【感想】BRAIN VALLEY(上)

瀬名秀明 / 新潮文庫
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
6
6
7
5
1
  • 面白くなるまでが長かった。。。

    日本SF大賞を受賞した作品ということで興味を持ち、読みました。

    あくまで個人的な感想です。
    上巻の75%ぐらいまでは面白さを感じることができませんでした。。。ツラかったです。
    が、それ以降は面白かった!
    ただ、作品内で展開される世界は規模は大きいが狭いため(脳のことについて細かい記述が多く、頭を使うことが多い)、好みが分かれそうだと感じました。

    脳のことは全くといっていいほど知らなかったけど、この作品を読むと興味が沸きました。
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    投稿日:2013.10.08

  • 意欲的なSF小説、それでいて読みやすく引き込まれる展開。

    本書、BRAIN VALLEYは瀬名秀明の第2作目の長編小説です。
    前作、パラサイト・イヴは、SF要素の入ったホラー小説でしたが、今回は完全にSF小説となっています。

    「SFはちょっと興味ないな」と思ったそこのあなた! ここで引き返してはいけません。もし、パラサイト・イヴを楽しく読めたのであれば、本作も十分楽しめます。

    本作は、日本SF大賞を受賞してはいますが、決してSFマニアでないと楽しめない作品ではありません。

    むしろ「今までSFが苦手だった」というあなたにこそ読んで欲しい、SF初デビューにふさわしい作品です。
    何しろ、作者は前作パラサイト・イヴでもSF要素を受け入れやすく読みやすい形でホラー小説に組み込み、現に大ヒットを達成しています。その明快な筆致は本作でも衰えることなく、高度なSF概念をスッと理解しやすい形で提示してくれます。

    本作は映画化されておりませんが、個人的には映画化された前作パラサイト・イヴよりも、映画化に相応しいと思ってます。

    是非、ハリウッドの大作アクション映画のようにアドレナリンを絞り出させられる本作、手にして下さい!
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    投稿日:2013.10.18

ブクログレビュー

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  • Tohru Tanaka

    Tohru Tanaka

    多分面白いんです(^_^;)頑張って下巻に突入します。
    この作家さん、悪く言えばくどい!
    前回読んだパラサイトイブもそうでしたが、凄く面白い話しなのに、細かく描き過ぎで読むのに忍耐力が要ります。例えば研究施設の建物の描写が必要以上に細かくてダレてしまったり、生化学の説明(主人公のセリフ)が論文を読んでいるように専門的過ぎて、ただただ長くて結局理解出来なかったりします。上巻では200ベージを越える中盤辺りで漸く本題に少し入る感じです。漸くストーリーが展開しだしたと思ったら、また主人公の学会発表(笑)が始まってしまいます。
    このストーリーを知念実希人が描いたらベストセラーになっただろうなぁ、、と作者に大変失礼な事を言いながら、下巻に入ります。
    面白いんです!この小説。でも読むのが、、、(^_^;)
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    投稿日:2023.10.14

  • mmitomi666

    mmitomi666

    過去に読んだけど内容を記憶していないモノを読んでみようシリーズ

    脳生理学者である孝岡は、突然「ブレインテック」という研究所に引き抜かれる。
    そこは、船笠村という辺鄙な土地に作られた、脳科学研究の最新鋭設備がそろった場所であった。
    ある日、船笠村の“鏡子”という女性に触れられると、
    彼は恐ろしい体験をするようになる。その内容は、UFOに連れて行かれて宇宙人に身体を検査されるという
    にわかに信じられないようなものであった。
    その事を同僚のメアリーに相談すると、メアリーはその理由を語りだす。。。

    何というか、まずは上巻での専門用語の連発でちょっと参ってしまう。
    解説によると、それでも“必要最低限”な“小説を楽しむ為の知識”らしい。
    …そうなると、この小説は万人に勧める事が出来なくなるのではないだろうか。
    また、下巻での宗教めいた内容。神とは何ぞやという問い掛けと回答。
    その辺りも正直参る。言い回しもちょっとクドイ。
    要するに
    「臨死体験もUFOに連れ去られる体験も“神”という存在も、全て脳が作り出す電気信号なんだよ」
    ってな事なのだが、なんだか盛り沢山過ぎてお腹一杯である。
    また、ラスト近くに登場した、全員が目撃している神や奇蹟は結局誰がどのようにして作り出したのか
    よくわからない。
    恐らくは北川(所長)の脳と接続されたOMEGAというサイバースペース内の脳が作ったのだと思うが、
    ではどうやって?というのが疑問。
    周辺の人々全ての脳に干渉したって事なのだろうか?
    では火事は?
    そして更にその後で登場した加賀が、孝岡やメアリーの前で
    「自分は神を創り出したのだから、何でも出来る」
    的な発言をしているが、それもどのように行っているのだろうか。
    やはり、孝岡やメアリーの脳に干渉しているのだろうか。
    更に、チンパンジーのハナは結局誰を助けに行ったのか。どうやったのか。
    外で起こっている大惨事を収めたという事だろうか?
    だとすると、鏡子の「わたしは」みたいな発言は何か意味があるのだろうか。

    根底に流れる「アイデンティティとは、まず己のリアルを知る事から。」というテーマは
    わからんでもないが、風呂敷を広げまくった挙句に結論らしい結論が無いような印象を受けた。

    …と、批判めいた事ばかりを並べ立てたが
    上巻、下巻のクライマックスにおけるスピード感や期待感はすごいものがあったし、
    読み終わると何だか達成感みたいなものを得られる。
    まあ要するに面白い小説ではある。でも小難しい。


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    投稿日:2021.03.14

  • yueli

    yueli

    このレビューはネタバレを含みます

    アブダクションと臨死体験の原因、ハナの脳の動きの測定方法などは、読み返してもやはり難しくてよくわからなかった。雰囲気だけつかんでおけばよいか。
    アブダクションを科学的に説明したと思ったら、まさかの形態形成場仮説で、やはりSFだったかという。しかし、形態形成場仮説は、内容としてはオカルトとしか思えず、グリセリンの都市伝説も眉唾らしいのだが、シンクロ二シティという現象が想像できないかといえば、ありうるような気もしてしまうので、なんとも面白い仮説だと思う。

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    投稿日:2017.06.15

  • タカツテム

    タカツテム

     小説ではなく学術書を読んでいるような気分になる難しさ。
     この作品の難しいところは作者が科学者だということもあるだろうが、内容を深く理解するには脳科学に関するある程度の知識をもっていなければならないことだ。作者はそこをカバーするために大量のページを割いて説明を入れてくれているものの、本の半分ほどが説明シーンになっているので小説の本質からは少々外れているのかもしれない。
     何はともあれ大体の説明はこの上巻だけで済んでいる筈なので下巻はもう少し読みやすくなっていることを期待したい。
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    投稿日:2016.09.02

  • ZONO

    ZONO

    脳内の秘密にも迫りつつ、エンターテインメントとしても非常によく出来た作者渾身の一冊
    臨死体験をした人たちが、天国であったりアブダクションにあったりする理由が、論理的かつ精緻に描かれているのが印象的。

    投稿日:2015.10.24

  • daizu1977(だいず)

    daizu1977(だいず)

    世界の終わりとハードボイルドアイランドとかと同時期に読んだ記憶があります。
    人間の脳内。そこは海底、宇宙などと同じく人間の探査が及ばない未開の地。 科学考証に唸らせられつつ楽しく読んだなぁ。

    投稿日:2013.03.02

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