江姫 -乱国の華- 中 岐阜宰相の妻
マサト真希(著)
/メディアワークス文庫
作品情報
天下人・秀吉のおわす大坂城にて、姉二人と暮らす江。母お市の方と死に別れ、初恋の夫と引き離され、心を閉ざしていた彼女は秀吉の甥の小吉秀勝と出会う。傍若無人で気ままな秀勝に、江は反発するが、降りかかる試練を経て距離を縮める。だが、天下統一への道を進む秀吉の激動の人生に、江と秀勝は巻き込まれていく。「女子は生きて生き抜いて、その身に流れる血を後の世につないでいかねばならぬ」 市の遺した言葉に、江はどう従うのか――
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商品情報
- シリーズ
- 江姫 -乱国の華-
- 著者
- マサト真希
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- メディアワークス文庫
- 書籍発売日
- 2011.10.25
- Reader Store発売日
- 2015.08.27
- ファイルサイズ
- 1.1MB
- シリーズ情報
- 既刊3巻
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この作品のレビュー
平均 3.0 (2件のレビュー)
-
上巻を読んだのが今年の4月。中巻、下巻の発売を今か今かと待っていた。
上巻の最後で江は、初めて嫁いだ夫・佐治一成から引き離され、無理やりに離縁させられていた。その傷は周囲の人が思う以上に深いもの。まだ…12歳。少女と言っても構わないほどの幼さではあるが、夫となった人への想いの深さは年齢には関係ない。江は感情が豊かすぎるほど豊かな女子。心の底から愛し、慕い、別れれば悲しみ、その原因となった人を恨み…。自分でも制御できないほどの感情を持てあましながら日々を過ごしている、そんなシーンから中巻は始まる。
そうして出逢う2度目の夫となる小吉秀勝。そのときはまだ”秀勝”の名ではなかったが。
思えば、江は夫となる男子と出逢ったばかりの頃は、好い感情を抱いていない。最初の夫・一成もそうであった。一成の弟とはしゃぐ江は、あまり軽々しく口をきけない雰囲気を醸し出す一成にうち解けられずにいた。それがあることをきっかけに好意を抱くようになる。
中巻での秀勝との出逢いも同じだ。最初は江を面白そうにからかう秀勝に対して反抗心しか抱いていない。それがいつしか…。おそらく下巻で描かれる秀忠に対してもそうなのだろう。
そういう江の心の動きが読んでいるこちらの心を揺さぶるまでに伝わるのは、この物語の中の江がそれはそれは生き生きと描かれているからにほかならない。マサト真希氏が描く江の物語に登場する人物はみな、とても生き生きとしているのである。読んでいてその世界に引き込まれる。江が悲しめば、こちらも胸が締め付けられるようになり、江が笑えば、こちらも知らず知らずのうちに微笑んでいる。江だけではない。茶々も同じだ。初も。
それにしても今回、秀次の自死の場面は辛かった。秀吉の姉・とも夫婦は息子たち全てを秀吉に奪われたのか…。改めてこの夫婦の気持ちを思う。秀吉の縁者でなければ、優れた息子たちと共に普通に幸せに暮らせていただろう。それが、長男・秀次は自死、次男・秀勝は戦場で病死、三男・秀保は原因不明の死。どれも原因は秀吉にあると言っていい。秀吉の縁者たちは、類い希なる男の縁者であったが故の幸せも味わったであろうけれど、逆にそれ以上の不幸も味わったのか。
中巻の最後で江は三番目の夫となる秀忠に嫁ぐこととなる。愛する秀勝との間に生まれた娘・完子を置いて。江は秀吉の側室となった茶々をどう思っただろう。自分と娘を引き裂いた姉を。茶々も好きでそうしたわけではない。長男を病気で失った茶々も、子どもと引き離される辛さは知っているのだから。
母である市が遺した言葉。「女子は生きて生き抜いて、その身に流れる血を後の世につないでいかねばならぬ」。浅井と織田の血を遺せという言葉。茶々も江もこの言葉に縛られながら生きていく。この言葉がこの世でたった3人しかいない姉妹の長姉と末妹の間を引き裂く。
この後、秀吉が死に、より二人の間は複雑なものになっていく。中姉の初の立場も苦しくなっていく。新たな愛をどのように江は見つけていくのだろう。秀忠との関係も気になるところだ。
上巻から半年以上経って中巻の出版。さて、下巻は来年まで持ち越しなのかな。早く早くと待っているのだけれど…。続きを読む投稿日:2011.11.08
このレビューはネタバレを含みます
最後、江だよね?
レビューの続きを読む
また結婚かぁ・・・・・・
もう×2ぐらいじゃない?w
昔の日本は性におおらかだったと聞いたことがありますが、
これを読むと本当にそれが分かりますね。
何度も何度も結婚していると言…う時点でもうおおらかというかなんというか・・・・・・。
道具として結婚しているわけですが、やはりどうなんでしょうか?続きを読む投稿日:2012.05.23
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