【感想】こまどりたちが歌うなら

寺地はるな / 集英社文芸単行本
(42件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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ブクログレビュー

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  • ふう(ナオ)

    ふう(ナオ)

    茉子は親戚が営む製菓会社「吉成製菓」に転職。
    社長の伸吾から請われ入社したので「コネの子」と呼ばれる。

    インタビューで
    「古い体質の会社に入ってそれを変えていく物語は痛快ではあります。
    最初はわかりやすい話を目指していた」
    ただ、ご自身の体験から変えることの難しさを感じ茉子に重ねたと。
    なるほど。
    読みはじめ、茉子がクセのある会社の人たちと戦い
    ともにスカッとするのだろうと思っていた。
    読者の私は、そちらを期待した。
    でも、悪の塊のような上司にしても
    その一面だけでなく、いろいろな顔を持っている。

    物語としてはリアルすぎて茉子に共感しにくかったが
    社長の伸吾の気の弱さに(がんばれ)と応援したくなった。
    読者それぞれに贔屓の人物がいるような気がする。
    読んでいる間は和菓子を思い浮かべ物語の世界に浸った。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.19

  • full3

    full3

    親戚が経営する製菓会社に転職した茉子。古い社則や人間関係に辟易する。

    テーマが何だか分かりにくいが、現代的なお仕事小説なんだろうと思う。面白いのかそうでないのか、判別しにくい・・・

    投稿日:2024.05.19

  • ぴあ野

    ぴあ野

    →「和菓子の時間~島根の旅5」
    https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/3e352853d05d4dfd0a75bf2ae9b9f98a

    投稿日:2024.05.18

  • tece

    tece

    可愛らしい装丁のイメージとは全然違った人間関係って本当に難しいがテーマ。ずっとモヤモヤしながら読んでいた。
    社長がパワハラ社員を庇う理由、パワハラおじさんが母親を介護する理由、会長が社長を過保護に扱う理由、パート社員が理不尽を受け入れる理由。みんなそれぞれの思いがわかったら、モヤモヤがちょっと晴れた。
    主人公の名前が上から読んでも下から読んでもはウマイと笑えた。善哉との恋愛は微笑ましかった。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.16

  • shifu0523

    shifu0523

    前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、味方が欲しいという親戚の伸吾に頼まれて、伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。

    茉子が触媒となって、物事が動く。正論を言う人を疎む人は、結局自分の首を絞めていることにいい加減気づいてほしい。といっても、茉子は正義の味方でもなければ、特別優秀なわけでもない。等身大の働く人が、ふつうに意見を言える社会が生きやすい社会だろう。
    彼女自身、迷いながらそのときそのときできることをやっている。後悔もあれば、他人を責めることもある。

    パワハラ社員や事なかれ主義の人、心の弱い人…… それぞれに背景がある。そして一人一人が今いるところから一歩踏み出していくさまが描かれている。そこには周囲との関わりがある。
    こうだったら息がしやすいなと思える終わり方で、読後感がいい。


    真っ当に育てられた人、真っ当に育った人が嫉妬される社会はおかしい。被害者意識をもったり、怠慢を世間知にすり替えたりしていては、何も変わらない。そう思って声を上げてくれる人がいるから、環境がよくなるのに。自分ができないことをしている人を羨んで、足を引っ張ることはしたくないものだ。
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    投稿日:2024.05.14

  • maomao

    maomao

    良かったです。
    製菓会社へ転職した茉子。
    いろいろなタイプ・経歴をもつ人と一緒に働くなかで、見えないルールにモヤモヤする彼女に自分を重ねながら読んでいました。

    人間関係やルールなど小さな違和感・不快感を感じることって普通にある。
    「今までずっとこうやってきたから」
    これホント多い。おかしいと感じながら、黙って受け入れることに対するモヤモヤ…。

    あります!私も茉子と同じで対応はするけど「何で?」って誰かに聞いてしまう。
    だけど、それぞれの理由で我慢して受けいれてる人が多いと思う。伝えようとしても“対話が出来ない人”もいるし、自分に辞めたくない事情もあるから。

    読みながらあちこちで文章がグサグサ刺さりました。
    自分では言葉にしにくい心理描写や鋭い視点は、さすが寺地さんだと改めて感じました。
    ストーリーに引き込まれ、清々しい気持ちで読了。
    そして、読後はやっぱり和菓子が食べたくなった。

    作中、実話をもとにしたNASAで働く黒人女性たちの映画「ドリーム」のセリフの引用がありましたが、私の大好きな作品で強く心に残っている言葉です。


    『前列がない場所では、自分が前列になるしかない』

    『みんな、勝手に他人に期待する。そのすべてをいちいち抱えてたら、いつかはその重さに耐えきれなくなる時がくる。他人の期待を自分の義務にしてはいけない。』

    『だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。』
    続きを読む

    投稿日:2024.05.12

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