【感想】友達・棒になった男(新潮文庫)

安部公房 / 新潮文庫
(44件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
5
18
13
3
0

ブクログレビュー

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  • wadahiro

    wadahiro

    WOWOWで観た演劇がインパクトあったので原作を読了。
    阿部工房の戯曲集。友達のゾワゾワした感覚は今の時代でも。SNSも連帯感みたいなものだもんな。
    異常な状況や設定をすんなりと受け入れて話にのめり込めてしまうのは流石の名作。続きを読む

    投稿日:2024.05.12

  • rio

    rio

    ピースの又吉さんが紹介していたり、至る所で安部公房の名を目にするから読んでみた。
    安部公房をみんなが天才と言いたくなる気持ちはわかった。
    いわゆる戯曲というものを初めて読んだ。いい経験

    投稿日:2024.03.07

  • ミナズキ

    ミナズキ

    [感想]
    『友達』のなんだかわからない世界観に強引に引き込んでいく安部公房の描写力、会話力がすごい。
    『棒になった男』の棒とは何か?観客に向けて棒の森と言っているので、現代社会に生きる人々=棒と言っているのか、決まりきった考え方で生き死んでいく人々のことを棒と言っているのか様々な考察ができる作品なっていた。続きを読む

    投稿日:2024.01.20

  • しんめん

    しんめん


    『棒になった男』のシュールさ、『友達』の理不尽さ、『榎本武揚』のコミカルな会話劇と、バランスよく安部公房的作品が入った充実の1冊。

    投稿日:2022.09.27

  • transcendental

    transcendental

    安部公房の戯曲集。

    □ 「友達」(1967年)

    トモダチ、つながり、共有、共生、協働、共同体。切断=孤独からの疎外、接続=関係への疎外。現代はコミュニケーションに包囲されている。あたかも、「断片化」され尽くした諸個人がその失われた「全体性」を回復する回路であるかのような顔をして、そしてそれは結局のところ資本にとって都合のいい消費に結びつけられ「断片化」が一層推し進められるだけでしかないにも関わらず。コミュニケーションの総体は個々人の境界接面を曖昧にし、一旦緩急あれば途端に個人を超えた匿名多数の意志を暴力的に体現しはじめるだろう。それは匿名多数といいながら、必ず特定の政治性を帯びている。コミュニケーションの全体主義。無意識のうちに自分自身がこの全体主義に参画し加担してしまっているかもしれない、という自己懐疑で自分の良識を確認しようとしている、当の者たちによって担われている全体主義。

    いま痛切に足りないのは、無表象のなかで独りで在ることではないか。「全体性」だとか「断片化」だとかいう観念それ自体が、コミュニケーションの喧騒の中でコミュニケーションにとっての自己都合で捏造されたものでしかない、と気づかされるかもしれない。孤独は生の根源的無意味を露わにする。それに耐えられない者たちが、その空虚を補填しようと、コミュニケーションのなかで猥雑な物語を喋りだす。

    「早く分ってほしいな。孤独が、どんなに嫌なものか……私たちと一緒にいることがどんなに倖せなことか……」(p36)。

    「ねえ、ぼくはこうして、ちゃんと戻って来たんだよ、みんなのところに……お互いに信じ合えるということが、どんなに素晴らしいことか……信じ合った者どうしで、暮すことが、どんなに倖せなことか……あの他人ばっかりの恐ろしい世界から戻って来て、痛いほど思い知らされたんだ……みんなを裏切るだなんて、よしてくれよ。こうして手をとり合っていることが、ぼくにとっては、もはや唯一の生きがいなんだからね」(p47)。

    □ 「鞄」(1969年)

    情況の中心にある空虚、その空虚によって統御されている情況。

    □ 「棒になった男」(1969年)

    機能を超えた「精神」だとか「人間性」だとか「全体性」だとかいう観念を、素朴に信じていた人間、あるいは懐疑のうちにも信じようとしていた人間が、ついに自己の内なる根源的無意味に、自己自身が実は何者でもないという事態に、則ち実存に、覚醒してしまった姿か。そこではもはや「断片化」という自己認識自体が不可能であるかのような。

    「人間の、見せかけの形に、つい迷わされてしまうんだな。しかし、棒はもともと、生きている時から棒だったってことが分ってしまえば……」(p180)。

    「おれは、一度だって、満足だったことなんぞありゃしないぞ。しかし、いったい、棒以外の何になればいいって言うんだ。この世で、確実に拾ってもらえるものと言やあ、けっきょく棒だけじゃないか!」(p181)。

    「(進み出て、客席をぐるりと指さし)見たまえ、君をとりまく、この棒の森……もっと違った棒にはなりたくても、棒以外の何かになりたいなどとは、一度も思ったことのない、この罪なき人々……裁かれることもなければ、罰せられる気づかいもない、棒仲間……」(p182)。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.07

  • も

    友達だけ読み終わった。めっちゃ怖い。よくわからない善意みたいなのをゴリゴリ押し付けてくる感じ。
    自分の近くにこういうのある気がする。世間体かな?

    投稿日:2021.09.20

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