【感想】キネマの神様

原田マハ / 文春文庫
(845件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
420
274
89
9
3
  • 映画館に行きたくなる本

    「自分が親父の年になったら、もう一度観たい映画ある」
    この本を読んで、大学生の頃、サークルの飲み会で熱く語った友人のことを思い出しました。

    ひとことで言ってしまえば、この物語は映画が大好きな父娘のサクセスストーリーです。
    少女マンガのような甘ったるさと、あり得ないほどにご都合主義的な展開は、好みが分かれるところかもしれませんが、これは神様が奇跡を起こすファンタジーなのだと割り切って読むのが正解でしょう。
    気分屋でいい加減な父にヤキモキしたり、小さな映画館の危機にハラハラしたり、そして何よりも、愛情たっぷりに語られる数々の名画に思わず胸が熱くなります。
    「ニュー・シネマ・パラダイス」、「フィールド・オブ・ドリームス」、「硫黄島からの手紙」などなど、誰もが知っている名作の数々も登場。

    この本を読んだ人同士で集まる上映会、ソニーさんやってくれないかしら?
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    投稿日:2014.10.01

  • あの映画の感動を文字で表現すると、こういうこと。

    あの名作映画の魅力をどう文字で表現するか、その映画論評バトルが題材の小説。もし未だこの映画を見たことがなければ、読む前に3つだけは見ておいた方がよい。「ニューシネマパラダイス」「フィールドオブドリームス」「父親たちの星条旗・硫黄島からの手紙」。登場するのはこれらの映画だけでないけど、この3本ですごく納得感のある、心あたたまる映画談議が交わされます。映画のあのシーンが脳内に蘇り、一人で見てた時よりももっと心をゆさぶってもう一度味わえる。この本はそんな作品です。しかし原田マハさん、二人の全く生い立ちの異なる映画人になりきって、1つの作品を別の視点から論じて破綻しないどころか、それぞれに納得感を持たせるのはさすがです。ご本人がよほどこれらの作品が好きなのかと思いました。大学のころ行った名画座に行って、二本立てに浸りたくなりますよ。
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    投稿日:2015.11.02

  • 読後の気分がいい!!

    面白かったし、読み終わった後の気分が良かったのがよかった。
    何かに夢中になれるってすごいですね。
    私も夢中になれるものが欲しいです。

    投稿日:2014.08.15

  • 泣けるかも

    ふつうの40女がくりひろげる物語から始まり、
    映画館で見る楽しさへ導く?ストーリー感から
    さっさっと読めました。
    非現実的ですが、なんかのめり込んでしまいました。

    投稿日:2014.11.29

  • 映画への想いがつなぐ家族のきずな

     映画への熱い想いをきっかけにして,親子のきずなが再構築されていきます。
    大好きな作家の一人だということもあり,星5つです。
    最後のところはちょっとやりすぎ(できすぎ)という面もありますが,心温まるストーリーでとてもお薦めです。続きを読む

    投稿日:2015.09.11

  • 文句無しでお勧めできる作品

    原田マハさんの作品は初めて読みましたが、「キネマの神様」は自称・映画好き、読書好きの私にはパーフェクトの5つ星でした!
    私は文体に対しての好き嫌いが多いので、読む前はちょっとどきどきしましたが、内容も文体も素晴らしいのひとこと。
    「あの人は一体誰なのか?」という謎解き要素(ネタバレになるので詳しく書きませんが)もあるし、作中に出てくる映画はどれもメジャーなものなので共感を覚える方も多いと思います。文句無しでお勧めできる作品です!
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    投稿日:2015.01.04

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ブクログレビュー

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  • サオリ

    サオリ

    映画館で映画を観る。

     動画配信サービスが普及し、いつでもどこでも好きな映画が見れるようになった今、時間を作って映画館まで足を運ばせる人が一体何人いるのだろうか、

     無論、映画に限った話では無いが昔から続く趣味というのは人と人とを繋ぎ、ふとしたところで縁をつくる。

     この本の登場人物も〝映画〟という非日常への没入に魅入られ、縁をつくることでその人生にスパイスを加えていく。
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    投稿日:2024.04.10

