【感想】イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

安宅和人 / 英治出版
(1014件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
345
353
163
40
7
  • あなたは、本当に重大で価値ある問題に取り組んでいますか?

    この本も、思考法に関するものです。仕事における問題の取得選択に焦点を当てています。そう、取得選択が鍵なのです。

     あなたは、本当に重大で価値ある問題に取り組んでいますか?
     ガムシャラに働くことに逃げていませんか?

     これが、一つの問いかけになっています。価値を見いだすのは問題でなく解答であるべき。価値のある解答とは? 解答に価値を見いだすのはわかりました、では、どの問題を選べば価値のある解答が得られるのか? その答えが、「イシューからはじめよ」なのです。
     如何に問題を厳選するのが、大切かはノーベル医学書をとった利根川進氏やノーベル物理学賞受賞やハンス・ベーテ氏の言葉を借りていますので、説得力がものすごくあります。
     問題に取り組む為の思考法やアイデア、ツール等はいくら強力でも、答えを見いだせない問題(イシューが低い)に取り組んでしまったら、努力に見合う成果は期待できない。これが、この本の出発点になっています。

     また、脳科学的には、「理解する」と「2つ以上の既知の情報をつなぎ合わせること」は全く同じなのであそうです。つまり、自分や相手の「脳」にどうアプローチすれば「理解」されるか等が「コラム」として載せてあったりと為になる情報が随所に散りばめられているのが憎いです。同様に分析方法も、「脳神経にそった」やり方でないと、認識すらされないなども、読んで目から鱗が落ちる思いをしました。

     
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    投稿日:2016.09.11

  • Kindleの2015年ビジネス書ランキングで1位だったので買ってみました

    俗に言われるロジカルシンキング本、と言われればそれまでではあるものの、
    マッキンゼー×脳科学者という、不思議なキャリアを経た著者ならではの視点が面白い。
    いや、ロジカルシンキング本といっては失礼ですね
    本書は 「知的労働」 の 「生産性の向上」 という観点にとことん注力して書かれています。
    この点がこの本のとても重要なポイントなのだから。

    すごく特殊な事が書いている訳ではなく、
    本書の一部分だけなら、ある程度感覚的に実施している人もいると思いますが、
    論拠が明確な事、それらが体系的に整理をされているので習得しやすい事、
    ゆえにさらっと頭に入れていけます。まぁ、詳細は実物をお読み頂ければと。

    他の方も書かれていたが、『イシュー』 というワードに慣れるまでに若干の抵抗がありましたが、
    こればかりは、日本語できれいに概念一致できるワードがない以上、仕方がないのかな??

    あと、個人的にはちょこちょこ顔を出す、著者のスタンス、考え方が好きでした。

    「考える」 事は意義があるけど 「悩む」 ことはビジネスには不要な事。
    10分考えてまとまらなければ、悩む状態に陥っている可能性がある、的な記載が有ったのですが、
    これは本当に役に立っております。

    おすすめのビジネス書、と聞かれたときに、あげる事が多い一冊です。
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    投稿日:2016.04.22

  • 「イシュー」の概念を示す言葉が、日本語にはない

    本書は翻訳本のにおいがしますが、日本人著者が日本語で書いた書籍です。
    著者がイェール大学やマッキンゼーでの経歴があり、世界視点から物事を見ていることも理由のひとつではありますが、「イシュー」という言葉が拠り所なく浮いている感覚、言い換えれば据わりの悪さが、翻訳本のような雰囲気を出しているもっと大きな理由だと感じました。

    英語の "issue" の概念を適切に示せる言葉が、日本語にはありません。
    ちょうど良い言葉がなければ作るしかありません(と、本書でも書かれています)が、それが「イシュー」という音訳だったと言うことになります。
    漢語や四字熟語を造語しても良かったと思うのですが、やはり別の意味に取られるのが不安だったのでしょうか。

    さて、この「イシュー」という概念、意識して見つけ出そうとしないと表面に出てきません。
    そもそも日本語にない概念ですし、物事にある隠れた本質を見つけるのに質より量でやっていても、(たまたまうまくいくことはあっても)総じてダメなのだ、という考え方の転換を求められていると感じました。
    分析の時点で、闇雲に手を動かす前に「何に答えが出れば全体が解決するのか」「何に答えが出なければ全体の作業が終わらないのか」を問い詰め、その1点から分析を仕掛けます。
    これが本能的・直感的にできるセンスのある人はいますし、そういう人が経営者やコンサルタントとして成功していくのでしょうが、センスではなく方法論として示してくれたのは本書がはじめてかもしれません。
    「イシュー」の考え方や意識が備わることで、センスに恵まれない凡庸な私たちにも、問題解決の苦労が少しでも軽くすることができればうれしいし、軽くなりそうな気がしました。
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    投稿日:2015.03.22

ブクログレビュー

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  • cosmo0527

    cosmo0527

    かなり売れた本のようですが、『優先順位をつけろ』と言っているだけのような気もします。やることが多すぎて、パニックを起こしてしまいがちな人は一読の価値はあると思います。

    投稿日:2024.05.06

  • hyoko

    hyoko

    解を出すことのできる問題を適切に見極めることや、
    細かいところまで検討しすぎて発散するより、仮説、検証のループを短く回す
    といったことの重要性については納得

    ただ全体的に単純化しすぎていたり、程度問題に感じる箇所が多い印象(おわりにに記載にあるように結局は経験が必要のためあくまできっかけとするための本だと感じた)
    続きを読む

    投稿日:2024.05.04

  • ズッキーニ

    ズッキーニ

    イシューに対する具体的な確認方法が書いてあり参考になった。
    特に①イシューが「誰にとって」という主語が変わっても成り立つ場合はイシューの見極めが甘いこと、②イシューは白黒はっきりつけないといけないもの、③具体的なスタンスを取ることでイシューを出す。続きを読む

    投稿日:2024.05.03

  • 2004415番目の読書家

    2004415番目の読書家

    今犬の道を歩いている人にこそ、読んでアプローチを変えて欲しい。しかし、まさに今犬の道を歩んでいる人は、選択しているアプローチが犬の道かどうかも分からないのだろうもどかしさを感じた。

    限られた時間で成果を出すためには、本当に解かなければいけない課題かを精査することが必要。

    本の後半には、イシュー度を高める方法が書いてある。
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    投稿日:2024.04.27

  • なぬ

    なぬ

    問題解決する前に、解決すべきことを見極めてから、
    その問題を解決するためのストーリー立てをし、
    そのストーリーに向けた材料集めをする。

    たしかに、理想的な問題解決の手法で、効率的である
    と感じたが、評判高い本であったので、もっと
    実用的にイメージできるような内容を想定してしまっていて、物足りなさはあった。

    犬の道で、とりあえずやってみることも大事だが、
    まずは課題や目的を意識して、資料作り等をするようにしたい。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.20

  • マサシカ

    マサシカ

    「イシュー」本質的な目的とは何なのか?を考える事が大切。ただただ回数をこなすだけでは効率的に動く事が出来ない。

    内容に共感できるものがあるものの、全てがその通りと賛同出来なかった。まだ何も知らない新人が「これは本質ではないのでもう少し考えてから、動きます」とか言っている間に、タスクは時間切れになる。自分の力がある程度つくまでは「犬の道」でもいいんじゃないかなぁ。何処かでシフトする必要はあるが続きを読む

    投稿日:2024.04.18

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