【感想】剣客商売一 剣客商売

池波正太郎 / 新潮文庫
(141件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
67
40
22
2
0
  • お腹の空くシリーズ

    再読。しかし20年を経ての再読なので、初読に記録します。
    自分は時代物はあまり読んでおらず、池波氏のほかは山岡壮八と司馬遼太郎が少々、といったところです。そのような状況で評するのも何ですが、当時高校生が楽しんで読んでいたところを思い出しても、剣客商売シリーズはエンタメ性に優れた非常に楽しい作品と言えると思います。
    個性的なキャラクター、言葉が柔らかくて読みやすい文章、気持ちの良いストーリー、とにかく気構えなく読める感じがいいですね。
    あと、氏の作品は非常に腹が減るのでご注意を・・
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    投稿日:2013.12.13

  • ときに優しく、ときに厳しく

    物語の中心となる秋山親子の好々爺ぶりと、馬鹿がつくほどの生真面目な息子、周囲の人物の優しさが合わさり、とても良い味を出しています。
    今でこそ「命のやりとり」をすることはありませんが、行間からにじみ出る迫力に引き込まれます。続きを読む

    投稿日:2014.01.03

  • 電子書籍の楽しみ方

     昔、紙の本では何度も読みましたが、江戸の地名や旗本の名前などは何となくわかったような気になって読み飛ばしていました。今なら、ブラウザで検索したり、地図で徒歩で掛かる時間を表示したりしながら楽しめるなと思って再購入。ところが物語に入り込んでやっぱり止まらずに読んでしまう。
     またシリーズ物は、特に好きな話がところどころにあったりしますが、電子書籍なら拾い読みもラクラクですね。欲を言えばシリーズを通した目次みたいな機能は無いのでしょうか?
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    投稿日:2014.04.03

  • 江戸の文化に親しみ

    剣豪小説っていうのはやっぱり面白いですよね。
    特に「剣客商売」のシリーズは登場人物もストーリーも明るく描かれているので、歴史ものを読んだことがない人にも読みやすい小説です。一話完結なのもいいですね。
    池波正太郎さんの江戸の庶民の暮らしぶりや、食べ物の紹介など、江戸の文化に親しみを感じられると思います。続きを読む

    投稿日:2014.09.14

ブクログレビュー

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  • 白いヤギと黒いヤギ

    白いヤギと黒いヤギ

    剣客•秋山小兵衛は鐘ケ淵の隠宅で歳の離れたおはると共に暮らしている。息子•大治郎は近くに道場を構え独立している。ここに時の老中•田沼意次の妾腹で美貌の女剣士•佐々木三冬が関わって、様々な出来事が起きる。小兵衛はもちろん、大治郎の剣技は尋常の域を超えており、二人が恐れるものは何もない…。

    第一話は1972年に連載が始まり、以降大人気シリーズとして書き続けられた。言わずと知れた池波正太郎の代表作の一つ。テレビドラマは見たことあったけど、読んだことはなかった。
    読みやすい。サクサクと読める。"大衆時代小説"とは、やはりこれだ。これが大事だ。登場人物のみならず、地の文までが時々「伝法口調」になったり「語り調」になったりするのは、著者の江戸っ子気質が存分に発揮されているからだろう。そしてとりもなおさず、講談などの"語りもの"の流れの先に大衆時代小説があったことの、一つの証明なのではないだろうか。そんなことを感じた。
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    投稿日:2024.01.19

  • 雪姫

    雪姫

    スーパー爺さん登場!!
    最近は時代小説ばかり読んでいて、読みやすく楽しいシリーズ物を探しててオススメされた作品。
    短編形式で読みやすい。
    秋山小兵衛=スーパー爺さん

