【感想】スウェーデン館の謎

有栖川有栖 / 講談社文庫
(164件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
23
64
53
5
2
  • スウェーデンじゃないけど雪景色

    国名シリーズ第2弾は長編です。謎の数(=収録作品の数)が少なくなったぶん、舞台となる裏磐梯の雰囲気はたっぷり味わえるかと思います。冬に読んだらよけいに寒くなりそうですが……。
    本作の謎はなかなか秀逸で、ミステリとしてよくできています。長編らしいややゆっくりな展開は、とにかく謎解きだけ味わいたいという方にはまどろっこしく感じられるかもしれません。謎だけじゃなくて火村&アリスコンビの会話も好き、という方なら問題なく楽しめると思います。余談ですが、作中にはスウェーデン豆知識的なものも出てきますよ。続きを読む

    投稿日:2013.10.19

  • 舞台は日本です。

    雪の密室というシンプルなトリック。物悲しいストーリー。磐梯山を訪れたアリスが殺人事件に巻き込まれるのだが、電話一本で文字通り風のように火村先生が登場すると、一気に読むスピードが早まります。やはり二人が揃うとテンポが良いですね。珍しく火村が犯人に同調するような場面もあり、その心の内をまた少し覗けたよう。続きを読む

    投稿日:2014.04.17

  • スウェーデン館の謎 読了!

    有栖川有栖による国名シリーズ第2弾。
    福島でペンションを営んでいる夫婦のところに、アリスが取材旅行にやってくる。その隣に住んでいたのは童話作家とスウェーデン人の妻家族。スウェーデン風のログハウスは「スウェーデン館」と呼ばれていた。その屋敷には旧来からの友人が集っていたが、その夜、客の一人が何者かに殺される。
    いわゆる雪密室系ミステリで、被害者が離れに向かった時の足跡と第一発見者である童話作家が往復した足跡しかない現場でどうやって殺人事件が起きたのか?
    主人公アリスとともにいろんな可能性を考えてはだめ出しをくらいながら最後まで読んで「そんな!!」と言わずにおれない結末が用意されている。キーとなる人物も意外なところに用意され、あらゆるところに緻密に配置された伏線が見事に収束していくさまはまさにパズラーの真骨頂といえよう。ただし、長編であるが故か、やや冗長に過ぎる感もなくはない。
    それにしても、推理作家なのに発想が貧困なアリスのふがいなさとは対照的に、火村英生の頭の回転の速さはどうしたものか。この二人の掛け合いも毎度のごとく面白い。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.24

  • 哀しく美しい

    火村とアリスの国名シリーズです。
    アリスが取材旅行で単身訪れた冬の磐梯で、スウェーデン館と呼ばれる民家の住人と交流を深めるのですが、そこで殺人事件が起こってしまいます。
    雪の密室物に警察もアリスも住人達も頭を悩ませます。
    そこでアリスは火村に援護要請するのですが、二人揃うと、途端に会話が生き生きと面白くなりました。
    火村が宿の少年の傷ついた心を開いて事件の鍵を掴む所は、火村の子供の扱いが上手いなぁと面白く感じました。意外です(笑)
    いつもどうり事件は火村が鮮やかに解決します。
    事件の哀しさとアリスの密かな恋心が真白い雪に覆われて、最後は癒しまで感じられた大好きな作品になりました。
    続きを読む

    投稿日:2014.04.20

ブクログレビュー

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  • 千

    46番目の密室に続き、推理に必要な情報はすべて探偵役が知ると同時に知ることができるのでいっしょに推理をたのしめる作品だった。
    終盤で情報が開示されてからの解決までのスピード感がよかった。

    投稿日:2024.04.21

  • とま。

    とま。

    丁寧な描写と徹底した本格ミステリー。
    先生の特徴である軽妙洒脱な物語でサクサク読めます。内容は少し悲しい終わりが余韻を残していて大好きな作品です。

    投稿日:2024.03.23

  • yoh

    yoh

    初めての有栖川有栖作品。
    内容は王道の本格ミステリといった感じ。
    トリックや動機などはシンプルではあるものの、軽妙洒脱な語り口が楽しく、他の作品も読んでみたくなった。

    投稿日:2024.03.11

  • しめじ

    しめじ

    このレビューはネタバレを含みます

    有栖川有栖が小説の題材として泊まったペンションの隣には通称「スウェーデン館」と呼ばれる建物があり、その持ち主である絵本作家と美人な妻、彼らの友人と知り合うが、そこで殺人事件が起きてしまう、という内容。
    前半はその場にいるのが有栖川有栖だけなのでかなりもどかしい部分が多かったけど、有栖川有栖というキャラクターを考えるとあれくらいうだうだと考え込んでしまうのも納得、という感じ。後半で火村英生が来た途端の勢いが気持ちよく、一気に読んでしまった。
    友人の言葉にすぐ駆けつけてくれる火村先生がいいですね……。殺人事件に巻き込まれた友人の「嫌な予感がする」をここまで信じてくれる人いないんじゃないかな。あと沼を見たいと言った時にアリスに正論で返されて、アリスに雪を落としてごちる火村先生と呆然とするアリスの図が可愛かったです。男友達っていいなぁ。
    解説が宮部みゆきさんなのも最高でした!火村先生は動機がはっきりした探偵なのは確かにな、と。だからこそ感情移入して読みやすいのかもですね。リュウの狡さに触れていたのも良かった。私もあの言い方本当に狡いと思います。
    前半のもどかしさと読後のスッキリ感で結果的に面白かったと思います。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.12.03

  • MO-FU

    MO-FU

    ぶっちゃけ地味なんだけど、その分正々堂々としたミステリが楽しめました! 作者の作品全般に言えることだが、リーダビリティの高さ故にサクサク読むことが出来た。 犯人は正直なんとなく分かってしまったのだけど、トリックは全然分からなくて、解明シーンでそうだったのかと唸らされた。続きを読む

    投稿日:2023.09.07

  • ariete

    ariete

    雪の積もる場所で起きた殺人事件。

    犯人と動機は分かりやすかったけどトリックでこの人には無理だなと決めつけていたから驚いた。

    アリスだけでも面白かったけど火村助教授が登場するとぐーんと面白さがアップする。

    また二人にはスウェーデン館に行って皆に会ってほしい。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.24

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