【感想】「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人

池田信夫, 與那覇潤 / PHP研究所
(18件のレビュー)

総合評価:

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  • 氏の著を読んでより深く掘り下げたい人向け

    池田信夫と與那覇潤の対論本。どちらも新自由主義的な思想の持ち主。以前與那覇と池田双方の本を読んだことがあり、それで気になっていたので購入した。参考になる話は多いものの、逆にいえば表層をなぞったような話が多く掘り下げていないと思う。私は橋下は登場後数年で死に体となり、大阪は結局元の木阿弥になるのではないかと考えている。なお、本文中にキリスト教過激派を捨てるための政策とあったが、私はユースバルジ(過剰な若年男子のはけ口)のほうが強いと考える。続きを読む

    投稿日:2013.09.27

ブクログレビュー

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  • toshi1231

    toshi1231

    中国のような皇帝がルールを決めて統治する社会ではなく、欧米のような法治国家でもなく。日本は江戸時代から続く村社会で課題を解決する仕組みが今も根付いている。
    専門家の2人の先生の対談で、お互いに一定の知識レベルがある前提で話をあちこちに展開されるので、正直なところ読みにくい。内容は詰まっているので、完全に自分のレベルが低いのですが。続きを読む

    投稿日:2023.06.12

  • ドラソル

    ドラソル

    「日本人とは何か」について、2人の作家がとことん語る一冊。

    言ってることは(特に池田信夫のブログを日ごろから呼んでれば)充分頷ける内容なのだけど、何せ対談形式なので話がダッチロールして中々進まない。
    対談よりもむしろ2人の共著形式の方が良かったのでは?
    続きを読む

    投稿日:2015.03.28

  • kazlab

    kazlab

    在野の経済学者、池田信夫さんとネット歴史論壇の旗手、与那覇潤さんの知的刺激あふれる対談集。
    この本を読んだ後には、司馬史観で「お前も大志を抱いて励め」と諭す上司に一言いいたくてしょうがなくなるかもw

    曰く、「明治維新後、西欧化を図り、わが国は世界に類を見ない高度成長を遂げた」という歴史の通説は幻想であり、実は日本がいまだに江戸時代から進歩していないというのが、両者の共通認識。
    全国300もの藩が別々に法律や武力を保持し、ムラ社会の掟で問題解決するシステムが、内向きで縦割りの社会構造を生み、全体戦略や強いリーダーが現れない原因を作り出したのだと指摘する。
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    投稿日:2014.05.06

  • mayako31

    mayako31

    読み物として、とても面白い。実際に日々の生活の中で感じる組織や社会、文化に対する疑問に、意外な角度からヒントを与えてくれる。自分の思考を深めるための、導入的な対談だった。

    投稿日:2014.04.29

  • 澤田拓也

    澤田拓也

    対談に名作なし、は読書家の定評(?)だが、池田信夫ということで手に取ってみた。

    対談のもう一方の相手の與那覇潤は、『中国化する日本』という本を書いた気鋭の歴史学者らしい。池田信夫も学者といえば学者なので、学者系の対談にあるようにやたらと文献が出てきて、あの本の中ではこう言われていた。あれはこう解釈することができる、といったような対談にありがちな流れになる。丸山眞男とかドゥルーズ、マックス・ウェーバー、サンデルも出てくるし、『失敗の本質』も出てくる。この辺りはある程度知識はあるので付いていけている気がするが、そもそも『中国化する日本』を読んでおくべきなのかもしれん。

    副題に、「変わる世界、変わらない日本」とある。対談が行われた頃は、民主党政権への失望感が溢れ、原発問題やTPPや普天間の対応がぐだぐだになっていた頃。「決められない政治」が今以上に痛烈に批判されてもやむなしな状況であった。
    この「決められない政治」は、明治維新や敗戦を生き延びて江戸時代以前から続く日本人の「古層」から来るものであるとする。つまり「空気」によって支配される共同体が、法=ルールベースの政治や経済の実現を阻んでいるとの見立てである。そのことが、グローバル化において、日本が必然的に地盤沈下していく理由の大きなひとつだとする。
    もちろん、ある意味それはひとつの解釈だ。

    西洋化も歴史上先行したというものでなくひとつの類型であり、中国もひとつの類型、そして日本もそのひとつだと。経済成長はこれまでの産業革命などの説明と違い、資本蓄積が進むと成長し、やがて止まり人口増加以上の成長が望めなくなるというルールに結局したがうのだというのが著者らの視点だ。

    フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』からタイトルを取ったということだが(歴史=世界史)、「日本史」(そういう意味で教科の日本史とはちょっと違う)はもはや終わるべきだがなかなか終わらない、というのがタイトルが寓意するものではないか。

    結局、二人は意見が合っているのかいないか分からんかったな。対談ものは難しい。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.11

  • tokyobay

    tokyobay

    西洋化・中国化・江戸化の3類型の違いを政治・経済・文化の観点から歴史的に解明・定義していくという内容で、読み物としては結構面白い。自分は歴史に詳しくないし、本書を批判する程の知見はないので、言われてしまえばそうかもなあと納得してしまいそうになるし、世の中いろんな見方があるものだと感心させられる。日本万歳でもなく、自虐でもなく、総じて客観的・相対的に書かれている印象。良くも悪くも日本(人)とは何か?を考えて、その中で自分がどう生きるべきか?という指針にはなる。印象に残ったのは「勤勉革命」で、この革命には参加してはいけないなとか、やはりフリーライダー戦略が正しいのかなとか。
    が、所詮は対談本なので話が飛ぶし、論理構成も弱いし、(P287の表1つでこの本の説明は殆ど終わるような)本著でいろいろと気づきを得たなら、関連書籍にあたってみるというブックガイド的役割なのかなと思う。
    そもそも池田氏は他著で「対談本には価値はない」とか言ってたのに、こういう本を出したのは何故なのだろう?あと、「遺伝子」という単語が結構出てくるのだが、政治・経済・文化においては環境的継承性はあっても、遺伝性はないので、そこを信じているのはどうかな?って気がしたけど。
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    投稿日:2013.10.24

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