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有栖川有栖 / 講談社文庫 (134件のレビュー)
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総合評価:
ツクヨミ
4
マレーシア旅行気分
国名シリーズ第6弾は長編です。同じく長編の「スウェーデン館の謎」は日本が舞台でしたが、本作ではちゃんと火村とアリスがマレーシアに旅行しています。ミステリなので殺人事件は起きますが、全体的に異国情緒にあ…ふれており、ちょっとしたマレーシア旅行気分が味わえます。 トリックなど、ミステリとしてよくできていると思いますが、火村&アリスと友人・大龍(マレーシア人)との会話シーンもほのぼのして和みます。読後は「はい」の代わりに「イエスラ」と言いたくなるかもしれません……。続きを読む
投稿日:2013.11.13
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芳啓
1
おすすめ
よかったです。
投稿日:2013.09.24
あっくん
有栖川有栖による国名シリーズにして長編の日本推理作家協会賞受賞作!
アリスと火村は大学時代の友人・大龍を訪ねてマレーシアに旅行に来ていた。物語が始まってしばらくはマレーシアの紀行小説のようで、マレーシアに行ってみたいと思わせるような記述が並ぶ。が、やがてトレーラーハウ…スの中から死体が発見されて物語は一気にミステリ色を帯びてくる。 殺人事件とは縁遠そうなキャメロンハイランドという土地で起こる密室殺人はやがて連続殺人の趣を呈し始める。 例によって、読みながら思いついた推理はアリスと五十歩百歩で、自分も火村にだめ出しされている気になってしまう。やがて火村がたどり着いた結論は、あいかわらずよくもまあこんなことを考えつくものだ、という感想を抱くような代物。犯人にしろ、トリックにしろ、その動機にしろ。特にトリックはそんなにうまくいくかなあという疑問は残るが、まあ納得できなくもないか。 長編なのに長く感じず、変な寄り道が苦にならないのは海外が舞台ということもあるのだろうか。いつものように火村とアリスの掛け合いも軽妙で、おかげで最後までちゃんと楽しめた。 作者もかいているが、タイトルにマレー鉄道とついている割に、内容がほとんどマレー鉄道と関係ないところはある意味ご愛敬か。続きを読む
投稿日:2014.08.20
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あおみどり
このレビューはネタバレを含みます
長編ということで、最初の事件発覚までがやや長く、楽しみながらも読み掛けで放置してしまってた。ところが再開していざ殺人事件が起こると、あれよあれよという間に完読。おもしろかった!! 個人的にはトレーラーハウスを傾けるトリックは「そんなうまくいくか?」「手で貼ったところよりは接着が甘いから鑑識の時に分かるのでは?」とか思いはしたが、全体的に納得度が高かったのと、すべての謎のヒントが作中にうまーーいこと散りばめてあったのが「さすが」の一言。事件には直接関係しないシーンでも、謎解きの理解が進みやすいように先出しで道具を使っていたり(序盤のジャッキのシーンなど)。 密室トリックは全く看破できなかったけど、犯人の動機、動機に至る背景、真犯人が誰か、というあたりの推理は当たってたのでそれも嬉しく。ただ細かい部分は粗だらけだったので、終盤の畳み掛けでどんどん謎がほどかれていくのが気持ち良いこと! * 序盤の蛍の対話が、物語全体にとてもよく効いていて、それが本当に良かった。 火村はあらゆる殺人者を赦さず、裁きの場へ送り込んできたけれど、その火村が唯一、狩ることができなかったのが大井なんだろうなと。 大井自身は手を下しておらず、殺人の意志があったかも分からない。ただ、確実に引き金を引いた。故意に、意識的に。 作中には気弱な人から力強くタフな人までいろんな個性を持つ人物が登場するが、自分の裡に潜む暗い意図を遂げ、誰にも捕まらず生き延びることができた(火村さえも追い詰めることができない)のは、唯一大井だけだった。 「永く種を存続させるために個々人は多種多様な個性を持ち、失敗と死を経験するようになった。どの状況でどんな個体が生き残るかは分からない」という序盤の談義を踏まえて、作中で生き残った者は、火村でさえ狩ることができない者……という構造が、今までの作家シリーズでは初なのでは(刊行順に読んでるつもりだが抜け漏れはあるかも)と思い、これまでとは違う読後感だった。 火村でさえ、生態系の個体の一つでしかない。このシリーズにおいて、探偵は特権的/超越的な存在ではない。 ということかなーと、個人的解釈でした。 * 最後に一点だけ! 終盤のあの名シーン。淳子さんが夫の罪を知り、罪の上に生きてきた自分自身にも罪を認識しながら、愛する夫を生かすために銃を取り、庇うシーン(まじで名場面)。 火村は銃がモデルガンだと知りながら、淳子さんが夫に代わって銃を向けると、取り押さえるのをやめ30分も待った。その間に夫の虎雄は逃走した。 「気が変わった」と火村は発言したけど、夫婦の切ない愛情の場面を目にしたくらいで火村は犯人を見逃すのか?というのが引っ掛かった。 半島中の警備が強化され、ジャングルは危険であり、逃げたところで捕まるか死ぬか。その可能性は高いとしても、何かの拍子に逃げ延びることができるかもしれない。 絶対にないとは言い切れないはずなのに、逃げる虎雄をそのままにしていたのが、殺人者を絶対に赦さないスタンスの火村に対して「なんで?」となる。 殺人や殺人者に対する価値観は、火村の人となりの根幹を形成するはずなので、これは単なるキャラ設定ミスではないと思うんだよな。 罪の上に生きた罪を自覚した淳子さんとその行動に対して、火村が何を思ったのか。 これが私には全く解釈できなかった。この先のシリーズを読み進める中で、また解釈を構築できたらいいなと思う。
