東京大田区・弁当屋のすごい経営
菅原勇一郎(著者)
/扶桑社BOOKS新書
作品情報
日替わり弁当のみで年商70億円 ビジネスモデルがスタンフォード大学MBAの教材に!
■中小企業の課題をことごとく解決
・日本の企業のうち97%を中小企業が占めている。昨今、中小企業の黒字廃業が問題となっているが、その大きな理由は後継者不足。
そんな中、中小企業の課題ともいえる「スムーズな事業継承」をし、先代から引き継いだ弁当屋の年商を20年で7.5倍に拡大させたのが、「玉子屋」の二代目社長だ。
日替わり弁当1本で年商70億円、パーティや冠婚葬祭などの仕出しを請け負う工場も設立し、年商90億と業界最大手に育て上げた。
東京の15区と、神奈川のごく一部に配達する1日の食数は最大7万食。朝電話注文を受けて、昼までにどうやって7万食を配達するのか。なぜ日替わり弁当1本でそこまで事業を大きくできたのか。原価率53%、廃棄率0.1%という驚異の数字を維持できるのはなぜか。そこには中小企業ならではの、フレキシブルな面白経営哲学がある。
・1日最大7万食を午前中に配達する、「言われてみればなるほど」の配達方法
・社是は「事業に失敗するこつ12箇条」
・営業マンは存在せず、配達のドライバーが弁当容器回収時に味や好みなどマーケティングリサーチをし、営業も行う。
・暴走族や地元の札付きの子らを積極的に採用
・一つの班を一つの子会社とみなし大幅権限委譲(下克上も日常茶飯事)
・初めての客とはすぐに契約しない
・全国展開、フランチャイズ化お断り
・世界経済フォーラム(通称ダボス会議)のフォーラム・メンバーズに選出
こうした破天荒な経営哲学により、米名門スタンフォード大学からも視察が訪れ、MBAの教材となっている。
日本から中小企業が消えていく中、「華麗なる中小企業」を看板として成長している玉子屋さんの経営スタイルは、全国の中小企業事業者に ヒントと勇気を与えるはずだ。
元気のいい中小企業の経営戦略のお手本として読み続けられた話題書の新書化!
新書化にあたって、コロナ禍による打撃など2018年以降の事情については新規にあとがきを加筆しました。
※このコンテンツには一部カラーページが含まれております。
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商品情報
- シリーズ
- 東京大田区・弁当屋のすごい経営
- 著者
- 菅原勇一郎
- 出版社
- 扶桑社
- 掲載誌・レーベル
- 扶桑社BOOKS新書
- 書籍発売日
- 2022.12.22
- Reader Store発売日
- 2023.01.06
- ファイルサイズ
- 4.5MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (4件のレビュー)
-
たまに見る玉子屋の車と弁当のビジネスで数十億を売り上げる仕組みが気になって手に取った本。
メインの語り手は2代目社長。
ただ、創業社長の一貫したポリシーや考えも豊富に入っていて非常に内容は濃いと思い…ます。
人を大事にする、顧客第一に考えるなど『人』が基軸となって、事業全体の意思決定や仕組みが構築されているところがこの本の根幹かなと感じた。
今対峙している人が幸せになるために、何をして何をしないのか、その判断がしっかりされたビジネスでのしあがってきた。
一方で、新書版で会社経営が厳しくなったコロナ&食中毒の出来事。世の中が変わり、急速に変化しなければならないことも出てきた。
今後の会社の歩みが気になるので、また何年後かに書籍を出して欲しいです。続きを読む投稿日:2023.07.17
東京の蒲田に住んでいたときに、玉子屋のトラックはよく見かけた。弁当屋さんと知っていたが、この本を読んで、すごい弁当屋さんであることを認識した。とりわけ、菅原勇継会長の新しいことを切り開く開拓力と長期…的な視点で後継者を育てるということに凄みを感じた。子供の頃に野球をやらせて、チームプレーを学ばせる。経営者はチームプレーを理解していないとうまくいかないと思う。親から子へ事業継承がスムースに行き、会社が飛躍的に伸びた。会長は「俺はお前を2代目にするために幼いころから仕込んできた」といい、57歳の時に27歳の息子に完全にバトンタッチした。「俺がゼロから作った会社だ、潰しても構わない」と言い切る。素晴らしい。
朝から注文を10時半までに受けて、12時に7万食を送り届けるというシステムに、驚く。朝4時から仕事をするのは、弁当屋では普通なのかもしれないが、昼ごはんの時間にそれだけを届け切るというのがすごい。大田区にある弁当屋さんの徹底した密着型で、東京丸の内などの昼食難民を見抜いての積極果敢な企業攻略。一食500円で、日替わり弁当だけで年商70億円。高い精度の需要予測と独自のシステム構築により、平均廃棄ロス率が0.1%。無駄を徹底排除、仕入れ原価率50%で取り組む。弁当箱はリターナブルでエコに徹する。
社長は、徹底してコミュニケーションを図る。弁当から未来を語る。スタッフに「こころの灯火」を灯すことに力を注ぐ。とにかく信用を基本とする。
本書は、2018年に出版されたが、2018年以降のことが加筆されて、よりこの経営者の真髄が表現される。2020年4月に緊急事態宣言が出され、コロナ禍で在宅勤務となり、売り上げが激減。赤字になった。さらに2020年8月に150人ほどに食中毒事件を起こした。ダブルパンチである。食中毒事件を起こした際の迅で的確な対応。すごい。その中にあっても企業として復調する。2022年10月には黒字化した。玉子屋ガンバレというメッセージがSNSにあふれたという。
成功ばかりでなく、失敗があることによって、よりたくましい企業になっている。
事業に失敗するコツ。旧来の方法が一番良いと信じていること。ひまがないと言って本を読まぬこと。どうにかなると考えていること。良いものは黙っていても売れると安心していること。高い給料は出せないと言って人を安く使うこと。お客様はわがまますぎると考えること。そんなことはできないと改善せぬこと。いやはや。ズバリ、その通りだ。常に前を向いて、進化し続けるしか企業は成り立たない。
#菅原勇一郎 #菅原勇継 #玉子屋 続きを読む投稿日:2023.11.23
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