【感想】遠まわりする雛

米澤穂信 / 角川文庫
(396件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
70
177
93
11
1
  • 青春ミステリー第4弾

    シリーズ4作目。
    登場人物4人の距離がぐっと縮まったように思います。
    誰も死なない、血も流れないミステリーなので気持ちよく読めて心地いいです。
    それでいて安っぽいミステリーにはなっていないのが作者の巧さでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2015.04.25

  • 「らしくない」彼の変化が心地よい

    再読。短編集ですが、奉太郎の心理的変化を軸に据えた一年間の出来事というテーマがあった様です。
    確かに1話目では時系列の混乱というだけでない違和感を感じたのですが、成る程。変化前の奉太郎が彼らしすぎたという訳ですね。
    納得。
    ミステリとしては様々な手法のエッセンスだけを取り込んだ、という体で評価は分かれそうな所ですが、個人的には「らしくない」奉太郎が堪能できる表題話が秀逸でこれだけでも満足。
    美しいものを、彼なりの不器用な心情で美しいと感じた様は情景としても内面描写としても綺麗で、また微笑ましくも。
    心が洗われます。
    続きを読む

    投稿日:2014.03.16

  • 神山高校古典部の一区切り

    氷菓から続く、神山高校古典部シリーズの一区切りなっていると感じる作品。
    進路や、気持ちを含めて色々考えてしまう高校生という年頃を、イベントを通じて描いている名作。

    ミステリーという印象はほとんど持たないものの、最後に良かったなってほっとできる気持ちの良い小説でした。続きを読む

    投稿日:2013.10.04

  • 奉太郎の心境変化

    省エネが信条の奉太郎の心境が変化していく様を、狂い咲く桜という鮮やかな場面とともに写し出した表題作が秀逸。読後にとても暖かな気持ちになれて、時間をおきながら読み返したいと思うような短編集で、おすすめです。続きを読む

    投稿日:2014.02.11

  • 古典部シリーズ4作目

    今回は高校入学からの1年間を7話で構成した短編集です
    省エネを信条とる折木孝太郎、名家の娘で好奇心旺盛な千反田える
    1年で古典部員それぞれが変わっていくのがよくわかる
    高校生の日常的な謎解きは面白かったです。
    そしてなにか切なく甘酸っぱい感情が伝わってくる
    この先4人はどうなるか?「わたし、気になります」
    続きを読む

    投稿日:2014.08.29

  • 古典部シリーズの短編集です

    古典部シリーズとしては四冊目にあたります
    こういうのも悪くありません。もともと、大きな事件を扱うわけではありませんから、十分楽しめます。というか、別に長編で無くともいいように思います。

    投稿日:2013.09.24

ブクログレビュー

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  • 華麗なる義塾

    華麗なる義塾

    シリーズの過去作と比べ、古典部員それぞれの核となる価値観が、より色濃く描かれている。
    また、恋愛要素も強調されており、一層青春ミステリ感が増して、甘酸っぱさが良かった!

    投稿日:2024.04.24

  • コチリーヌ

    コチリーヌ

    古典部シリーズの手が届かなくて痒かったところがギュッて書いてあってこれが読みたかったの!ってなるのと同時に、まだまだ距離の詰め方が古典部!って感じで歯痒い気持ちになった。
    いつもみまいなものすごい謎がある訳じゃないけど、どれも小さな謎を軸に古典部ワールド全開になるから楽しく読めた。続きを読む

    投稿日:2024.04.23

  • kaonio

    kaonio

    「遠まわりする雛」(米澤穂信)を読んだ。
短篇集。
    
あとがきにあるとおり、高校一年生の心の機微を時間の移り変わりと共に綺麗に切り取っている。

    読んでいてついクラスメイトみたいに『お前ら付き合ってんの?』みたいな軽口を飛ばしたくなる。
    
「心あたりのある者は」は確かにハリイ ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」だね。
なつかしい。
読んだのはもう40年以上前だよな。
    
どれも大事件ではないが当事者にしてみればなかなか厄介な問題なんだから。
    
あー面白かった!
    続きを読む

    投稿日:2024.04.15

  • 無名名無

    無名名無

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    『遠まわりする雛』
    著者:米澤穂信
    装幀:杉浦康平
    発行所:株式会社角川書店
    初版発行:2007年
    発行:2010年 角川文庫
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    中庸堂は十数年前に
    ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』を
    読んでいたので「心あたりのある者は」で
    全く同じ手法を使っていることに気がついたのだが、
    あとがきで著者である米澤穂信も
    それについて言及していて嬉しかった。

    このように本を読み続けていくと、
    これまでに読んだ本と今読んでいる本が
    点と点で結ばれる小さな喜びを得る場合が出てくる。
    そうやって点同士が結ばれて自身独自の線が
    紡がれていくことも読書の魅力の一つだと
    感じる次第だ。

    さて、
    本書はご存じのとおり「〈古典部〉シリーズ」4作目、
    前述した「心あたりのある者は」を含めた
    七篇からなる短編集となっている。

    ミステリにカテゴライズされる作品ではあるが
    これまでのシリーズと同じく「日常の謎」に焦点を当て、
    それに青春系学園モノをプラスした
    平易で読みやすい本だ。

    それに加えて本書では思春期特有の
    甘酸っぱい心の機微を主人公の折木奉太郎、
    その親友の福部里志が見せるエピソードもあり、
    その機微が今となっては
    懐かしくも羨ましくも感じられる。

    できれば、
    十代の若い読者に推したい本だが、
    そうでなくともミステリ入門書、
    そしてミステリマニアにも肩の力を抜いて
    気分転換も兼ねて気軽に読んでもらいたい。

    その理由としては、
    本書を併せてシリーズ四作品すべて
    読んできたがこの「〈古典部〉シリーズ」は
    短編くらいの長さが丁度いい気がしたからだ。

    シリーズ2作、3作目それぞれ
    『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』は
    長くて冗長に感じた。

    短編くらいの長さの方が
    内容的に程よいバランスでまとまっていたし
    登場人物それぞれへの焦点も
    当てやすいように感じたからだ。

    さて、
    「〈古典部〉シリーズ」はまだまだ続く。
    本書に次ぐ既刊本として
    『ふたりの距離の概算』
    『いまさら翼といわれても』がある。
    積読の中には含まれていないが、
    この積読消化が完了次第、
    すぐにでも手にとってみたい。
    今からその時が来るのが楽しみだ。

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    ⚫︎目次情報⚫︎

    やるべきことなら手短に

    大罪を犯す

    正体見たり

    心あたりのある者は

    あきましておめでとう

    手作りチョコレート事件

    遠まわりする雛

    あとがき
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    続きを読む

    投稿日:2024.03.13

  • なお

    なお

    「あきましておめでとう」と、「遠まわりする雛」が面白かった。
    ミステリ要素はかなり薄めだから、このシリーズの雰囲気を楽しみたいがための一冊。
    こういうのに恋愛要素は持ちこんで欲しくない派なんだけれど、これは好き。
    「クドリャフカの順番」ではそれぞれの視点から物語が進んで、それはそれで面白かったんだけど、やっぱり奉太郎視点の文章が一番面白い。
    今回は短編。このシリーズ一冊ずつ構成が違って、そういう遊び心好き。
    そしてタイトルの神センスが個人的にたまらん。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • こーじ

    こーじ

    古典部シリーズで、短編小説集のような作品です。
    短なトリックがいくつも詰め込まれていて、軽く読むことができます。
    ただ長編作品に比べるとトリックの重厚感などがなく、物足りなく感じてしまいました。

    投稿日:2024.01.26

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