっとしていた。すべては美しくなぞに満ち、魔術的だった。そのただ中で、彼シッダールタ、目ざめたものは、自分自身への道を進んでいた。このすべてが、この黄と青が、川と森が初めて目を通ってシッダールタの中に入った。それは、もはやマーラ(魔羅)の魔法ではなかった。……(第一部「めざめ」)
    ※マーラ…修行の妨げとなるもの。悪魔。

    ヘッセ Hesse, Hermann(1877-1962)
    ドイツの抒情詩人・小説家。南独カルプの牧師の家庭に生れ、神学校に進むが、「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と脱走、職を転々の後、書店員となり、1904年の『郷愁』の成功で作家生活に入る。両大戦時には、非戦論者として苦境に立ったが、スイス国籍を得、在住、人間の精神の幸福を問う作品を著し続けた。1946年ノーベル文学賞受賞。

    高橋健二(1902-1998)
    東京生れ。東大独文科卒業。ドイツ文学者。第8代日本ペンクラブ会長、芸術院会員、文化功労者。1931(昭和6)年ドイツ留学中に、ヘルマン・ヘッセを識り、交流が始まる。『ヘッセ全集』の全翻訳と別巻『ヘッセ研究』で1957年、読売文学賞を、1968年、『グリム兄弟』で芸術選奨文部大臣賞を受賞する。『ヴァイマルのゲーテ』『ケストナーの生涯』などの著書の他に、訳書多数。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.05.22

  • ann

    ann

    癖のある訳だったけど頑張って読み進めた。
    なんとゆうか、シッダールタは人生を全うして、全て経験したからこそ悟りを開いたのねって感想。

    投稿日:2023.05.09

  • Haru

    Haru

    時間は存在しない。
    世界をありのままに受け入れる。
    万物を愛し、繋がる。そこに善と悪、生と死という概念はない。

    投稿日:2023.03.26

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