投稿日:2024.04.30
よし
自宅療養中に一気に読了。大学時代の友人に呼んでもらったマレーシア旅行の最中に事件に出くわす火村とアリス。いつも捜査協力している大阪近郊ではないため、どう事件に関わらせていくか丁寧に設定されていたと思う…。謎が謎を呼ぶ展開となるが、これまでのシリーズ同様、火村の推理が見事に的中する。読了後の余韻もいつも通り味わい深く、行ったこともないマレーシアの情景に思いを馳せた。続きを読む
投稿日:2024.03.16
彩海本
久々の有栖川有栖!!! 図書館の中身が見えない本を3冊借りる! っていうイベントに参加して、 ミステリー2っていうコーナーから選んだうちの一冊です!!!! わざわざ買ってまでして読まなそうな本!笑… そもそも、中身が見えないように紙袋に入っているんですが、そのまま貸し出しするってことは、予約が入らないような人気のない本しか入れられないよな? めちゃくちゃ古い本か? って思ってたけど、今回で2冊目ですが、なんらかの賞を取っていたりするある程度有名なミステリーなので、ちゃんと楽しめてます!!! こんなことないと借りないな。って本ばかりで新鮮!!!! 特に、今回はマレーシアが出てきて、わたしが大好きで今回値段が高くて行けなかったランカウイ島なんかも出てきて、あそこのこんな感じかなー?なんて思いながら読めたのが楽しかった!!!!! 有栖川有栖が書かないと読めないかな、、、と、思うくらいミステリー自体は、、、なんとも、、、言えないけど。笑 主人公二人がなかなかいい掛け合いをしてくれるので、長いけど最後まで飽きずに読めました!!!!すごーく面白くはないけど、まぁ、トリックもこんな感じなのかな? 全部読み終わったら、ものすごい細かいヒント、たくさん散りばめてあるし、ミスリードの伏線もやたら張り巡らされてて。笑 単純なような、複雑なような?笑 そんな感想です。 そうか、だからここだったのね。 っていう謎解きは面白いかも?ただ、動機がわたし的に、なんかなぁ。笑 こんな動機ならもっと早い段階からなんらかの策を持ってしてどうにかできたんじゃ。 とか思ったり。笑 ちょっと、なんかなーでした。笑 #強化月間2402 #マレーシア #また旅行行きたくなった #有栖川有栖 #キャラ設定は完璧 #実は誰かをかばったりして欲しかった #動機がなぁ #イマイチ #トリックはまぁ #あーそうかーでもそんな上手くいくかなー? #クレーンの資格持ってても結構難しいのよね #天井クレーン #上手く釣れないのよ #重心の位置を見極める 続きを読む
投稿日:2024.02.16
あきら
『絶叫城』以来の有栖川作品。作家アリスの長編。ひさしぶりに先生の作品を読んで、終始ワクワク感が半端なかった!好きすぎてなんて感想を書いていいかわからん…。あっ!犯人との対峙シーンは見所です(笑)。特にラスト、彼女の行動には終始ハラハラでした。いつ自分の頭の向けた引き金を引いてしまうのか、と——彼の代わりに。犯人の逃走後の意外な真犯人(?)の発覚にはワンフーへの同情が沸き起こりました…なんて可哀想な、ってね。その直後、火村の新たな事件への関与が語られるが、それはどの作品で読めるのだろうか……とにかくパーフェクトな作品でした!!星五つ。
投稿日:2023.12.02
キュアダイエットおじさん
作中の有栖川先生があまり英語を得意としていないという設定の使い方がとても好き アラン殺害時の、電話でのジョン・ジャック・ジャッキの勘違いネタだけでなく、作中で聞き取れない英語は『××××』で表してその後の(括弧書き)でいろいろと遊んでいるところとか 第四章のラストの『××××(聴き取り不能)』という使い方、ホント好きです トレーラーハウスの密室は、「傾ける」という発想よりも作中でさらっと流されていた「ショーケース内のコップの水は凍らせておく」という部分に感心してしまいました 本当にシンプルだし、先述したように作中ではさらっと描かれていたのだけど、自分的にはそこが思考の外側の部分だったので思わずハッとさせられました
投稿日:2023.11.13
ariete
海外での話。 登場人物の名前だけが最初にどんどん出てきて何者なのかを把握するのが難しかった。 でも読み終わる頃には旅行の終わりみたいな寂しさがあった。 密室の謎はこうやったんだろうなと予測はつい…たけどまさかの真相で驚いた。 続きを読む
投稿日:2023.09.23
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