ジェネリック医薬品の不都合な真実 世界的ムーブメントが引き起こした功罪
KatherineEban(著)
,丹澤和比古(著)
,寺町朋子(著)
/翔泳社
作品情報
【NYタイムズベストセラー】ハエが飛び交う製造現場、試験データの捏造・隠蔽…不正を行う海外企業の「嘘」に翻弄される医薬品業界の現実を暴いた衝撃のノンフィクション!ジェネリック医薬品の登場は、必要な薬を手に入れられなかった貧しい人々を救い、医療費増大に悩む国々の希望の光となっています。しかし、それは、政府の医薬品審査機関の厳格な管理・監督のもとジェネリック医薬品メーカーが高い倫理観をもって「先発医薬品と変わらない薬効・安全性の薬を製造しているはず」という「信頼」を前提とした話です。本書では、2万点を超える機密文書の調査と、200人以上の内部告発者、不正を行った企業の役員・現場作業者、米国の食品医薬品局(FDA)の査察官らへの緻密な取材によって、次のような事実を明らかにしました。(1)インドや中国などの一部のジェネリック医薬品メーカーでは、 利益の最大化のため、承認試験データを捏造して早期承認をめざし、 衛生管理を軽視して不衛生な環境で医薬品製造を行っていること(2)FDAの査察官による現地調査も行われているが、 査察決定から査察日の間に試験データを捏造し、 見せかけの衛生環境を整備して、巧妙な「嘘」で査察官を欺いていること(3)そのような薬が実際に米国の人々の健康を奪っていること 品質基準を満たしていない薬が発展途上国へと流れ、健康被害を生み出していること 品質の悪い抗生物質が、薬剤耐性菌発生の一因となっていること【原書名】Bottle of Lies: The Inside Story of the Generic Drug Boom※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。
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この作品のレビュー
平均 4.5 (5件のレビュー)
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どうしてFDAが嘘を見破れなかったか。。。そりゃミイラ取りがミイラになるってこの事なんだなって思う。
日本も他人事じゃないから読んでみるべし。投稿日:2022.02.11
ジュガールで行こう!?
気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新知識をゲットしよう。そんなコンセプトのブックガイドです。第109回目は供給不足がニュースにもなっている「ジェネリッ…ク薬の構造的な問題を探ります。
20世紀の間は、ジェネリックの問題は、アメリカならアメリカ国内での、日本なら日本国内での企業の間の競争でした。ところが21世紀になりグローバル経済でインドや中国がジェネリック薬市場に本格的に参入すると、予想もしない事態となりました。それを余すところなく描くのが、今回の「ジェネリック医薬品の不都合な真実」です。
インドのジェネリック製薬業の歴史、その発端から興隆の道程、そして世界がそれを受け入れざるを得なかった訳、その後の残念な腐敗の過程、さらに、それでも世界がインドのジェネリック医薬品を使い続けなければならない訳…。膨大な調査を通して、これら全てが500ページ超の中に盛り込まれています。
ジェネリック医薬品の存在意義は、特許が切れた先発薬と同等の効果や安全性を持つ薬を安価で提供することです。それは、政府の医薬品審査機関の厳格な管理・監督のもと、ジェネリック医薬品メーカーが高い倫理観をもって、「先発医薬品と変わらない薬効・安全性の薬を製造しているはずだ」という「信頼」を前提として作られた制度です。
つまり、ジェネリック医薬品は、そもそも先進国の企業倫理と法制度のもとで製造されることを想定した薬なのです。
しかし、グローバル経済の進展で、先進国とは異なる倫理観や社会制度をもつ国々が工業化し、世界の工場となっていきました。衣類や機械などを作っている間はそれでよかったとしても、「薬」を製造するとなるとどうでしょう。薬は外観で中身がわからないし、結果としての作用もすぐにはわからないものです。
そんな流れの中心にあるのがインド。インドにはガンディーの頃から独立の見返りとして、イギリスの依頼で第二次世界大戦中に戦士向けのキニーネなどを製造していたという歴史もあります。
20世紀後半、英語力と理系脳にすぐれる上層社会のインド人が続々と欧米の大学へ留学し、医学部や薬学部にもインド人が増えました。当然、欧米の製薬企業にもインド人がたくさん入ってきました。インドにもどった彼らは製薬会社を起業。彼らは、新薬開発はできませんが、既存薬を合成することには長けていました(いわゆるリバース・エンジニアリング)。
そして1970年、インディラ・ガンジーの時代に、「インド特許法」という独自の特許法ができました。「インド特許法」によって模倣薬を自由に作れることになったインド国内では、模倣薬が流通する時代が到来します。ただし、その時点ではインドは世界市場から締め出された状態でした。
インドの薬における大きな転機は、1980年代に起こったHIVの世界的流行です。欧米の製薬会社が超高価な価格で提供していた抗HIV薬を、インドは100分の1の価格で提供するという賭けに出ました。これが世界世論を動かし、インド製抗HIV薬が主にはアメリカの予算でアフリカ諸国に供給されることとなったのです。この出来事をきっかけに、インド製薬業界は世界的な薬品供給者として認められるようになりました。
そして21世紀、高騰する医療費に悩む先進諸国も、次第にインドの薬に門戸を開いていきます。もちろん、先進国並みの企業倫理と監督制度のもとで製造されることを前提に…。
そこに立ちふさがったのは、「ジュガール」というインド人の心性でした。
ジュガールとはヒンディー語で「応急処置」という意味らしいのですが、転じて「その場しのぎでうまくいくならそれでOK!」、さらには「さまざまな規制をたとえ違法な方法でもくぐり抜けて目的を達成する才能」を意味します。
インドでは、ジュガールがビジネスで成功する才能だと今でも考えられており、ジュガールに長けた人は尊敬の対象になっています。日本でも、『大富豪インド人のビリオネア思考』という、「ジュガール礼賛本」が出版されているほどです。
インドで作られたジェネリック医薬品をアメリカで使うには、FDAの認可、定期的な精度管理、工場の査察など、品質管理のための高いハードルがあり、そこにコストがかかります。ところが、ジュガールを使うと、でたらめな書類やその場しのぎの査察対策でFDAをごまかし、いい加減な品質管理でコストダウンすればよい…という具合になります。
本書のメインとなる実話では、アメリカで成功してインドにもどってきたインド人研究者が、インド製薬業界のジュガール体質に嫌気がさして内部告発。これを発端に、FDAやアメリカの司法とインドの製薬業界(さらにはインド政府)の間で、さまざまな法や駆け引きのバトルが繰り広げられます。
その研究者の事件は解決するのですが、アメリカの政府や消費者が財政的にジェネリックを求めていたため、インドのジェネリック医薬品が持つジュガール体質は温存されてしまいます。それどころか、FDAが規制を厳格化しインドからの薬剤の輸入が滞ると、アメリカ国内では薬剤が不足する事態に…。
もちろん、この本で取り上げられている事例は、先進国とは異なる倫理観を持つ国の企業の話です。先進国内のジェネリック医薬品にあてはまるものではありません。しかし、世界一厳しいといわれているFDAをもってしても、なぜ「嘘」でつくられた薬が消費者の手に届いてしまったのか、そのメカニズムを知ることは重要でしょう。続きを読む投稿日:2022.12.08
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