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安部公房 / 新潮文庫 (41件のレビュー)
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あぱっち
社会革命の縮図の中で各人の思惑が多角的に照らされている。枠組みを変革するという目的が権実世界の中でその枠組みの中で規定されてしまう。
投稿日:2024.05.04
ミイ
このレビューはネタバレを含みます
既得権益者が政治経済を牛耳っている田舎町で、地熱発電所を建設して革命を起こそうという男とその同盟者?たちの物語。 革命といいつつ、地熱発電の掘削場所探索の原理は胡散臭く、革命の思想はあやふや。男一人のドタバタ劇のようになり、結局は精神異常者と扱われてしまう。 閉塞感のある組織に不満があるとき、権力を持たない者が一人でジタバタしてもうまくいかない、みたいなよくありそうな話で哀しい。 口の重しには墓石と重い財布。
投稿日:2024.03.30
katokicchan
安部公房の小説は、不条理とアイロニーと現実とのはざまでストーリーが揺れ動いて、話は面白いのだけど、大変難解な作品が多いとの印象を持っている。この作品はかなりわかりやすいと思うのだけど、それでも、全体を眺めると、大きなテーマが小さな世界に織り込まれていて、読み解くのは大変そうと思った。小説の舞台はスケールも小さく、舞台をみているようなドタバタ劇もあるんだけど、ストーリーを追うだけでは見えないものがいっぱいありそうな感じ。戦後の時期に隆興した現代文学の中でも、異彩を放っていると思う。 以前、未読主要作品のまとめ買いをしたので、時折挑戦したいと思う。
投稿日:2023.08.04
dipnoi
全部おもしろい。 “まったく、現実ほど、非現実的なものはない。この町自体が、まさに一つの巨大な病棟だ。”
投稿日:2023.03.30
莨
自分達を不幸にする社会構造をひっくり返すという目的のために存在していた筈の手段が、目的へとすり替わっていく。 最近も頻繁に見かける類の狂気かと思う、元は高い使命意識を持っていたであろう人々が、目的と手…段を履き違えて頓珍漢な声を荒げ、白い目で見られる様は。 そしてその活動すら、金持ちの金稼ぎに利用される様も、どこかで見覚えがあるなと思ってしまうのは穿った考え方だろうか。 花井が革命に執着する気持ちはなんとなく分かる。 飼い慣らされている、誰かに人生を掌握されているという、八方塞がりで前進も後退もしないことへの焦燥感だろうか。 現状に甘んじていた方が楽であるにも関わらず、それでも八方塞がりからの脱出を試みる、これだけでは異常でも狂気でもないのだが…読後感には徒労感が付き纏う。続きを読む
投稿日:2022.04.23
のっぴ
花園という地名のよそ者には厳しい、とある田舎町。そこで町の権力者に対抗し、地熱発電の開発を目指す孤独でよそ者の集まり飢餓同盟が結成。同盟の代表者、花井は奔走するがメンバーは次々抜けていき、地熱発電の成…果も権力者に横取りされてしまう。町自体が狂ったように描かれていた最後の場面が印象に残った。続きを読む
投稿日:2021.08.16
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