【感想】B面の夏

黛まどか / 角川文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

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  • 現代俳句の世界へようこそ!

    「いちばん言いたいことが言えないもどかしさ、いちばん聞きたいことが聞けない惨めさ、いちばん会いたい時に会えないせつなさを、涙を落とす代わりに、十七文字というひと雫に結ぶことにしたのです」(著者あとがきより)

    日常の中で感じたこと(この作品の場合、恋の芽生えから失恋まで)を17字に込める世界、現代俳句という世界がある。

    恋のはじまりは・・・

    「梅匂ふ好きと嫌ひの境目に」
    「泡立ちて恋のはじめのソーダ水」

    という風に。

    ちなみにタイトルは

    「旅終へてよりB面の夏休」

    から。初めて読んだとき、とても新鮮だった。
    そうか、夏休みが半分終わってしまった、というよりも、
    B面が始まったんだ、という取り方があるのかと。

    今となっては、カセットテープのA面・B面というもの自体、死語のような感じだが、
    そこがまた懐かしく、今読み返してみても、彼女の感性は新しいな、と思う。

    「前略に続く夜長のエトセトラ」

    秋の夜長に、俳句をどうぞ。
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    投稿日:2014.10.02

ブクログレビュー

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  • nakaizawa

    nakaizawa

    (2003.05.23読了)(2003.04.20購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    出逢いの瞬間、別れの時、秘密の恋、至福の愛―こぼれそうな想いのすべてを十七文字に託し、揺れうごく恋心を瑞々しい感性と素直なことばで表現したまったく新しい句集。

    ☆関連図書(既読)
    「聖夜の朝」黛まどか著、講談社文庫、1998.11.15
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    投稿日:2013.09.05

  • kobao

    kobao

    B面の夏に流れる四季の風

    読み始めは、なんとも読んでいるこっちが恥ずかしくなってしまうような若気のような詩が続く。
    パラパラと詠み進むうちに、恋色が強く出てくる。
    そして、冬景色。ここに来て、今更ながら四季の風景が時の流れのように詩と詩の余白をつないでいることに気付くと、頭の中に一気に風景が広がった。

    そして後書きをよんで、これが著者の経験と時間を折り重ねた産物だと知った。

    30過ぎた男が詠むには、あまりにもこそばゆく、斜に構えて詠んでしまうが、そこに詠われている言葉には、若々しい言霊が潜んでいる。
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    投稿日:2011.02.17

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