    投稿日:2024.01.17

  • koba-book2011

    koba-book2011

    ▼「剣客商売(一)」池波正太郎。新潮文庫、初出は1972年頃、月刊「小説新潮」不定期連載だったそう。「鬼平犯科帳」「仕掛人・梅安」と並んで池波正太郎さんの「三大シリーズ」として(ファンには)説明不要の名作です。ざっくり言うと、
    ・六十代の隠居状態の剣客・秋山小兵衛
    ・その息子で町道場を営む剣客・秋山大治郎
    ・小兵衛に師事する女性剣客・佐々木三冬
    の三人がまあ主人公。基本は一話完結で、毎回何かしらか事件が起こって、まあ大まか小兵衛を中心になんらかの解決を見る、という言ってみれば大江戸私立探偵シリーズ。
    舞台は1780年代の江戸かと思われます。なぜ分かるかというと、女性剣客の三冬さんが「老中田沼意次の妾腹の娘」という設定で、老中・田沼意次も脇役として登場します。

    ▼ということは「田沼時代」と呼ばれる1780年代でしょう。ちなみに鬼平犯科帳はその10年くらい後の寛政期。実在の長谷川平蔵が火盗改だったのが1787−1795くらいだったはずなので。
    そして「梅安」がその後の1799−1806くらいの設定。江戸という街の爛熟でいうと文化文政の時代かなあとシロウトとしては思いますが、池波さんの好みは違ったのか。あるいは鬼平が実在だったのでその前後を描いたのか・・・。

    ▼内容は、読んでみて思いますが、「三大シリーズ」が好きな人は、それぞれに好みがあっても全部好きだろうなあ、と(笑)。
    やはり基本的には短所はどれも同じで。

    A・ご都合に出来ている(偶然が都合よく起きる)

    B・主人公が強すぎる(苦戦はしても、絶対に圧倒的に負けないし、そこらあたりの具体技術的な描写は詳しくない)

    C・男性本位昭和感性が強い(笑)。まあこれは男女の情事を一定の頻度で軽く描くことも含めて、「だってその時代の連載媒体が99%男性が読むものだったんだからマーケットの需要として仕方ないぢゃん」とも言えますが。

    なんです。
    「鬼平」は言ってみれば警察商売なので事件と調査が日常ですから、Aに関しては比較的、薄い。(だから鬼平が一番好き、という人も多いのでは)

    ▼ぢゃあ何が面白いかというと、結局は池波正太郎さんの世界観につきて、具体的にいうと酸いも甘いも苦いも熱いも、キレイゴトから悪臭漂う陰惨さまで、くるんで味わう人情噺、ということでしかありません。それに、探偵小説というエンタメをきれいにかぶせる。そこに、ヒーローものというさらに鉄板安心なエンタメ感がトッピング。

    ▼ここまでは、池波さんご自身が知っての通り、フランス/ベルギーの作家ジョルジュ・シムノンの「メグレ警視シリーズ」と同じ作り。それにまた、「江戸情緒」をパリに負けじと厚塗りされているのが池波さんの世界観ですね。

    ▼といわけで第1巻に話を戻すと?スムーズにキャラが紹介されて、なるほどとにかく小兵衛と大治郎の親子はとにかく強くて負けないんだな、ということで安心(笑)。この連載開始時点で池波さんがどうやら50歳くらいだったようですが、秋山小兵衛というキャラがどうやら60歳よりちょっと若いか?60歳か?というくらいのようで、つまりは中年〜初老の男性にとって楽しいファンタジーヒーローなんだなという感じがよくわかります。でもって読者のこっちも丁度50歳なので、そのあまりなファンタジックなヒーローぶりがやや恥ずかしい気もしますが(笑)、とりあえず楽しめちゃうところは作者の巧さだよなあ、と思いました。
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    投稿日:2023.07.23

