【感想】どれくらいの愛情

白石一文 / 文春文庫
(99件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
10
34
34
9
2
  • そんなに短くない話4作の短編集

    どの作品にも共感というか心に響く言葉があり、すごく良い作品だと思う。
    この作品は数年前の直木賞の候補作でもあるらしい、結果的には昨年「ほかならぬ人へ」で142回直木賞を受賞している。
    特に印象に残ったのが
    「自分が幸せになるための結婚は失敗して、相手を幸せにする結婚をすべし。」的な言葉。
    お互いがそう思っていたら・・・
    作者の出身地でもある福岡・博多が扱った作品が多く、すごく魅力を感じて、また行きたくなった。
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    投稿日:2014.11.18

ブクログレビュー

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  • Takuma

    Takuma

    4つの中編からなる重厚な一冊。白石作品の多くに共通して見られる、運命というテーマが深く丁寧に描かれている。

    投稿日:2024.03.12

  • あかね

    あかね

    正直なことを書くと、最初の作品に、少しだけれど女性軽視されてる表現を見つけて戸惑った。

    ダーウィンの法則での触れ合いについての持論も、最初は納得行ったけど、父親も子供と触れ合うのだから父と母の関係性が悪くなるのはおかしいような?

    でも、目には見えない愛についてのお話は良かったな。
    絶望は希望の種。心から相手のことを思う気持ちがあればそれで十分に愛し合えるんだ。
    愛って何だろうって、自分の中にある愛のこと、もっと考えたいと思った。

    後書きがとても好きでした。
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    投稿日:2022.11.30

  • ひゃっほう

    ひゃっほう

    「20年後の私へ」
    「たとえ真実を知っても彼は」
    「ダーウィンの法則」
    「どれくらいの愛情」
    の4作から成る一冊。

    うーん、あまり好きじゃなかったです。
    ところどころ、強く印象に残る文章はありましたが、小説としては、スッキリしないものでした。

    都合よくいきすぎというか、フィクションで許される範囲を越えちゃっていたかな、と。

    印象に残った文章達。

    「人間は誰かに幸せにして貰うことも、自分だけが幸せになることもできないのだろう。人間にできるのは、恐らく誰かを幸せにすることだけなのだ。」
    「お互いを思いやるとは、要するに互いに心配をかけ合うということでもある。
    そして、人は心配されるよりも相手を心配しているときの方がきっと心は満たされるのだろう。」

    この作品はあまり満足できませんでしたが、白石氏の愛・運命・死についての考え方はやはり好きです。
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    投稿日:2022.10.01

  • まろきち

    まろきち

    白石一文氏の作品は福岡が舞台であることが多く、とても親近感がわく。この作品も福岡、老舗のぜんざい屋のオーナーが主人公、見知りした地名や場所が次々出てきて情景を想像しやすくたのしめた。
    目にしたものが真実ではないことがある。悲しみや辛さを味わった人の思慮深さや優しさ懐の深さを強く感じた作品でした。終わりがとてもほっこり。続きを読む

    投稿日:2022.08.31

  • kurayami

    kurayami

    作者あとがきに書かれている、「目に見えないものの確かさ」とは、それぞれの作品で描かれている人間の想いや繋がりではないかと私は考えます。また、世界の流れ、というか、陳腐ですが運命といったものではないかと。それはよく目を凝らせば日常に溢れているのでしょう。
    あとがきでは、目に見えないものを見ることが「自分とは何か?」という最も大切な問いに対する答えを出すために必要であると再三述べられています。
    自分とは何でしょうか。即答できるような質問ではありませんよね。日常で考える機会もそうそうない質問です。私はまだまだこの答えを出せそうにありません。
    ただ、それを考えることで、今まで気づかなかったことに目を向けられるのではないでしょうか。
    自分とは何か。目に見えないものの大切さとは何か。そんなことを考えながら、この作品を読むと見える世界が変わるかもしれません。
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    投稿日:2022.08.17

  • Akiko

    Akiko

    このレビューはネタバレを含みます

    表題作を含む4つの短編(中編?)が入っています。
    どれもテーマは愛かな?
    「20年後の私へ」「ダーウィンの法則」「どれくらいの愛情」の3編は、真実の愛を追究したり、自分の気持ち(愛)に正直に生きようとしたりする人々を描いている。
    「20年後の私へ」はもう若くはない、仕事を持つ女性が、本当はキャリアウーマンになりたかったわけじゃないのにだんだんと仕事の責任が重くなり、人がうらやむような素敵な男性にプロポーズされ、そっちに逃げることもできるけど…という展開で、私にはなかなか共感できるものがありました。19歳のときに、20年後の自分宛に書いた手紙の内容はなかなか泣けました。
    「どれくらいの愛情」は色んな障害を乗り越えて真実の愛を見つけていく主人公の正平に文字通り惚れました。柄にもなく、“真実の愛ってこういうものかなー”と思ったりしてしまいました。
    でもひねくれ者の私の心に一番ぐっっっっと来たのが、やっぱり愛のなんたるかがよく分からなくなってしまう「たとえ真実を知っても彼は」という作品でした。
    真実の愛を貫く3つの作品の中にこれが1つ入っているのが効いてると思います。

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    投稿日:2021.09.17

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