チンギス紀 七 虎落
北方謙三(著)
/集英社文芸単行本
作品情報
心にしみこんだ敵は、心から消さねばならない。草原が二大勢力に分かれるとき、かつての盟友は最大の敵となるのか? ジャムカはテムジンの部将を討ちとった際に深傷を負ったが、それも癒えつつあった。テムジンはケレイト王国のトオリル・カンと結んでおり、ジャムカ、タルグダイ、アインガは、それぞれ単独では対抗できない。タルグダイの妻ラシャーンはタルグダイの意向をふまえ、ジャムカと二人きりで密かに話す機会を得る。タルグダイはすでにアインガとは会っていた。あとは、ジャムカ、タルグダイ、アインガの三者が出会い、共通の敵について語ることができるかにかかっていた――。モンゴル族の各氏族、メルキト族、ケレイト王国が二つに割れ、草原の覇者をめぐる一大決戦の幕が開ける、好評第七巻。
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商品情報
- シリーズ
- チンギス紀
- 著者
- 北方謙三
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文芸単行本
- 書籍発売日
- 2020.03.30
- Reader Store発売日
- 2020.07.15
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 344ページ
- シリーズ情報
- 既刊17巻
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この作品のレビュー
平均 4.1 (19件のレビュー)
-
第七巻。
“親金”の立場を取るテムジン(モンゴル族・キャト氏)とトオリル・カン(ケレイト王国)の連合に対抗する為、ジャムカ(モンゴル族・ジャンダラン氏)、タルグダイ(モンゴル族・タイチウト氏)、アイ…ンガ(メルキト族)は“反金”の三者連合を築くことになります。
そして、いよいよ草原を二分する一大決戦の幕が開けられ・・。
ついに、テムジンとジャムカが本格的に激突する展開になってしまいました。
トオリル・カン&テムジンVSジャムカ&タルグダイ&アインガという、まさに総力戦といえる大規模かつ激しい戦闘シーンは迫力満点です。
主戦場での連合軍の総力戦も勿論見ごたえあるのですが、個人的にこの巻のハイライトだと思うのは、キャト氏の内政の要ともいえるアウラガ府を、ジャムカの別動隊が急襲した場面です。
それにしても、戦闘要員がいないアウラガを攻めてくるなんて、こういうところがジャムカって容赦ないですよね。
前巻でも民間人の家を蹴散らしてもテムジンを追撃するという場面がありましたし・・(因みに、その時テムジンは民間人の家を避けた為、撤退が遅れたんですよね)。
で、思わぬ襲撃を受けて大ピンチに陥ったアウラガですが、その時、病に侵されて養方所で寝込んでいたはずのベルグティ(テムジンの異母弟)がなんと騎馬で出てくるのですよ~。
もう、この時点で“あのフラグ”が立ちまくりなのでグッときているのですが、その後のベルグティの闘いっぷりが、まるで燃え尽きる前に明るく輝く蝋燭の炎のようで、最高に雄々しくて胸アツで泣けてきました。
一方、戦場で繰り広げられている大乱戦も、テムジンVSジャムカを始め、アルワン・ネクVSアインガの持久戦だったり、あのタルグダイも今までにない健闘ぶりを見せるなど、これどう収集つけるの?という攻防戦が続きます。
そうそう、ムカリの“雷光隊”もいい仕事していましたね。
最終的に、明暗を分けたのが“後方部隊(兵站・馬等の物資補給)”の強固さだったわけで、ここにテムジンの他とは違う視野の広さが活きてきた感じですね。
さて、今後テムジンはどのような国造りをしていくのか、ジャムカやタルグダイ、アインガがどうなっていくのか、その動向に注目です。続きを読む投稿日:2024.04.16
このレビューはネタバレを含みます
とうとうテムジンがモンゴル族を統一に…。
レビューの続きを読む
後半はほとんどが戦いの場面。私の想像力が弱いのか、文字だけではなかなか戦いの場面を思い浮かべられず…。ただ息詰まる感じは十分に感じられ、面白かった。投稿日:2024.04.13
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