【感想】豚は飛んでもただの豚?

涼木行, 白身魚 / MF文庫J
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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4
0
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  • 直球ど真ん中のラブコメです

    読み始めはちょっと地味に思えるかも知れませんがいい話です。不器用な性格をした、プロボクサーを目指す不良だった高校生の、一目惚れから始まる恋の話です。魔法とかハーレムとか登場せず、普通の高校生活が丁寧に描かれています

    前半では人が人に惚れる瞬間がとてもよく書かれています。ヒロイン達は造形が少しありきたりですが、姉妹それぞれ性格がかなり違っていて楽しいです。前半は長女が非常に魅力的ですが、途中から本当は三女がヒロインだなという感じになってきます。三人とも好感が持てる女の子達で、自分としては珍しく活発な長女に感情移入してしまいました。ラノベで活発なヒロインやヒロイン候補はたいてい性格が破綻していて、こんなDV女と付き合いたくねえと思うのですが、綾はとても好感が持てます。ま、そのあたりが作者の上手なところかもしれません。

    本作で唯一現実離れしているのは、デブの風太郎でこれも実に良いアクセントになっています。タイトルも風太郎がらみのエピソードから来ています。ただ、正直このタイトルはあんまりうまくないですね。

    本作は新人賞受賞作らしいですが1巻で話が終わらないです。区切りもついてません。2巻まで読んでいるのですが、そこでも終わった感ゼロです。引き延ばしてる感じもなく、最初から長めのシリーズとして構想されている感じです。新人賞受賞作としては珍しいですね
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    投稿日:2014.07.30

ブクログレビュー

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  • negatebu14

    negatebu14

    何が評価されたのかわからない「最優秀作品」でしたねぇ…無駄としか思えない会話の連続……すげえグダグダしていましたけれども、なんとか読み終えました…。

    ラストもなんか納得した感じになっていますけれども、読者は置いてけぼりというか…ぶっちゃけ、「はぁ?」という感じで読み終えてしまいましたねぇ…。

    なんとなくタイトルに惹かれて手に取ってみましたけれども…しかも三巻全部購入済みなんですけれども…この調子だと先が思いやられますねぇ…。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー
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    投稿日:2019.01.10

  • bukuroguidkodama

    bukuroguidkodama

    前向きな青春恋愛ものとライトノベルの中間みたいな作風と文章と
    どちらも好みでどう褒めたら良いか困る

    P66より引用
     豚は飛んでもただの豚だろ、と真宮は思う。たとえ努力して飛べるようになったところで豚である事実は変わらず、豚であった過去も飛べなかった過去も消えるわけではない。端から見れば豚のままだ。他の豚との違いなんてありゃしない。たとえ飛べて変わった気にはなれたとしても、本当に変わることなど不可能だ。
     真宮は自分の足元を見る。足を上げ、靴の裏を見る。そうしてまた足を戻した。
     根は張っていなかったが、たとえ跳んでも同じ場所にしか着地しない気がした。

    言っていることに感心するのでなく後半2行に対しての表現が素晴らしい
    飛ぶと跳ぶの使い分けとかどうでも良いようなところが大切だ

    P243より引用
     がんばろうぜ、か。助かるな、これも。ありがてえ。
     そこにはちゃんと「自分」も「相手」もいる気がした。自分が「がんばる」でもなく、相手に「がんばれ」でもなく、一緒に「がんばろうぜ」。そういうものだと真宮は感じた。本当のところはどうかなんて知らない。聞こうとも思わない。自分がそう感じ、そう受け取ったのだから、そうなのだ。
     真宮はがんばろうと思った。具体的に何をかわからなかったが、おそらく何もかもを。とりあえずは今日を、がんばろうと。

    いちいち言い回しが素晴らしい
    同じ内容を言うのは青春という書き手も読み手も誰もが通る過程で思うことだが
    それをここの一行目のように書きかく表現するのは難しい

    作者のひとはなんでライトノベルなんだ
    さらになぜゆえよりによってMF文庫に送ってしまったんだ
    あまりに畑違いだ
    とはじめ思ったが
    既存のライトノベルではどのみちどこだってたいして違いはないし
    ガガガ文庫あたりなら違ったかもしれないが弱小で埋もれるよりましだし
    (まあ『わたしたちの田村くん』を出せる電撃文庫なら問題ないだろうけれど)
    この作者ならどこで書こうと大成は間違いない
    (注記:願望である 間違いないといって間違いのないことなどあまりないことに注意)
    なんでも受け入れるライトノベルにきたのはまちがいでなかったのかもしれない

    MF文庫は去年の『変態王子』と2年続けて傑物引き抜いてすごいが
    おなじ「中高生を主人公とした恋愛喜劇というジャンルのライトノベル」(うん間違ってない)でも
    方向の180°違う両端鋭角をきちんと評価しているのが
    勢いだけではないところか
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    投稿日:2018.12.09

  • sokabook

    sokabook

     元不良少年が高校入学を機に、美人三姉妹や豚くんと出会って変わっていくはなし。女性たちが、「なのよ!」とか「ですわよ」とか「ですぅ」とか「むぅ」とか言わない。「じゃねぇかよ」とか「だろ」とか、今風の喋り方なのがおしゃれー。甘酸っぱい王道青春もの。とらドラを思い出した。

