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塩谷舞 / 文春文庫 (2件のレビュー)
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せいまる
大学2年生になって忙しさと焦りから毎日いっぱいいっぱいな日々。 もうダメだってなりながら本を読む気力すらないけど、現実逃避したくて久々に手にとってみたエッセイ本。タイトルの「ここじゃない世界に行きたか…った」っていう言葉がすっと心に沁み込んできた。 夜型のわたしには、同じく夜型らしい塩谷さんの描く文章がとても心地よかった。 自分と重なる部分、自分とは少し違う考え方、彼女の紡ぐ想いや言葉に触れて今自分に見えてる世界がいかに一部であるか知れたような気がする。 色んな考え方を持った人がいるこの世界で、その全てを理解して肯定することはできなくても、やみくもに否定することなく、そっと「こんな考え方もあるんだな」と受け入れられる器を持っていたい。それから理解できないことを理解できる成熟さも。 〜〜〜 私たちは「ここじゃない世界に行きたい」といまいる場所から離れてしまいたくもなるけれど、その遠い場所では結局、別の現実の中で人々が懸命に生きている。 けれども「努力が実を結ぶのは自分の実力」という考えそのものが、自分がマジョリティ側だからこその特権でもあったのだ。それを知るだけの想像力は、持ち合わせていなかった。 世界が鮮やかであることを忘れないために、自分とは色の異なる友人を大切にしたい。いま見えている色だけではなく、できれば育った環境も含めて。 良いことでは飯が食えない、だなんてつまらない一般論には、さっさと終止符を打たなきゃいけないのだ。 もっとも、警鐘のサイレンが鳴り続ける中で、夢から醒めないでいるほうがむずかしい。続きを読む
投稿日:2024.05.17
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投稿日:2024.04.16
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