死者に語る ――弔辞の社会学
副田義也(著)
/ちくま新書
作品情報
人が死んだとき、残された者は、去っていった者にどのような言葉をおくるのか。弔辞はまず、なによりも弔辞を読む人間による文章作品である。しかし、そこにあらわれるのは、故人の人柄、故人への思いだけではない。それは短い伝記であり、短い現代史でもある。また、「死者」の存在をどのように扱うか、という文化的な問題をうかがうにも好個の資料である。政治家・経営者・宗教家・文学者などの弔辞を精緻に読み解き、「日本人の死生観」を捉えなおす論考。
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商品情報
- シリーズ
- 死者に語る ――弔辞の社会学
- 著者
- 副田義也
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2003.12.08
- Reader Store発売日
- 2014.12.23
- ファイルサイズ
- 1.6MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
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「弔辞」を述べる、ということが世界のどこの葬儀でも、行われていると思っていた。改めて、葬儀と密接な「死者の魂」の存在のあり方、つまり宗教によって、「死者に語る」という弔辞が普遍的なことではないことに気…づかされた。
つまり、死んだら「神に召された」罪ある神の子とされ、偶像崇拝を禁じているキリスト教にあっては、死者の生前の功績を讃えたりすることが教義に反する行為であり、許されるとして葬儀に参列した人たちを語る対象とする「会衆型」のものだ、と。それでも、カトリックとプロテスタント、また無教会派の間にそれぞれのニュアンスの違いがある、とも。
死んでもなお死者の「霊魂」がまだ遠くへゆかず、生きている人たちの声が聞こえ、理解することができる、という死者観が「弔辞」という形の前提にあるのだ、と。続きを読む投稿日:2016.06.04
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