【感想】浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく フィギュアスケートの裏側

生島淳 / 朝日新書
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
2
5
10
0
0
  • ソチオリンピックまでに読んでおこう

    浅田真央選手が、2010年のバンクーバー五輪で敗れたのは
    フリーの演技で、ジャンプにミスが出たから・・・
    それだけが真の原因ではないと書く衝撃の1冊。

    なぜ、女子の有力選手はトリプルアクセルを跳ばないのか?
    それは、採点システムの仕組みに大きな原因があるということが
    本書に詳しく書かれている。

    タイトルは、女子選手の名前だが
    他の内容では、
    なぜ、バンクーバーで4回転を決めたプルシェンコは、
    4回転を回避したライサチェクに敗れたのか?
    など、男子選手の話題も入っており、
    読み応えがある。
    内容的には、2011年までだが
    今読んでも、古さはまったく感じない。

    また選手だけでなく、コーチや振付師
    (タラソワ、モロゾフ、オーサー)といった人たちの略歴も
    詳しく書いてあり、
    「へー!」と思う箇所がいっぱい。

    それにしても、フィギュアの採点はこんなにも奥が深いのか?
    あえて書くならば
    「フィギュアスケートに関しては、
     ソチ五輪は、もう、始まっている」
    のだということが、本書を読めば実感できる。

    ソチ五輪開幕までに読みたい1冊だと思う。
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    投稿日:2013.11.24

ブクログレビュー

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  • twshayafune

    twshayafune

    このレビューはネタバレを含みます

    2011年に書かれているので、出てくる選手の名前は古いが、フィギュアスケートがどのようなスポーツなのかがよく分かった。

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    投稿日:2018.08.25

  • ブル本

    ブル本

    フィギュアスケートの歴史から、
    2002年のソルトレイクシティ・ゲート事件によって大きく変わった採点方法
    2003年以降現在まで続く新しい採点方法の課題
    その中で日本のフィギュアスケートの人気を高めてきた今おなじみの選手たちが戦ってきた
    コーチ、振付師、選手、選曲、衣装、メイクについて
    採点方法に対する『模範解答』となる『勝つためのプログラム』について
    あと、IOCにオリンピックの正式競技から排除されないように配慮しなければならないこと
    なんてのもあって、
    フィギュアスケートを観ながら解らないことも多かったですが、こちらを読んでそういうことがあるのかと裏側を知ることができ
    フィギュアスケート好きなので単純に面白く読めました
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    投稿日:2017.12.29

  • キじばと。。

    キじばと。。

    バンクーバー・オリンピックの女子フィギュアスケートで、浅田真央とキム・ヨナとの間にどうしてあれだけの得点差がつくことになったのかという疑問から説き起こし、芸術とスポーツの間に位置するフィギュア・スケートという競技の複雑な採点システムを解説している本です。

    前半はフィギュア・スケートの歴史を振り返りながら、現在の採点システムがどのような経緯で採用されるに至ったのかということが説明されています。後半は、もはや選手自身も自分の演技がどのように評価されるのか理解できない現代のフィギュア・スケートにおいて、コーチや振付師などの役割が大きな比重を占めていることや、政治的な駆け引きが採点システムに影響を与えていることなどが解き明かされています。

    ソチ・オリンピックのとき、作家の高橋源一郎がキム・ヨナのコメントに言及していたのですが、そこで高橋は、佐村河内守のゴースト・ライター問題に際してピアニストの森下唯がブログで「私は、純粋に(どんな付帯状況もなく)音楽を聴くことは不可能だし、そんなことを目指す必要もないと考えている」と発言していたことを取り上げていました。私たちはスポーツを鑑賞する際、何らかの「物語」をそこに読み込んでしまうのですが、とくにフィギュア・スケートという競技には、そのことを強く感じます。浅田真央の演技を、彼女に関する何らかの「物語」もなしに鑑賞することはほとんど不可能だし、その必要もないように思います。そんな考えを持っているときに本書を読んだのですが、フィギュア・スケートの複雑な採点システムが、そうした「物語」を増幅するような装置として機能しているのではないかということを感じました。

    もっとも、「スポーツを鑑賞する」という行為に「物語」が付きものであり、そこにミクロな権力構造が入り込んでくるというのは当然のことだとしても、本書で説明されているような国力といったリアル・ポリティークの文法がスポーツの世界でも機能してしまうことには、やはり受け入れがたいといった思いもあります。
    続きを読む

    投稿日:2017.04.21

  • kun92

    kun92

    キムヨナが、金取って金儲けに走ることの話かと思ったのよね、タイトル見て。
    荒川静香みたいに。
    内容は全然違って、芸術性と競技性を両立させようとするフィギュアスケートの紆余曲折の話。
    今のフィギュアスケートは、ジャッジシステムに合わせた模範解答を作る競争になっていて、かつ、選手にはその模範解答を作るスキルがない。
    コーチや振付師が、選手のスキルも一つの具材として、最高の模範解答を作り得たチームが勝利するのであって、キムヨナのコーチはそれに成功し、浅田真央のコーチにはできなかったのが、あの点差になったと、そういう話。

    フィギュアスケート、めんどくさ。
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    投稿日:2015.02.08

  • らじヲ

    らじヲ

    バンクーバーオリンピックでなぜ世界で唯一3Aを飛ぶ浅田真央ちゃんがキム・ヨナちゃんに負けたのか。
    4回転に挑戦しないライサチェックくんが、なぜ皇帝プル様に勝てたのか。
    ルールの当・不当は別として、そのときのルールを一番上手に解釈して実践した選手が勝つのがフィギュアスケートってことなんだね。
    芸術かスポーツかの議論は、これからもしっかり続けていって欲しいです。
    選手の実力だけでは勝てないのがフィギュアスケートってことがよくわかった1冊でした。
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    投稿日:2014.05.15

  • kagawamichiya

    kagawamichiya

    芸術と技術の総合で得点が決まる。採点方法も改良されてきたが、その時の恩義だけでなく、それまでの実績なども入る、不思議な方法で採点される競技だということがわかった。

    投稿日:2014.05.06

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