【感想】金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄

横溝正史 / 角川文庫
(103件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
29
37
22
1
0
  • 映画が先か、原作が先か。

    私は映画を見てから原作を読みましたが、原作の良さを損なうことなく表現していたなぁと思っています。
    原作を読んでから、もう一度映画を観るとこの作品の悲劇的な背景がより一層浮き彫りにされていると感じました
    一人の男に翻弄された四人の女性が受ける悲しみは、読んだ当初幼かった私でも涙しました。
    戦中・戦後のどさくさが生んだ悲劇でもありますね。
    これを読み終えたら映画をご覧になることをお勧めします。レンタルできると思いますので・・・
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    投稿日:2013.10.09

  • 私は映画を見ていませんが・・・・・

    このお話は映画化されています。
    残念ながら、私は未見です。

    しかし、読んでいて情景が目に浮かびます。田舎町。対立構図、勃興と没落。
    生き生きとした人々の暮らしの中、一人また一人と人が殺されていきます

    殺人の連鎖、犯人の動機は、誰が犯人なのか?
    かつて集落に波紋を興した人物の正体は?

    何ともキツイ話でした。凄惨な事件簿であり、カワイソウな物語です。

    金田一さん、もっと素早く行動してくれ!!と読みながら思いました。
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    投稿日:2015.04.04

  • 夏に読まれたし!

    この作品は自分の中で真夏の時期に読むもの、と勝手に決めてます。何故なら、物語の日時がハッキリ明示されており、文中いたるところに夏の描写があり、汗をかきかきまたは蝉時雨を聞きながら読んでいるとあっという間に物語の中に引きずり込まれます。
    金田一シリーズの岡山物は、特に感じられるのですが、世界観、人物のキャラクターが確立されていて、頭の中で映像化しやすいですね。暗い凄惨な話ですが、ラストの本多先生の科白には笑わされました。あ、ホントにラストの磯川警部のくだりもですが(ちなみに映画の場面では"総社=そうじゃ"駅での金田一とのやりとりになっている)。


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    投稿日:2015.07.31

  • NHKの番組「深読み読書会」の前に読み返してみました

     BSプレミアムで時々放送される番組に「シリーズ深読み読書会」というものがあります。現役の小説家は勿論、様々な分野の著名人が、一つの作品について、あーだこーだと深読みしていくという、とても興味深い番組です。
     これまで放送された小説も、かなり以前に読んだことがある作品ばかりでしたが、細部の内容まで記憶にないことから、番組出演者の議論になかなかついていけませんでした。
     横溝作品は、妹が大好きだったこともあり、かなり読みましたが、悪魔の手毬唄も、読んだのは高校生か中学生の頃です。そんなことから今回は番組の方は録画しておき、まず作品を読み返したあと、じっくりと深読み読書会を味わってみた次第です。
     読み返して見て、やはり文句なく面白いのですよ。さすがに横溝正史の集大成と言われることはあります。また同時に、これは映像化してみたい誘惑に駆られるのもよく判る気がしました。殺しの場面が非常にビジュアル的なんですよね。一方私自身、恥ずかしながら、犯人が誰かを忘れてしまっており、それが判ったときは、初読み同様、驚いてしまいましたよ。
     ミステリーですから、物語の内容に言及するわけにはいきませんけれど、横溝作品にはお馴染みの対立する一族に加え、図を書かないと判らなくなってしまうような、かなり複雑な人物相関になっています。そして、いつものように?金田一さんがそこにいるにもかかわらず、殺人事件を未然に防ぐことは出来ず、謎解きは、犯人が目的の全てを完遂させてからという展開になってます。
     今回、番組をみて初めて知ったのですが、これは横溝正史自身の家庭環境?を反映してるらしいとのことでした。そのためか、なんと身内に、歌名雄という名前の人物が存在しているそうです。横溝正史の家族もかなり複雑な家庭だったようです。苦労されたんですね。番組では、乱歩との関係も様々に語られ、この小説の中にも乱歩を喜ばすためと思われるシーンを指摘されていました。
     そして、誰しも思うことですが、この手毬唄。オリジナルなわけですが、なぜか節をつけて歌えてしまうという不思議さ。また、番組出演者のどなたかが話しておられましたが、手毬唄というのは、歌にサビがない。淡々と鞠をつくリズムで歌われている。それが一層、恐怖をそそるとか。
     一方、この小説の描かれた時代背景も色濃く反映しているとの指摘もありました。確かにそうですね。戦争が終わって、敗戦直後の混乱が元となる犬神家や獄門島に比べ、この作品が描かれているのは、「もはや戦後ではない。」と言われ始めた時代です。日本の復興が本格的になり、徐々に地方が置いてきぼりになりつつある時代が描かれていると言うわけです。確かに深読みすると、新しい発見がありますね。
     今回この小説を見返してみて、昔読んだ作品をもう一度読みたくなりました。
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    投稿日:2018.08.30

