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上田岳弘 / 文春e-book (9件のレビュー)
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総合評価:
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ストレンジャー
このレビューはネタバレを含みます
非常に面白かった。すごく現代的な仕事として、すっかり定着したウーバーイーツの配達員の主人公が、これまた現代的な人との距離感覚を持ち、なんかいい。 分量も少なくページ数も150ってとこだが 様々なテーマが詰め込まれている。マルクス、優勢思想、空白の30年。そして、著者の哲学が若干の暑苦しさを伴い、しかし個人的には適温くらいか?オーディオブックを聴きながら配達する主人公が聴いているのがカフカというのがまたよく似合う。 カフカの審判には物語に入らない、余りが差し込まれているそうだ。(未読) そしてこのK+ICOにも、それはある。
投稿日:2024.04.22
ユウタ
1つの事から何を学ぶか。そして、その先の延長線上に何を選ぶかを教えてくれる小説。 ウーバーイーツ配達員のKがなぜ配達を選んだのか。 その先に何を見据えてこの仕事を選んだのか。 世間的に、仕事によって…は、悲しいですが見下されたりする仕事もあります。 その中でも先を見据えて仕事を選ぶことの大切さを教えてもらった気がします。 今の仕事の延長線上にどのような選択肢があるのか。 今一度考えるきっかけになりました。続きを読む
投稿日:2024.04.10
tamasa85
ウーバーイーツ配達員K、 TikTokerのICO、 子どものk。 今の社会に対する鬱憤のようなものはあっても、 それぞれが、たくましく生きようとしている姿。 特にK+kの章が好き! kもKのように強く生きられますようにと願った。
投稿日:2024.04.01
匿名
ウーバーイーツ配達員の文芸流行ってるのかなぁ、と表象について思いを馳せてしまった。見下すものと見下されるもの、金が全てだと思うもの、唐突な流血、心に残るかと言うとどうかな……という気持ち。この作家にはより面白い作品があるからこそ、少し物足りない気持ちになってしまった。
投稿日:2024.03.31
湖永
大学生のKは、ウーバーイーツの配達員のバイトをしている。 女子大生であるICOは、Tik Tokerで稼いでいる。 この2人の心のなかを覗いてみたら… 最近だからこそのバイトだなと感じた。 私の時代…にはバイトに選択肢があまりなく…(田舎だからかもしれないが) だが考えていることにそう開きはないかもしれないと思った。 ひとりで動くバイトだから孤独を感じて、いろいろな空想をしてしまいがち…だがひょんなことから誰かと繋がるきっかけが生まれる。 それで新たな自分と向き合うのかもしれない。 続きを読む
投稿日:2024.03.22
Tomoyuki
Uber eats使ってますか?TikTokやってますか? Uber配達員の彼は、TikTokerの彼女は、世界に何を見る。これは若者の苦悩を描いた、現代のプロレタリアート小説。 … 三人称一元視点で語られ、文章は淡々として抑揚がない。 大学生でありTikTokで自分を切り売りしてお金を稼ぐICO(イコ)。彼女は現代的価値観に侵されている。 資本主義システムに組み込まれ、自分より恵まれた存在をねたみ、下位を見くだす。 彼女はそんな自分を呪いつつ、世界を生きる。 ICOは「アイコン」であり、つまりは現代人のメタファーか。 大学生でありUber配達員をしているK(ケー)。 ICOは配達に来たKを見下し、こう言い放つ。 「資本主義社会の末端じゃないですか。搾取されるだけの存在。」 しかし、心までシステムに組み込まれないKに、そんな言葉は届かない。 彼にはイデア(理想)があり、自分と他人を比較しない。大切で必要なことだけにフォーカスしているから。 そして——、彼らに何が起こるのか。 あなたは「どんな人間」になりたいですか? われわれは孤独である。と同時に孤独ではない。 なぜなら———。続きを読む
投稿日:2024.03.20
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