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上橋菜穂子 / ちくま文庫 (35件のレビュー)
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総合評価:
ぽろろん
2
じんわりしみる
文化人類学というと堅苦しく敷居が高く感じるかもしれませんが、大人も感動する児童文学の作者、上橋菜穂子さんの著作ですので 老若男女、手に取りやすいかと思います。 『守り人』シリーズ、『獣の奏者』シリーズ…はアニメ化もされています。この本を読むと、上橋さんの描く世界の根底にある、共通する『何か』を、やはり感じることが出来ます。 考えさせられますし、せつなくむなしく、世界のあり方に心がぎゅっとなることもあります。 それでも、一人でも多くの人に上橋作品を読んで欲しいと願ってしまいますね。続きを読む
投稿日:2015.04.08
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Anne
『本は読めないものだから心配するな』で紹介されていて読みたくなった本。 『獣の奏者』や守り人シリーズは、こんな地道な調査や生活経験を背景に出来上がったファンタジーなんだな。それは面白いはずだ! 『ぼ…くはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んだ時も似たようなことを思った気がするけど、多民族の共生とはなんと複雑で難しいことか。差別が良くないのは分かるが、「同じ扱いをする」ことも実は決して「平等」ではない。 日本でも、自分の身近なところにも、同じような課題がたくさんありそうだ。続きを読む
投稿日:2024.02.03
東京工芸大学 図書館
「獣の奏者」など小説家として活躍される上橋菜穂子さんによる、オーストラリアの先住民アボリジニたちとの関わりや実態を記録した本。ここにはフラットな視点でアボリジニたちのリアルな生活や現状を知ることができ…ます。 インタラクティブメディア学科3年続きを読む
投稿日:2023.12.06
メガネ
本書を読んで、アボリジニのイメージが、非常に変わりました。町に住むアボリジニが、どのように悩み、苦労しながら生活してきたのかがよく分かりました。アボリジニの伝統を抱えながら、白人社会の中で生活する難し…さ、そこから生じる様々な問題もありますが、明るく楽しく生活している隣のアボリジニが増えることを望みます。続きを読む
投稿日:2023.07.26
TAKU
アボリジニの若者が底なしの退屈の闇に浸かり、男達は酒を飲み虚無を埋める。 漠然とした不安と不満。 国からの補償で酒を飲む人たちも、本当に好きでやっている訳ではないだろうし、健全に働けない心の状態になっ…たら背景は見過ごせないと感じた。続きを読む
投稿日:2022.11.29
がと
人類学者の卵だった著者がオーストラリアに滞在し、街に住むアボリジニとイメージのなかのアボリジニのギャップにショックを受けながら、友情を通して〈理想の先住民〉ではない隣人としての姿を少しずつ知っていく過…程を綴った体験記。 管啓次郎の『本は読めないものだから心配するな』で紹介されていたので手に取ったのだけど、本当にいい本だった。文章は優しくとても読みやすく書かれていながら、オーストラリアに限らずありとあらゆる文化において他者を尊重するとはどういうことなのか、考えるヒントをくれる一冊だと思う。 文化人類学というものがそもそも西洋のアカデミズムに拠っているという問題がある。先住民に〈野生〉の理想を押しつけながら、同時に資本主義的な観点からは〈役立たず〉のレッテルを貼り、社会から排除する。上橋さんの戸惑いもまずはそこから出発する。 一方で、今はもう街に暮らしているアボリジニも親戚の死などをきっかけに伝統社会に引き戻され、魔術師やトーテムがいる世界に入っていってしまうところはやっぱり面白く、興味を惹かれずにいられない。本書で取材対象になっているのは、日本文化の先生としてオーストラリア西部の小学校に赴任した上橋さんが友だちになったアボリジニの女性たちだ。彼女たちは幼い頃を白人が定めた居留地で過ごし、今は街で生活しており、父や夫はもう狩りをしていない。 面白いのは居留地時代がノスタルジーの対象になっていることだ。居留地はそれぞれの共同体が白人の入植前に暮らしてきた土地とは関係なく決められていたらしいのだが、それでもブッシュで動物や虫を捕っていた日々を語る口ぶりはにわかにいきいきしてくる。言葉や文化の伝授を禁止された時期があるせいで親世代と子世代は精神的な分断を抱えており、ブッシュの記憶はその溝を飛び越える大事なものだったのではないか。 日本でもアイヌや琉球の文化を持て囃す一方で、生活リズムの違いや宗教観・家族観の違いには理解を示さない、歩み寄らないという差別の歴史があると思う。「物質社会 VS 精神世界」だとか、「先住民の生き方こそが"本当"なのだ」とかいう話じゃなく、他者や他文化を理想化せずに尊重するにはこれから世界はどう変わっていかなければならないのか、と優しく問いかける一冊。続きを読む
投稿日:2022.09.24
TORIMURA
上橋さんの描く物語の文化の繊細さや作り込みの奥深さは、こうした異文化との交流の経験とそれに基づいたリスペクトがあるからこそ、生まれているのだと感じた
投稿日:2022.03.01
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