     タイトルにもなってるブタくんがほとんど出てこないのはなぜだろう。


     ヒロインたちがなぜ三つ子なのか考えてた。というのも、次女がぜんぜんストーリーに関わってなかったから、別にこれ双子で良かったんじゃ? とか思ったので。
     もしかしてこれ、「3匹の子豚」をやりたいんじゃないのかなと。最初に惚れたのが長女で、でも最終的に末っ子が正ヒロインになりそうなのは、土台にこういうモチーフがあるからなのかなーと妄想。
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    投稿日:2012.04.09

  • asamichi51

    asamichi51

    このレビューはネタバレを含みます

    喧嘩に明け暮れていた元不良少年がボクシングをする様になってから姿勢を改めたが
    過去の悪評と愛想の悪い言動で人付合いに乏しい。
    それがバイト先で起こった事件で、高校で同級生となる少女と知り合います。
    少女は三つ子の長女で、妹たちも同じ学校に通っており、後に知り合う事になります。
    彼女達には太って眼鏡を掛けている外見とは裏腹に格闘に強い妙な少年の幼馴染みがおり、
    他愛のない誤解から少年・真宮は豚少年(^_^;とボクシングで対決する事になります。
    その時の勝負を唆したのが三つ子のポニテ少女でしたが、
    彼女は真宮の戦いぶりを認めた事で、真宮は初めての感覚を体験します。
    それまで排他的であり、人との付き合いに興味を抱かなかった真宮が
    人に認められ、自身への存在価値を見出していくのです。
    そこから先はご多分に漏れず真宮はポニテ少女・綾に恋する様になりますが、
    何分にも初恋であり、自覚がなかったのを三つ子の次女である瑞姫が自覚させ、
    姉である綾との仲が近くなる様協力していく事になります。

    話の流れとしてはとてもありきたりの展開でありますが、
    文章がとてもバランスが良く、読み易いですね。
    最近多くの作品に氾濫している奇を衒った形容もありませんし、
    1人の少年がぶきっちょな生き方ながら懸命に、率直に前に進んでいこうとする姿に好感を持てます。
    格闘好きでさっぱりとした気性の綾、普通の少女であるが普通らしい魅力を出している瑞姫、
    一つの切欠となった豚少年・・・彼が即ちタイトルの豚に繋がる少年ですが、
    一般的に負の印象を抱えているのに、努力をし強くなった事をして飛んだ豚と。
    しかしながら飛んだからと言っても豚は豚でしかないと。その辺りも話に微妙に絡め、
    真宮少年に芽生えた変化を後押ししています。
    豚少年以外は一昔前にあるような青春小説なのでしょうが、
    今は兎に角意表を突こうとするものが多く、それが逆にありきたりとなっているので
    この様な真っ当な青春小説は却って新鮮味を覚えるかもしれません。

    本巻では先ずは真宮少年が自分の気持ちに向かっていこうとする所で終わっておりますが、
    続巻があるようでしたら、三つ子姉妹との関係を作者がどの様に持っていくかに興味を覚えます。
    長女・綾への恋心を貫くのか、協力者である次女との付き合いで心が揺らぐのか、
    まさかの三女・雲雀が接近してくるのか。次巻を待つとしましょう。

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    投稿日:2012.03.18

  • vesperia33

    vesperia33

    確かにキャラクターは可愛かった。三つ子は可愛かった。まぁ、それだけ。話は特にって感じ。三つ子の妹二人で☆2で長女が好きなキャラなので☆2の合計☆4です。絵にホイホイされた俺が悪い。

    投稿日:2012.01.24

  • suiken583

    suiken583

    MF文庫Jの新人賞最優秀賞という話題、イラストが実は某軽音楽部アニメの作画の人であること、それと「青春×初恋×ぽんこつ」というキャッチコピーに惹かれて購入。

    ストーリー自体は至ってシンプル。「とある男子高校生の初恋の話」と一言で説明がつくくらいに。そう、実に「何も起きない」話である。「緋弾のアリア」のように燃えるバトルがあるわけでなし、「ハルヒ」のように超常的な事件が起きるわけでなし、「まよチキ!」ほどキャラがぶっ飛んでいるわけでなし、「生徒会の一存」のように過剰なまでの笑いを取るわけでもなし、徹底して「少しずつ変わっていく日常」が描かれる。この、日常という近景だけに絞られた視点、ってのはセカイ系〜空気系を経た上でのものなのかな、という感じを受けた。尤も、「恋愛」という核があるので、そうしたドラマツルギーを避けた空気系とは一線を画しているが、そのミニマルな視座は割と近いのではなかろうか。そう考えると、イラストの人選は実に絶妙と言える。他方、「萌え」であったりそれに類する「お約束」はかなり排除されているように見え、ある意味ラノベらしからぬ作品、という印象すら受ける。人との関わりを殆ど持たず生きてきた主人公の不器用さは、世のオタク男子の共感を得そうなところもあるが。

    空気系におけるドラマ性の排除、というところからの揺り戻し的なものなのだろうか。そんな小難しいことを考えなくても、青春ものとして素直に楽しめば良いのだろうけれど(^_^;) 主人公の内面の細やかな描写に、甘酸っぱいような何とも言えない気分にさせられる良作だったと思う。今後この人間関係がどう進んだり縺れたりしていくのか、楽しみな作品がまた一つ増えた(´∀`)
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    投稿日:2012.01.21

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