創られた「日本の心」神話~「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史~
輪島裕介(著)
/光文社新書
作品情報
「目からウロコ」「衝撃的」「出色」と各界から絶賛の嵐!2011年度サントリー学芸賞受賞!(芸術・文学部門)。2011年度国際ポピュラー音楽学会賞(非英語部門)受賞、2011年新書大賞10位。明治・大正期の自由民権運動の中で現れ、昭和初期に衰退した「演歌」。これが60年代後半に別な文脈で復興し、「真正な日本の文化」とみなされるようになった過程と意味を、膨大な資料と具体例をもとに解き明かす。【光文社新書】
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この作品のレビュー
平均 4.1 (23件のレビュー)
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演歌を創ったのは五木さんだったのだ!
ひろしではありません。寛之の方です。本を読むとわかります。
さてその内容は、タイトルの副題の通りです。
「美空ひばりは演歌歌手なのか?」冒頭のこの「はじめに」を読むだけでも大変興味深い物がありま…すが、全体としては、流行歌、歌謡曲、J-POPを解説しつつ、膨大な文献資料をもとに論じた一つの日本文化論であります。
まず、第一部において、歴史が語られます。明治、大正時代からの話は、その曲を知らなくても十分楽しめました。それに、ついこの前まで存在していたレコード業界の決まり事?のような裏話もなかなか面白かったです。そして、第二部から、所謂「演歌」ってなんだ?という核心に迫っていきます。最後の章は「昭和歌謡の死と再生」というタイトルで、阿久悠の死去の影響を語ります。
私は昭和34年生まれでありますが、特に、1970年代以降の歌謡史は、懐かしい名前、懐かしい曲がバンバン出てきてとても興味深く読ませて頂きました。たしかにあの頃、演歌なんていう単語はなかったし、美空ひばりが神格化されていたという意識もありません。
また、「演歌」の音楽的スタイルは、日本的、伝統的なものばかりではありませんし、うらぶれた酒場を舞台とし、どうしようもない男と耐える女を歌えば演歌というわけでもありませんよね。確かに、高度成長期に取り残された人々の鬱積が、今日の「演歌」というイメージを作り上げたのかもしれません。
では、今後ますます広がってゆくであろう格差社会の中で、人々は何にはけ口を求めていくのか?これも興味深いところでありますが、ニューミュージックがいつの間にやらJ-POPと呼ばれるようになったのと同様、演歌という単語もいずれ死語にになっていくのかもという指摘も、なるほどと納得できるものでした。
一方、アメリカにはジャズ、フランスにはシャンソンがあるように、日本には艶歌があると、北島三郎が言ったという話がありますが、この本を読むと、何故、世界では「演歌」が認知されないのかわかる気がします。おそらくそれは、ジャズもシャンソンもカンツォーネもタンゴもラテンも、そして日本の民謡や童歌も、すべて網羅されてチャンプルされた楽曲だったからではないのでしょうか。これも、日本人の文化を象徴しているのかもしれません。ただ言えることは、一つの楽曲を聴いて、「演歌だねぇ。」と思ったとき、理屈では言えないけど、我々世代では暗黙の了解ができるのもまた、事実なのであります。
ぬるめの燗酒とあぶったイカとくれば、BGMは演歌でしょう、ねぇご同輩!
続きを読む投稿日:2014.12.23
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非常に興味深い内容でした。
著者とは同世代ということもあり、演歌、歌謡曲、Jpopの変遷について、なるほどとうなりながら読みました。
かなり大胆な主張にも思えますが、それを裏付ける丹念な調査をされてい…るところが凄いなと。続きを読む投稿日:2024.04.02
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