  • 六花

    六花

    このレビューはネタバレを含みます

    物語終盤になるにつれてどんどん引き込まれていきました。
    この作品には映画への愛が溢れています。今やスマホやテレビで映画を見ることにすっかり慣れてしまいましたが、映画館で映画を見たときの没入感と余韻を忘れないようにしたいと思いました。

    「いまを生きる我々が忘れない限り、父と息子のキャッチボールはかなうのだ」
    ローズバッドの死は悲しかったですが、ゴウはこれからも幽霊となったローズバッドと熱く議論を交わすのだろうと思えるような、あたたかいラストでした。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.07

  • kirinnokubi

    kirinnokubi

    起承転結が鮮やか

    映画という題材が私自身あまり身近でなかったせいか、
    主人公の年齢が遠かったからか?
    いろいろな要因があったと思いますが
    読むのになかなか時間がかかってしまった

    投稿日:2024.04.07

  • まよ

    まよ

    ハマさんの小説にしては今回初となる私には合わない小説か?と思っていたら大間違い。最後、一気読みできる時間があったらきっと泣いていたと思う。
    ゴウちゃんとローズバッド。2人の友情が実に素晴らしかった。

    映画館で映画が見たくなった。映画はすごく苦手だけど。それでも行きたくなってきた。
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    投稿日:2024.03.28

  • Aya

    Aya

    デベロッパーとして働いていた主人公、歩が失業したこと、父親が彼女の書いた映画評論を送ったことをきっかけに、映画評論の会社で勤めていく話。

    ・映画を観るということの良さ、また映画を映画館で観る良さを教えてくれる作品。作中コメントの通り、映画を観ることは自分の体験したことないことを経験できたり、あの2時間の中で喜怒哀楽を感じさせてくれる。

    また本作を通して、自分が今まで考えたことのなかった、映画館で映画を観る素晴らしさについて深く考えることができた。友達や全然知らん人と同じ空間で、同じものを観て、映画を見終わってエンドロールが流れてる間に、その日見た映画のことを考えて、エンドロール明け明かりが灯った後に映画の内容を共有できるのは、映画館の特殊な雰囲気があるから。
    (Netflixやとこのエンドロールが操作せんと飛ばされて次のおすすめに回されるのが本当に残念。)

    ・今まで読んで来た原田マハさんの作品は、①美術館でのキュレーターの経験を活かしたアート小説、②芸術の話は一切出て来ず、人間関係に焦点を当てた作品、に分かれて今回は後者だった。

    上述の歩の父親の映画の評論を通して、”そんなふうに映画観れるの凄いな!”とか、”自分もそうやって映画観たいな”とか思わせてくれたのが、作中に実際の名画の評論を入れてくれてたのが大きかったように感じる。

    読んでる時は父親vsローズバッドの構図で、全然違った見方で評論が述べられてて、父親の純粋に映画の良いところを見つけてコメントするスタイルと、それをローズバッドがずばっと切る相反する構図が、どっちも違う見方をしてて面白かった。
    でもよくよく考えるとこの構図を原田マハさんが1人で考えられてると思うと、マハさんと映画見てみたいな、これ観たらどんなこと言わはるんやろ、なんて妄想にふけてみたり。

    ・色々書いたものの素直にストーリーが面白かった。
    読み始めた当初は本の裏表紙の紹介読んで、歩の父親のブログが人気で始めた途中に父親が亡くなって、歩が代わりに書いてみたいな話かと思ってたら、映画を通して父親の生き方、歩/父親/母親の関係性が変わっていったり、ローズバッドが実は世界的な評論家やったり、こういう展開なんや!の連続続きでした。

    これからももっと色んな映画を、映画が好きな人と観て、あれやこれや言いたいなと思わせてくれる作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.20

  • Limei

    Limei

    私は映画館で映画を観ることがあまりないので、最初のうちは登場人物たちの映画への熱い想いになかなかついていくことができなかったし、自分勝手なお父さんにイライラしていたのですが‥
    さすが原田マハさん!
    んな私をもぐいぐい引き込み、映画を愛する人たちの情熱が私にどんどん入り込み、共感し、映画を観たい!と思うほど楽しみ、涙し、物語を満喫しました。
    心温まる素敵なストーリー。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.20

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