【感想】寄生獣(1)

岩明均 / アフタヌーン
(137件のレビュー)

総合評価:

平均 4.6
90
31
8
0
1
  • 奇抜な設定、深い哲学性

    この1巻は、まだ何かよく分からない生き物が取り憑いたという設定の面白さだけで読ませる感じなのですが、巻を重ねていくとどんどんその哲学性が垣間見えてきて、味わい深いものになります。寄生獣って何?何処から来た?の謎が、途中から生きるって何?に変わってくる。
    語り口は淡々としており(アッサリと人が死んでしまったり)、それがかえってメッセージを強くしているのだと思います。
    もちろん、ストーリーも面白いので、エンターテイメント作品として単純に楽しむことができますよ。
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    投稿日:2013.11.23

  • にじみ出るような個性。今読んでも楽しめる昔のSF

    表現や登場人物の性格は地味で淡々と語られるけれど、展開は劇的で現代でも十分通用する設定と展開。
    この作品の登場人物にも当然個性はあります。しかし、口調が特徴的過ぎたり「こんな人は現実には(ほぼ)いないだろう」と思うような個性ではなく、自然とにじみ出るような個性です。現実に近い故に少しキャラクターの反応が醒めていると感じるかもしれませんが、この漫画を読むと現代の漫画キャラは個性を追い求めて尖り過ぎてる(故に、台詞や行動が特徴的になり、ブレにくいという利点もある)ことも多いなぁと思いました。
    個人的に驚いたのは、表紙が主人公ではないこと。読むまでずっと主人公だと思ってました。主人公はこんな好戦的っぽい人物ではなく、ごく普通の少年(優男?)です。表紙になったのは3巻が最初のようですね。
    書籍説明にもある「『悪魔』というのを本で調べたが…いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ…」などのダークな台詞、設定と扱い方はや昔のSFで名作として今でも親しまれているような本との共通点を多く感じますし、この作品もその名作のひとつなんだと分かりました。
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    投稿日:2013.11.29

  • 非常に奥が深い漫画

    初めて読んだときは友達に勧められて、でした。

    第一印象を申し上げると、絵が古くさく、昔の漫画なんて面白く無いだろう・・・。でした。
    多分、この漫画を知らない人は表紙を見ただけだと同じような印象を受けるのではないでしょうか?

    しかし、物語を読むと全く真逆で非常に面白い。
    この漫画では様々な絶望のシーンがあるのですが、この表現方法が”非常”に素晴らしい。
    最後に立ち向かう敵となる”後藤”とのシーンは漫画なのに息をのむほどの圧巻でした。

    内容としては、何の変哲もない主人公に人食いの寄生生物である”なにか”が寄生します。
    しかしその寄生に失敗してしまい、主人公(人間)と寄生生物が共存して生きていくことになります。

    その共存の間に、寄生生物の力を借りて寄生生物を倒していく中で、
    様々な人間と寄生生物との葛藤や思いが描かれています。

    物語の面白さもそうなのですが、こういった奥の深い設定に非常に考えさせられる部分があります。

    まず一度、深く考えずにさらっと10巻まで読み通して下さい。
    2回目は深くじっくりと考えながら読んでみて下さい。

    色んな発見があるでしょう。 自分の今までの考えが下手すれば180度かわるかも知れません。
    それぐらい僕の人生に影響を与えた作品です。
    既に10回以上は読んでいます。

    グロテスクですが、一度読んでみて下さい。 漫画の常識を逸脱した勉学作品といっても過言ではないでしょう。
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    投稿日:2013.11.25

  • 懐かしの寄生獣

    この漫画を読んだのは何十年前だったのか?

    当時は夢中で読みふけっていた気がする
    一度読み始めたら止まらない面白さ!!
    久々に読んだが素晴らしいですね
    iosで読めないのが残念!

