【感想】その日のまえに

重松清 / 文春文庫
(673件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
295
226
94
10
2
  • 読み終わった後、少しの間立ち上がれなくなりました。

    がんや、心不全など、大切な人を失う人々の話の短編集です。(短篇集といういい方が正しくないかもしれませんが)
    多くが、運命を呪いながらもその余命を受け止め、その中で時間の残酷さや記憶が薄れてしまう寂しさを感じながら力強く歩み出す物語です。

    大切な家族が死んでしまうとき、自分が死んでしまうとき、余命が宣告されたとき、自分はここに書いてある人達の様な対応が出来るだろうか。ずっとそんなことを考え続けてしまいます。
    そして、そうなった時に最後に残るのは、「感謝」でありたいなとも思います。

    絶対に家族を大切にします。そして自分も。

    これからおそらく何度も読み返してしまうくらい、大好きな本です。
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    投稿日:2014.07.12

  • 涙・涙・涙

    「その日のまえに」
    「その日」
    「その日のあとで」
    という後半の3つの短編と、その前にいくつかの短編という構成。独立した短編かと思わせておいて、「その日…」の3篇でそれらが大きな伏線になっていることがわかる。

    その日とは、“死を迎える日”
    死ぬことと生きること。
    かけがえのない人を失うこと、かけがえのない人を残して先に逝かなければならないということ。
    とっても暗いテーマだし、涙なしには読めないのだけれど、読後感がすごく良い。
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    投稿日:2014.07.14

  • あたりまえであたりまえでないもの

    その日とは、最後のその日とは
    本当にいつになったら
    その日と呼べる
    ようになるのだろう・・・
    人間にとって あたりまえな、
    だけども大切な、
    死というものについて
    考えてしまう作品です。
    重松清 さんの小説を読むのは
    自宅に してくださいね
    うっかり電車なんて所で 読もうものなら
    かなり 大丈夫なの?あの子的な
    目で見られます。(号泣注意!)
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    投稿日:2014.11.15

  • 重松作品の中でイチオシかと。

    偶然この作品から入りました。
    当時新婚で、30代。
    不惑を過ぎて、子を持ち、死についてぼんやり考えるようになり
    読み返すと、当時と違う場面で心を打たれました。
    年齢や環境により受け取り方が変わる、良い作品だと
    我が家族にも薦めたいです。
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    投稿日:2015.04.06

  • 死をテーマにした本

    みんな平等に訪れる"死"をテーマにしています。
    普段の生活の中では、意識することはありませんが、
    この本は死について考えさせられます。
    自分だけでなく、知人、愛する人、まわりの人が死ぬときに、
    何を考え、何を想い、どういう行動をとるのか、そんなことが綴られています。
    心への訴えが強い本です。普段、死を意識することのない人に読んでもらいたいと思いました。
    おすすめです。
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    投稿日:2015.01.10

  • とにかく泣ける

    誰もが死ぬんだけど、もちろん自分も。
    悲しいんだけど、温かいお話。
    生きているってことに感謝、大切な人々が近くに居るということにも改めて感謝。  

    投稿日:2014.09.28

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ブクログレビュー

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  • ゴン

    ゴン

    おすすめ小説って紹介されてたので買った一冊。

    死に関する話でした。

    死ぬ人はその日までどう過ごすのか、それを見守る人達はどう乗り越えていくのか

    いろいろ考えさせられました。

    どの話も悲壮感がなく前向きなラストで良かった。

    最後の3話はその日までの過ごし方が理想的なんじゃないかと感じた。

    連作短編と書いてあったがどうこの短編が繋がるのかと思いながら読んでいたが、見事に最後の3話で繋がったのはスッキリする。

    自分もいつか迎える死
    いろいろ考えた小説でした。


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    投稿日:2024.05.07

  • ntk

    ntk

    このレビューはネタバレを含みます

    感動する本のオススメで選んで読み始めた
    短編の小説で何人かの余命宣告をされた人間模様を書いていて、最初は何が感動的なのかなぁーと思いながら読み続けていると最後のタイトルにもなっている『その日のまえに』から一気に今までの登場人物を含めた話展開になっていき、そこからのお話が涙を止める事が出来ない話展開だった
    病気で死ぬ事は私には嫌だけど、感謝したい周りの人達に恥ずかしくて伝えられない気持ちを伝える事が出来てから、準備してから亡くなる事ができると思うと、嫌だけど少しだけ、ほんの少しだけ死の恐怖から抜け出せる事が出来るのではないかと思えたお話でした

