【感想】チンギス紀 七 虎落

北方謙三 / 集英社文芸単行本
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
6
8
5
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • あやごぜ

    あやごぜ

    第七巻。

    “親金”の立場を取るテムジン(モンゴル族・キャト氏)とトオリル・カン(ケレイト王国)の連合に対抗する為、ジャムカ(モンゴル族・ジャンダラン氏)、タルグダイ(モンゴル族・タイチウト氏)、アインガ(メルキト族)は“反金”の三者連合を築くことになります。
    そして、いよいよ草原を二分する一大決戦の幕が開けられ・・。

    ついに、テムジンとジャムカが本格的に激突する展開になってしまいました。
    トオリル・カン&テムジンVSジャムカ&タルグダイ&アインガという、まさに総力戦といえる大規模かつ激しい戦闘シーンは迫力満点です。
    主戦場での連合軍の総力戦も勿論見ごたえあるのですが、個人的にこの巻のハイライトだと思うのは、キャト氏の内政の要ともいえるアウラガ府を、ジャムカの別動隊が急襲した場面です。
    それにしても、戦闘要員がいないアウラガを攻めてくるなんて、こういうところがジャムカって容赦ないですよね。
    前巻でも民間人の家を蹴散らしてもテムジンを追撃するという場面がありましたし・・(因みに、その時テムジンは民間人の家を避けた為、撤退が遅れたんですよね)。
    で、思わぬ襲撃を受けて大ピンチに陥ったアウラガですが、その時、病に侵されて養方所で寝込んでいたはずのベルグティ(テムジンの異母弟)がなんと騎馬で出てくるのですよ~。
    もう、この時点で“あのフラグ”が立ちまくりなのでグッときているのですが、その後のベルグティの闘いっぷりが、まるで燃え尽きる前に明るく輝く蝋燭の炎のようで、最高に雄々しくて胸アツで泣けてきました。
    一方、戦場で繰り広げられている大乱戦も、テムジンVSジャムカを始め、アルワン・ネクVSアインガの持久戦だったり、あのタルグダイも今までにない健闘ぶりを見せるなど、これどう収集つけるの?という攻防戦が続きます。
    そうそう、ムカリの“雷光隊”もいい仕事していましたね。
    最終的に、明暗を分けたのが“後方部隊(兵站・馬等の物資補給)”の強固さだったわけで、ここにテムジンの他とは違う視野の広さが活きてきた感じですね。

    さて、今後テムジンはどのような国造りをしていくのか、ジャムカやタルグダイ、アインガがどうなっていくのか、その動向に注目です。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.16

  • クルテク

    クルテク

    このレビューはネタバレを含みます

    とうとうテムジンがモンゴル族を統一に…。
    後半はほとんどが戦いの場面。私の想像力が弱いのか、文字だけではなかなか戦いの場面を思い浮かべられず…。ただ息詰まる感じは十分に感じられ、面白かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.13

  • つゆこ

    つゆこ

    決戦のシーンがドキドキして読むのが止まらない。裏の裏を読んで戦いその勝敗はちょっとの読みの違いで決まる。勇気と決断と深い読みと力がテムジンを勝利に導いたのだろうと思う

    投稿日:2024.01.19

  • nkwada

    nkwada

    トオリル=カン・テムジン対ジャムカ・タルグタイ・アインガのモンゴル最終決戦。戦いのシーンは読み飛ばしたが、ジャムカに勝利。テムジンがモンゴル族全体に勢力を伸ばす。井上靖の小説では袋に入れられて殺されていたので、北方版もそうなるのかな。続きを読む

    投稿日:2023.11.19

  • につ

    につ

    このレビューはネタバレを含みます

    感想
    1巻丸ごと戦!息詰まる展開に一気読み。最後はちょっと読むのが疲れたけど、テムジンはギリギリのところで連合軍に打ち勝ち、モンゴル族の統一を果たす。

    決着がいつも相手の大将を討つということで終わらないので消化不良感はあるが、やっとここまできたか。という感はある。

    あらすじ
    ジャムカとメルキトとタイチウトが連合し、ケレイト王国とテムジンに戦を仕掛けてきた。ジャムカは戦場を黒林と決めて布陣した。

    ジャムカは別働隊の千をタイチウトに潜り込ませ、テムジンの本拠地であるアウラガを急襲する。病療養中だったベルグティとムカリの雷光隊の活躍で守り切るも、ベルグティが戦死する。

    テムジンは精強になったタイチウト軍をなんとか破り、続いてジャムカとアインガ軍も敗走させる。それによりテムジンは遂にモンゴル族の統一を果たす。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.09.30

  • みちょはちゃ

    みちょはちゃ

    このレビューはネタバレを含みます

    チンギス紀 七 虎落
    北方謙三

    ∞----------------------∞

    ムカリの雷光隊。馬が人のように走り人が馬のように走る訓練?

    メルキトとジャンダラン、タイチウトが連合軍をつくり集結する。大将はジャムカ。
    そして呪術師がラシャーンを占うと、「大切なものを失う」という結果に。北西、森、山を突き進むとトクトアの営地だった。

    ケレイト軍は予定通り遅刻するが、先に戦ははじまっていた。そしてアウラガ府への奇襲。病で伏せっていたベルグティが立ち上がって指揮をする。
    「アウラガが燃えたとしても、私の涙で消してやる」これはギャグでいいかな?

    ベルグティの最期がすごかった。チャラカ翁もそうだったけど、もう起き上がれないと思ってたのに最後の踏ん張りで自分の命をかけて戦うっていうのは、テムジン兄の築くこの国を守らなくては!と尽く尊敬してるのが分かって、テムジンは愛される長なのだなと思う。

    この戦は長かった。これを乗りきらねば!って私が切実だった。ジャムカとタルグダイは逃げ、テムジンはモンゴルを統一。

    フフーはやはりヒステリックで、息子まで箱入りで育てようとしてたけど、それはテムジンですら感じてた。テムジンと比べると、ジャムカは孤独だなぁと思う。タルグダイにもラシャーンが付いてる。

    2023/02/20 読了 (図書館)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.02.20

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。