ブクログレビュー

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  • わちくん

    わちくん

    こういう作品、犯人当てられない…。あと、どうでもいいけどこの作品読んでいるとめっちゃブドウ酒飲みたくなるのよ。

    投稿日:2024.01.24

  • ひまわりめろん

    ひまわりめろん

    というわけで金田一さんの冒険譚をゆるりと読み返しております

    『悪魔の手毬唄』ですわ

    最初に今作を読み終えたとき西の空に向かってこころの中で雄叫びをあげたのを思い起こしました

    「見たか!グレートブリテン!日本には手毬唄があるんじゃい!マザーグースなんぼのもんじゃい!」と

    なんか歪んでますね(苦笑)

    というわけで本作は岡山県の山奥の村に伝わる『鬼首村手毬唄』になぞらえた見立て殺人なわけです 
    (見立て殺人(みたてさつじん)とはあるものに見立てて事件が装飾された殺人のこと)

    見立て殺人というのは横溝正史の得意とするところで、作中でも語られている通り『獄門島』なんかも同じなんですね

    で、今回再読してあらためて感じたのは
    『悪魔の手毬唄』は『獄門島』の10年くらい後の作品なんですが、『悪魔の手毬唄』はより読者への挑戦の色合いが濃い作品だなぁと

    「推理」というものを楽しみたい読み手にとってはほんとに必須課題図書です
    時系列を整理しながら、人物相関図を書きながら読み進めれば必ず犯人に行きつくこと請け合いです
    驚くべき犯人にも関わらず、誰もがそこに行きつく道筋が示されている

    「推理」小説のお手本とも言える傑作です
    「推理」小説好きを標榜する諸氏には今からでも遅くない!是非読んで欲しいぞよ!
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    投稿日:2023.11.02

  • masoppu03

    masoppu03

    金田一耕助シリーズ4作目。面白かった〜。登場人物多いし、事件も多いし情報が多いのに謎が全然解けないので後半一気に読めた。
    全体的に雰囲気が似てる感じなんですね?田舎のお家の対立、痴情のもつれ、怪しい第三者、美男美女、、、華やかでワクワク読めますね。次は犬神家の一族読もうかな。続きを読む

    投稿日:2023.10.29

  • ダチョウ伯爵

    ダチョウ伯爵

    金田一耕助シリーズ中期の代表作。

    推理物としてはとても面白いんだけど、なにぶん登場人物が多すぎて、誰だ誰だかわからないまま読み進めることになるため、なかなか没入感が得にくい。

    4つほど家があってそれぞれ夫婦、子供、孫がいるだけでもわかりにくいのに、養子縁組などで関係が変わったり、あだ名があったり。

    できれば犬神家のように登場人物の相関図みたいなものがあれば、読みやすかったと思う。
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    投稿日:2023.09.20

  • WOOO

    WOOO

    このレビューはネタバレを含みます

    最後らへんでは私も犯人が薄々分かったが悲しい物語である。動機はありそうなものだけれど、悲しい。そして、手毬唄をモチーフにして殺人が行われるというのは、ドキドキさせる、謎解きのような面白さだった。そして薄気味悪い老婆。ドラマがパっと頭に浮かべられる、そんな情景、キャラクター性、物語性でとても読み応えがあった。

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    投稿日:2023.08.25

  • ちとせ

    ちとせ

    有名だけれど、映像作品で見たことのない金田一シリーズ。いかにも金田一いいぃ!な要素が散りばめられていて楽しめました。
    犯人は意外な人物だったし、登場人物の多さや関係性の複雑さになになに???どういうこと??となりながら読み進めていったけど、さすがにあの子の死はあんまりでは……。続きを読む

    投稿日:2023.08.14

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