【感想】完 子どもへのまなざし

佐々木正美, 山脇百合子 / 福音館書店
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
12
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ブクログレビュー

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  • shi0ry

    shi0ry

    3部作の最終巻。最後まで読んでよかった。

    母親的なもの、父親的なもの、の話が深い。父性が、しつけや、社会的規範を教えること、勉強しなさい等と言うことを指し、母性は、しなくてもいいんだよ、等とありのままを受け入れる愛情を指す。
    近年、おままごとで、お母さんをうまく演じる子どもが減り、家庭においてお父さんの存在感が薄くなっている傾向があるとか。そんな時に、お父さんがいない=父性が家庭から消えてしまうのかというと、そうではなく、お母さんが代わりに父性も担う必要がでてくるため、母性が先に消えてしまうのだという。

    また、メモしておきたいのは、親としての喜びについて。親の喜びは二つあり、①こどもの将来に期待すること、②こどもを幸福にすること、だと。ただし①は、こどもの将来を考えているということは、”こうなって欲しい”という態度、すなわち”今のあなたに満足していない”というメッセージになってしまう。こどもにとっては、今幸せなことが将来への希望につながるわけだから、もっと②だけを求めてもいいのではないか。

    こどもに望まれるように愛する親になろう、ということかと。

    また、後半で半分以上は発達障害について語られるが、なによりも周囲の理解が必要なことがわかり、当事者たちの大変さが心に沁みる。発達障害の親の喜びは、②が中心になるのであり、親の理解と努力が不可欠なようだ。
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    投稿日:2024.03.29

  • kaz.f

    kaz.f

    2017年に亡くなられた著者の書いた本なので少し解釈や背景は古めだが、総じて温かい目線で子育てについて書かれている。
    後半以降は発達障害の記述が多い。1歳半検診時に子どもの発達障害を認めたくない親が普通の子どもとして育ててしまう事例は印象に残った。これまで根拠も無いのに言葉が遅い子の親に「大丈夫、大丈夫」なんて何度も言ってしまってた。反省。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • さくら

    さくら

    カリスマ児童精神科医による子育て本の完結編。

    昨今社会問題になっている、引きこもり、オレオレ詐欺、虐待、不登校、イジメ問題などに焦点をあてる。

    家庭外(職場、地域、親戚など)の人間関係が良好でない人ほど家庭内でも問題を抱えているケースが多いと著者は指摘する。
    家族は1番近い他人のため、家族とうまくいっていない人は、外での人間関係もうまくいかない傾向にある。

    子供は母親と話している時が最も前頭前野が活発になる。前頭前野の働きは発達に欠かせない。
    また、大人の場合でも電話で話すより対面で話す方が前頭前野が活発になることが分かっている。

    愛の始まりは家庭から。マザーテレサの言葉。

    よくぞ生まれてきてくれたという気持ちを忘れずに子育てをすること。
    子供というのは、3歳までに親孝行をしてしまう。それほどまでにその存在自体が愛おしくて可愛くて幸せを与えてくれる。
    子育てのキーワードは、自分を好きになれる子に育てること。

    子供を幸せにする喜び以上に親にとっての大きな喜びなどない。これは障害がある子供でも一緒のこと。
    自閉症の子供は、子供の方からこちらに歩み寄ることはできないから、こちらから子供に歩み寄る必要がある。

    自閉症などの発達障害があるから犯罪を犯しやすいというわけではない。障害があってもなくても、家庭に居場所がない子ほど犯罪を犯しやすい。

    発達障害の子供にとって厄介なのは、無理解なのに熱心な人。理解できないなら、むしろ支援をする必要はない。

    著者の人間性がとてもよく表れているシリーズ本だったと思う。
    子供に過剰な期待、干渉をしないこと。徹底的に甘やかして要求に応えること。
    怒鳴ったり叱ったりしないこと。大人の都合を押しつけないこと。
    子供がまだ生まれたばかりのこの時期に読めて本当に良かった。
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    投稿日:2023.10.26

  • chellkari323

    chellkari323

    今読んでも参考になります。著者の鋭く優しいまなざしに
    敬意を覚えます。機会があればまた読み返すでしょう。

    投稿日:2023.03.30

  • なな

    なな

    このレビューはネタバレを含みます

    3巻目。
    自閉症など子どもの発達障害について、その研究の歴史や日本のことなど、とても勉強になった。また、著者自身の背景が最後に心に残った。
    1巻でもそうだったが、自分自身の心との向き合い方、生きにくさを感じている人や子どもへのかかわり方について、深い気づきを得られる。
    とても心がおだやかになる。折にふれてこの本にふれていきたい。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.07.30

  • なつほんこん

    なつほんこん

    このレビューはネタバレを含みます

    ❁3歳まで子が望むまで愛すこと
    ❁愛されることで自信をつけていく
    ❁揺るがない信頼感が一番大事
    ❁個人主義その線引きが難しい
    ❁喜びや悲しみを共に分かち合う
    ❁赤ちゃんと笑顔で喜び分かち合う
    ❁親の期待押し付け望むはいけません
    ❁自分自身好きだと思える大人に
    ❁様々な他者から愛情を
    ❁自閉症実状正しく理解した
    ❁分かち合うことで得られるのが幸福
    ❁シリーズの他の本も読んでみたい

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    投稿日:2020.06.08

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