【感想】流転の海―第一部―

宮本輝 / 新潮社
(100件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
42
32
15
0
0
  • 卓越したキャラクター描写

    主人公のおじさん、戦後の混乱期という舞台設定ともに、特に私の好みではないのだけど、なぜかグイグイと読み進められてしまうパワーを持った作品。
    人物のキャラクター設定が巧みで、どの人も強い顔と弱い顔を持っていて、一言では言い表せない複雑な性格付け。
    登場人物達がどういう運命をたどるのか、この先の展開に期待。
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    投稿日:2014.04.05

  • ご注意下さい

    このシリーズはまだ完結してません。
    たぶん2018年末ごろに最終巻になるかも。

    自分が最初に読んだのが8年位前なのですが、いま読み返しても良い作品です。街の背景描写が40代より上の方は描きやすいです
    戦後の大坂、神戸、愛媛、富山、城崎辺りに土地勘あればより楽しめると思います。
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    投稿日:2017.01.23

ブクログレビュー

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  • housoushi

    housoushi

    主人公松坂熊吾50歳(ワイと同い年)、作者宮本輝(ワイと同じ名前、ワイはアキラですが)、これはもう運命を感ぜずにはいられない。 
    この物語を読む事が私の使命、いや、これを読む事でこれからの自分の生き方に何らかの影響があるのではないかと、寧ろ恐怖を感じる。

    舞台は日中戦争開戦からそして終戦へ。生きている時代は違うのだが、松坂熊吾に感情移入してしまう自分がいる。しょーもないミステリーを読んで揚げ足取って喜んでいた自分のなんて小さい事よ。これだよこれ、私が求めていたものは。

    って、読了して知った、これ全部で9部wなげーよwもー、ばかばか! がんばりまーす。
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    投稿日:2023.12.19

  • たつぼう

    たつぼう

    長編第一部
    宮本輝の父親を描いたとされる自伝的小説。
    豪放磊落、しかし、決して完璧でない、むしろどこか精神的な病を患っているかのような主人公の在り方に、とても惹かれた。今の時代には、おそらく受け入れられないであろう。だからこその憧憬かもしれない。魅力的で人間臭いキャラクターが多数登場。続きが楽しみ。続きを読む

    投稿日:2023.12.10

  • nami

    nami

    ずっと読みたかった大作にやっと読むことができた。破天荒な熊吾の波瀾万丈の生き方に魅せられた。戦後の歴史的要素も含まれていて勉強にもなる。一粒だねの息子伸仁の未来が気になってシリーズ読了まで楽しめそうだ続きを読む

    投稿日:2023.11.07

  • dsukesan

    dsukesan

    なんとも言えない。簡単な成長物語としてのビルドゥングスロマンではなし、時代小説のようなものでもなし、ましてやエンターテイメントでもなし。人間が剥き出しに描かれている様に感じるものの、良いとか悪いとか、主題が何か、今の自分には判然としない。

    紆余曲折、毀誉褒貶の人間模様。人間の多様面と厚さ、深さ、複雑怪奇さを感じる。人間の矛盾、弱さ、汚さ、儚さと、苛烈さ、酷薄さと、強さ優しさ、潔さと。美と醜が渾然一体となって、混沌のままに呈示される。どちらも人間の本質なのか。
    正に海。掴めない。

    ただ、その中でも、幼子を前にした父親を人間として見る感じる描写は、自身の父親もそうであったかもと思わせてくれて少し親に近づけてくれる。
    そして、この物語を読み進めることによって、『分かった気になって、人間を善悪の二項対立で簡単に判別しがちな私自身の薄っぺらな人間観』と、『なんでも勝ち負けに落とし込んでしまう考え方』が、豊かになるかも知れない期待が出てきた。

    全9冊の大作を読み進める中で、どんな変化が自分に起こるのか、起こらないのか、楽しみである。
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    投稿日:2023.09.03

  • Jon Jon

    Jon Jon

    久しぶりに宮本輝さんの作品を読んだが、やはり文章・人物の描き方等全てにおいて素晴らしかった。
    主人公が妻に暴力を振るう場面は、嫌な気分になったが、すごく話に引き込まれた。続きが楽しみ。

    投稿日:2023.06.24

  • Showji_S

    Showji_S

    豪胆かつ小心で、猥雑な面も併せ持つ松坂熊吾とその眷属たちが織り成す、濃密な小宇宙を描く。宮本輝氏本人と実父・実母をモデルとした大河編の第一部。

    投稿日:2022.07.22

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