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山田太一 / 小学館 (4件のレビュー)
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総合評価:
読んで良かった、という本を
素敵な余韻の残る作品です
読み終わった後、しばらく余韻を楽しむことができた。 22歳の助監督が16才の女優の卵に恋心を抱く。 でも、自分の気持ちを相手に伝えることもできぬまま、時が過ぎる。 そして、33年後に再開して彼女の一言…が心にしみました。 「だってはじめて好きになった人だから」続きを読む
投稿日:2014.10.27
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camelmild
このレビューはネタバレを含みます
石田の若々しいチンケなプライドも、羽柴の中年臭い無駄な見栄も、 どっちも痛々しいんですけど、分かってしまう部分がありますよね。 自分にもこういう節はあったよなぁ、あるんだろうなぁって。 結局は防衛本能ですからね。自分の価値を守りたいと思う心を、客観的に見せつけられたような感じでした。 各々の記憶について、結局答えは分かりません。 それぞれ勝手に都合よく改ざんして、それを事実と信じ込んでいるんでしょうけど やっぱりそれを責める気持ちにもなれないと言うか。 皆生きるのに必死な訳で、自分が最も安らげる落としどころを無意識に求めてしまうのは性のようなもんなんでしょうね。 まぁ俯瞰的に見れば、ですけど。 自分は自分が正しいと思うもんですし、いざこういう状況に対面した時に 自分はどこまで割り切れるのか。それもまた怖いな。 瑠美の幼さもまたリアルで。 33年後に石田を『初恋の人だった』と称しているのに嘘はないように感じるんです。 お互いを美化した結果、「そうだったんだろうな」って。 でもそうなると、石田を想っていた期間が物凄く短いんですよね。 ちょっと距離ができた隙?に正太といい感じになっちゃってるんですもんね。 17歳のリアルさですね。まぁこれも本編(石田の記憶)がどこまで真実なのか分からないってのもありますが。
投稿日:2014.04.22
illinois2010
初山田太一作品です。これまで、ドラマも見たことがありませんでした。今回、『本の窓』で紹介されていたので読んでみました。 解説が、角田光代さんだったので、先にそっちから読んでしまい後悔しています。セ…リフが多くて、口調が似ているので、適当に読んでいると、誰が話しているのか分らないことがありました。そのため、同じところを何回も読み直します。 途中で、私の田舎である、鯖江が出てきたのには驚きました。さらに続けて、私の祖父が行っていた、鯖江36連隊も登場。勇猛で鳴らした連隊、と祖父の昔話と同じようなことが書かれていて、なんだか、ほっこりしました。 この点だけで、いっぺんに山田太一さんが好きになりました。続きを読む
投稿日:2013.08.31
takaronronbon
周囲の人の視線、考え方と自身のそれらとのギャップを感じることってありますね。優越、劣等どちらがどちらかわからないこと、それでいて自分の内ではきちんと合理化してしまう一人よがり。思い当たるところです。
投稿日:2013.04.25
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