  • hituji8

    hituji8

    このレビューはネタバレを含みます

    スルスル読んでしまった。仄々とした中に鋭さがあり。剣のシーンも楽しめた。息子のことで悶々とする小兵衛がいい。

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    投稿日:2023.06.25

  • すう

    すう

    登場人物やプロットはたしかにおもしろいが、さすがに番外編も含めて18巻も読もうという気にはなれない。

    投稿日:2023.06.15

  • じゅう

    じゅう

    「池波正太郎」の連作短篇時代小説『剣客商売(一) 剣客商売』を読みました。

    『新装版・梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)』に続き、「池波正太郎」作品です。

    -----story-------------
    老剣客「秋山小兵衛」とその息子「大治郎」が悪に挑む!
    累計2400万部突破の大人気シリーズ。

    勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。
    それが剣客の宿命なのだ――剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男「秋山小兵衛」と浅黒く巌のように逞しい息子「大治郎」の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る――「田沼意次」の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、「吉川英治」文学賞受賞の好評シリーズ第一作。
    全7編収録。
    -----------------------

    1972年(昭和47年)から1989年(平成元年)まで『小説新潮』で断続的に連載された『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズ… 『鬼平犯科帳』や『仕掛人・藤枝梅安』と並ぶ「池波正太郎」作品を代表するシリーズです、、、

    無外流の老剣客「秋山小兵衛(あきやま こへえ)」を主人公とし、「小兵衛」と後添いの「おはる」、息子の「大治郎」、女剣客の「佐々木三冬」らが、江戸を舞台に様々な事件に遭遇し活躍する展開… 初めて読んだのですが、次の作品をどんどん読みたくなる感じで、とても愉しめました。

     ■女武芸者
     ■剣の誓約
     ■芸者変転
     ■井関道場・四天王
     ■雨の鈴鹿川
     ■まゆ墨の金ちゃん
     ■御老中毒殺
     ■解説 常盤新平


    老中「田沼意次」の隠し子「佐々木三冬」との出会いを、「三冬」の縁談を絡めて描いた『女武芸者』、

    「大治郎」の恩師「嶋岡礼蔵」が因縁の相手「柿本源七郎」との三度目(最後)の対決のために江戸を訪れるが、対決は実現せず、思わぬ展開となる『剣の誓約』、

    「石川甲斐守」を強請ろうとしていた「山田勘助」という不良御家人を懲らしめる『芸者変転』、

    師である「井関忠八郎」が亡くなった後、「後藤九兵衛」、「渋谷寅三郎」、「小沢主計」、「佐々木三冬」の四天王で運営してきた井関道場の跡継ぎ問題を見事に解決する『井関道場・四天王』、

    非業の死をとげた「嶋岡礼蔵」の遺髪をもって、「礼蔵」の実兄を訪ねている旅の中で「大治郎」が敵討ち騒動に巻き込まれ、さらに江戸に戻った「大治郎」を「小兵衛」と「おはる」の結婚が待ち受けている『雨の鈴鹿川』、

    「大治郎」の命が狙われている(『剣の誓約』で腕を切り落とされた復讐ですね… )という話を「牛堀九万之助」から聞いた「小兵衛」が、いつになく心を乱して落ち着きを失う『まゆ墨の金ちゃん』、

    「田沼意次」の御膳番「飯田平助」が懐のものを掏摸に取られたところを偶然目撃した「三冬」がある陰謀に気付く『御老中毒殺』、

    どの物語も面白かったですね… 一篇一篇の読み切りになっていますが、物語としては継続しているので、大長篇とも言えるかな。

    『まゆ墨の金ちゃん』で、「大治郎」の命が狙われていることを知った「小兵衛」の行動は、同じ子を持つ親として共感しながら読みました… イチバン印象に残ったかな。

    「小兵衛」の剣客としての活躍も心躍るほど愉しめるのですが、、、

    「小兵衛」と「おはる」の関係もイイですよねぇ… 60歳と20歳で結婚ですからね、可笑しさも感じるくらい微笑ましいですね。

    江戸の風物や季節感の描写も印象的ですが… 中心人物の「小兵衛」と「おはる」、「大治郎」、「三冬」の4人の人物造形がとても良くて、魅力的なので、どんどん物語の中に引き込まれていく感じです、、、

    次も本シリーズを読もうと思います。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.28

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