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.05.06

  • ますたぁ

    ますたぁ

    亡くなる人と、それに向き合う人の連作短編集

    以下、公式のあらすじ
    ---------------------
    僕たちは「その日」に向かって生きてきた――。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。
    ---------------------


    収録は6編
    ・ひこうき雲
    ・朝日のあたる家
    ・潮騒
    ・ヒア・カムズ・ザ・サン
    ・その日のまえに
    ・その日
    ・その日のあとで


    ・ひこうき雲
    小学校の頃住んでいた、飛行機の滑走路のある街
    小学生の頃に同級生の女の子 渾名ガンリュウが病気で入院し、クラスで作成した寄せ書きと共にお見舞いにいったお話

    ・朝日のあたる家
    高校教師が朝の日課であるマラソン中に教え子に出会う
    カメラマンを目指す傍らのコンビニバイトの帰りだという
    また、たまにコンビニに来る他の教え子が結婚し今のマンションに住んでいるという
    しかし、その子は過去に万引きで捕まった事があり……

    ・潮騒
    シュンは癌で余命宣告を受け、小学生の頃に住んでいた海の街を訪れる
    当時、海に誘われたが断った後に行方不明になった同級生オカちゃん
    そんな事故の後、「ひとごろし」となじった石川との会話

    ・ヒア・カムズ・ザ・サン
    母子家庭の高校生男子
    母が最近路上ライブをしているアーティストにご執心
    また、母は健康診断の再検査の診断を受ける

    ・その日のまえに
    余命宣告を受けた妻と、結婚当時に住んでいた街を訪れる


    ・その日
    妻の亡くなる日

    ・その日のあとで
    「その日」から3ヶ月後



    前半の4編は「死」を迎えるという共通点はありそうだけど、「朝日のあたる家」は例外だなぁと思いながら読み進めていくと
    後半の3編でそれぞれの繋がりが明かされる

    「朝日のあたる家」の武口と入江、一緒に暮らしているのだなぁと何だかしんみりする
    「ひこうき雲」の委員長も、その経験だあったからこそ、その道を選んだのだなと感慨深い



    この歳になると、いつ何が起こってもおかしくはない
    毎年人間ドックは受けているけれども、それで絶対に病気が見つかるわけでもないしね
    なので、「もし自分が亡くなるとしたら?」を考えてしまった

    以前は、ピンピンコロリが周囲にも迷惑をかけないし、自分も苦しむことがないのでいいかと思っていた
    でも、人間生きていれば何かとあるわけで、前もって死ぬ準備ができる方がいいのでは?という考えにもなってきた

    もし私が明確な余命宣告を受けるような病気になったとしたら
    きっとSNSとかにも情報を公開して、会っておきたい人達には会うだろうし
    家の整理や、近しい人や親しい人に形見分けのような事もするだろう
    そして、幸いなのか不孝なのか両親は未だに健在なので、実家に帰る気がする

    残った家族はどうするかとかも考えたりもしたけど、結局はなるようになるし、なるようにしかならないと思って考えるのを辞めた


    やはり、重松清は過去を振り返る物語が上手いなぁ
    郷愁や感傷もあるけど、どうしようもないもどかしさもありつつ
    それでいて結局は未来に少し希望がある終わり方にするイメージがある

    もし私が亡くなっても周囲の人達がそれなりに前を向いて生きていってもらえたらなと思う
    続きを読む

    投稿日:2024.04.24

  • 河岡 龍太

    河岡 龍太

    長くを共にする人は、特別で何でもないような日常も気付けないだけであって失った・失うときにどれ程、大切ものだったかを感じさせられる。
    だからこそ、大事な人との時間に感謝しながら日々生きていきたいと思わされた。
    日々に退屈してる人には是非読んで欲しい

    この人の小説には、温かみがあり泣きそうになってしまう。大好きな作家さんです。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.23

  • きじお

    きじお

    全体的に悲壮感はなく、その日が来るまでどのように過ごすか、生きるかというのがそれぞれの立場や年齢で表現されている。

    ヒアカムズザサンの息子は感情剥き出しでなんとかしたいという思いが伝わってきたので良かったが、後の話は淡々とその日が来るのを受け入れていたような気がする。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.19

  • ゆうほ

    ゆうほ

    変わり映えのない毎日に嫌気がさしていた日に読みました。スタバで読んでたら号泣。家でゆっくり読むことをおすすめします。明日は何をしようかな?健康がいちばん。

    投稿日:2024.03.09

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