    圧倒的な世界観にドップリ浸かって下さい

    ※エグいのが苦手な人は辞めたほうがいいです、ハイ
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    投稿日:2013.12.01

  • 大人買いして気がつけば朝。

    「一気読みして寝不足にならないよう注意ですよ」と言われていたのに、やってしまいました。
    正直、この作品が、ミギーが好きすぎて冷静なレビューを書ける気がしません。
    内容は若干暗めで残酷だったり猟奇的なところが多々あります。
    でも、それだけじゃないんです。
    生きるということ、エゴ、人間という生物の存在。
    登場人物たちが淡々と、しかし絶え間なく何かを訴えかけてきます。
    その訴えがボディブローのようにじわじわ効くので、読み終わる頃にはもうぐったりです。
    でも、読了後に残る感覚は、ぐったりだけじゃないんです。
    とはいえ難しいことは考えずに単純にSFものとして読んでもおそらく充分に面白く、
    そのあたりのバランスも含め、本当に素晴らしい作品だと思います。
    続きを読む

    投稿日:2013.12.31

  • 「寄生獣」のタイトルの意味の深さが最終巻まで読むと分かります。

     ある日高校生である新一は、ベットでくつろいでいると、蛇のような生物がいるのに気づく。その蛇を殺そうとするとなんと腕に取りついてしまう。蛇ではなく寄生生物だったのだ。その日以来彼は、右手に寄生した生物を「ミギー」と名づけ、共に生活をせざるを得なくなる。そして同時に、世界各地で人がミンチにされる殺人が多発し・・・。

     みなさん「深い」とおっしゃていますが、巻が進むとその深さが解ってきます。一巻では「寄生獣」という物語の序章です。正確には、主人公とミギーの出会い、そして寄生生物と新一(+ミギー)との闘争の幕開けです。戦闘シーンも迫力がありますが、それよりもこの作品は、ミギーと新一との会話や新一の葛藤が重要で考えさせられます。人を喰うシーンなどグロが苦手な方は注意してほしいですが、話はとても面白いです。小説のような素晴らしい読後感を感じました。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.25

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ブクログレビュー

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  • fky

    fky

    寄生生物と人間の両者の目線を、ミギーという自身の一部となった近過ぎる同居人とのディスカッションで深めていく、哲学的なアクション漫画。

    物語の展開としては家族が犠牲者になる前半や学校で大量虐殺が起こるあたりがピークとなり、結末にはやや興味は薄れてくる。続きを読む

    投稿日:2022.11.07

  • bukuawa

    bukuawa

    宿主である高校生のシンイチと、彼の右手に寄生したミギーが、人を喰らう寄生獣たちと闘うホラーバトル第一巻。
    90年代に盛り上がった環境運動を下敷きに、人間存在について問いかける傑作。
    徐々に変わっていくシンイチへ繰り返される、村野の「新一くんだよね?」という問いかけがシンプルで深い。

    本巻は寄生獣という存在、そしてミギーとシンイチの関係性構築の導入部分と、寄生獣の中でも特異な存在の田宮良子の登場、「A」との戦闘前半まで。冒頭からアクセル全開でストーリーが展開される。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.10

  • queenjackjoker

    queenjackjoker

    絵に魅力がない=話が面白い、という方程式の可能性を学んだ漫画のひとつ。
    長編ではないが短くまとまっていてとても読みやすく、かつ面白い。

    投稿日:2021.09.21

  • 駱駝

    駱駝

    漫画といえば大衆娯楽そのもので、「あー面白かった。」と感じさせれば役目は果たされていると思うのだが、この作品に関しては、享受される以上に色々と考えさせられたなという気がしてならない。漫画というコンテンツのその先を見させらたような。そんな気がする名作。続きを読む

    投稿日:2021.09.08

  • Като́н

    Като́н

    漫画とは斯くも面白いものかと教えてくれたのは『ドラゴンボール』だが、深遠なるメッセージと共に漫画の奥深さを教えてくれたのは『寄生獣』。

    投稿日:2021.06.05

  • たくーま

    たくーま

    ダークバトル漫画です。
    テンポの良さやバトルの描写等今の作品にも引けを取らない面白さだと思います。
    昔の作品ですがおすすめの作品です。

    投稿日:2019.12.28

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