【感想】八日目の蝉

角田光代 / 中公文庫
(1591件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
398
633
350
56
17
  • これは、本当に評判どうりで面白かった。

    角田光代さんのこの小説を読む前は、女性の作家が書いた本は
    ほとんど読んだことがなかったのですが、ふとしたことから映画の「八日目の蝉」
    を観たことがきっかけで、どうして主人公の女性はこんなことをするようになったのか
    興味がわいて読み始めたら・・・なんと、これが面白くて面白くて2日で全部
    読んでしまいました。これを読むと、男ってその場限りの都合のいいことを語りますが、
    実際に子供を育てるのは女の役目なんだなぁと実感しました。小説としては異例の犯罪者が主役で被害者は脇役で、
    誘拐された娘が大人になってから幸せになろうとする過程も上手に描かれていたと思います。
    続きを読む

    投稿日:2015.04.03

  • 恐らく女性向け。

    もしかしたら女性の読者だったら楽しめるのかもしれない。結婚してないし子供もいない私にはどうしても登場人物たちがどうしようもなく自分勝手でとても共感できなかった。

    大体妻子持ちの男が浮気するというのも許せないし、あろうことは浮気相手を身ごもらせるなんて犯罪行為にしか思えない。

    他人の子を盗み逃亡した主人公が早く捕まって裁きを受ければいいと思ったのは私だけだろうか?浮気をして相手を身ごもらせた二人の人物の家庭が崩壊すれば多少はスッとしただろう。

    後味の悪い作品だった。
    続きを読む

    投稿日:2016.01.12

  • 「やさしかったお母さんは、私を誘拐した人でした」

    映画のコピーである、この一文だけで
    すべての内容がわかる。
    そして、
    映画と原作では設定が違うが
    子どもを奪い去られた実母も、また哀れである。

    誰もが「悪くない」のに、みながズタズタに傷ついてゆく切なさ。
    自分ならどうしただろうと、
    読み終えたあとも考えさせられた。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.09

  • 親子とは

    とても感動できる作品です。
    実際には多分ありえない設定上で母性のみを際立たせた作品だと思います。親子とは血のつながりだけではないんじゃないかと考えさせられます。途中ちょっと説明っぽい部分が多少だるい感じはしましたが、ラストは感動します。続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • せつなすぎて

    絶対に許されることのない罪を犯した逃亡者だが
    どうか逃げきってほしいと思いながら読みました
    せつなすぎて涙がこぼれます

    投稿日:2013.11.07

  • 考えさせられる

    子供の人格形成に環境って大きいんだなって改めて思った。
    現実社会では、やってはいけないことだけど 親子って、社会で生きていくってどういうことなのか考えさせられた。
    最後、ほんの少しの救い(せつないけど)あって良かった。続きを読む

    投稿日:2013.10.02

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ブクログレビュー

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  • ティモ

    ティモ

    親子のあり方を考えさせられた作品でした。
    前半は息が詰まるような逃亡生活。そんな中にも些細な親子の幸せな時間が描かれています。
    後半、少しずつそれぞれの背景が明らかにされていくので、そういうことだったのかと思いながら読み進められました。

    あのまま誘拐されたまま成長した方がみんな幸せだったんじゃないかと思ってしまいました。
    誘拐はいけないことだけど、やはり希和子の方が親としては正しい振る舞いだったんじゃないかと複雑な思いです。

    最後は偶然にも2人とも小豆島に向かっていて、幸せだった頃に引き寄せられていたのかなと思いました。
    再びあの島で子育てできてたらいいなぁと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.12

  • しんた

    しんた

    咀嚼しきれず二度読んだ。
    人とは、人間とは。
    生みの親がいれば、育ての親は違うという人もいる。逃亡劇と、その後の人生を二部構成のような形式で描く本作品は罪と罰、そして赦し、といった物語である。
    登場人物たちに焦点を当てた構成が実に上手く、一緒に逃避行に出ているようだ。
    ふと考えるのは、この物語にひとつでも「if」があったらどうなっていたのか、という事だ。想像は尽きない。面白い。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.10

  • ドクシ

    ドクシ

    実際の事件をもとにした小説であり、頭の中に描写がリアルに描けた。ラストのとこはなんだか切ない気持ちになったけど、優しい気持ちになれるいい小説でした!
    産みの親、育ての親 という感じ。

    投稿日:2024.05.04

  • 本号読四郎

    本号読四郎

    本のタイトルが読み終えて改めて
    美しく表現されてるなぁと思いました。
    事細かく描写され情景が浮かんで読みやすかったです^ ^
    映画も観てみたいと思いました!

    投稿日:2024.05.04

  • らむね

    らむね

    このレビューはネタバレを含みます

    むかーしに映画で観たけれど忘れてしまった
    原作と映画、同じ内容だったかな?また映画も観たくなりました
    いけない事なんだろうけれど、あれだけ愛情を持って育ててもらえるなら、薫は希和子と共に生きていって欲しかった
    まぁ、そんなハッピーエンドは利己的過ぎるんだろうけど、読みながら逃げ切ってしまえー、と思ってました

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.19

  • ナマケモノ

    ナマケモノ

    読み終えましたが感情がカオスです。きわこは母性が強いのはわかりますが、人の子を拐うまで理性がなくなるのがわからないです。実母よりよほど母性が強く目線から愛が溢れていて薫の気持ちを丁寧に察しながら親をしていたと思います。
    実母は被害者なのはわかるが世間的には犯罪者とされるきわこよりも母性においては子供くさく未熟。未熟さをも被害者というよろいで守ってるかのようでした。きわこですが母性の強さと不倫といういけない関係は同一人物で、堕胎させられたにしても
    同じ人間でも多面性があるなと思いました。実母も若い子と不倫していたようだし薫の両親はダブル不倫してるんだから薫が学生で孕んでも不思議ではないなと思いました。薫は事件のせいでと言いながらも実の両親よりきわこ個人についてはあまり恨みを持っていない印象でそこが救いでした。
    救いと言ってる時点できわこに肩入れしてしまう自分がずっといたし、薫も覚悟を決めて幸せになって欲しい。きわこは最後薫!なんて心で叫んでいたようだけど似た年齢の女性がきたら薫!ってその都度思うのかな?神々しいと書いてあったから4年限定の親の直感だったのかな。
    すれ違ったのは残念だけど、いつかあって今までのこと分かち合える時がきたらいいのになと思いました。千草には2人目のお母さんとして薫を見守って欲しいです。
    エンジェルホームでの描写は面白かったです。普段のぞけない世界なので、、、
    続きを読む

    投稿日:2024.04.14

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