【感想】板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

原田マハ / 幻冬舎単行本
(54件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
20
23
6
1
0

ブクログレビュー

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  • tundokusuki

    tundokusuki

    お恥ずかしいながらこの作品を読むまで、あまり宗方先生のことは存じあげなかった。
    いつかその作品を見てみたいと思う。
    とりあえず奥さんが凄すぎて、宗方先生も好き勝手やってるように思えて、ちゃんと尊敬する人の助言には耳を貸したりしてるところいいね。そしてようやく幸せになったと思ったら、全てを奪う戦争は本当に嫌だ。続きを読む

    投稿日:2024.05.05

  • もん

    もん

    今回も面白かった!

    小2のマハさんがTVドラマで渥美清さんが演じる棟方とその妻の変な夫婦っぷりを観たのが最初の出会い。フィクションが90%、という作品もあるとのことだが、毎回どっぷりとそのマハマジックに浸かり、今回は棟方志功、世界のムナカタを知れた!

    妻のチヤの視点で描かれる棟方、愛してやまない唯一無二の存在。「ワぁ、ゴッホになる!」とひまわりを壁に貼り、版画ではなく「板画」と名づけ、目が弱いから体全体で覆い被さるように製作をする。

    友人イトの家で初めて出会った棟方、その後また偶然にも弘前のデパートで再会。そして新聞に公開ラブレターをもらい、結婚。とはいえ善知鳥神社うとうさま、の前で誓っただけ。子どもを身籠り職業婦人として弘前市へ勤めていたのもやめて、実家の青森に出戻り。

    1年半が過ぎ、我慢ならんと、子どもを連れて東京へおしかけるチヤ。夜な夜な墨を磨るチヤに守られ、貧困の中、製作を続け…
    長男巴里爾ぱりじの里帰り出産後、ミシンを片手にまた東京へ。間借りしていた友人の松木の家を出て初めて4人で暮らす長屋へ。掃除をし、整え、棟方の仕事を支えるチヤ。

    ある日の偶然で、白樺の創刊者、柳宗悦と濱田庄司に出会い、自分の版画を認められる。そして開設される日本民藝館の収蔵品として作品を高額で購入される。河井寛次郎他、知識人を紹介され、中でも閣僚の、水田良一から世界が広がり次々に創作していく。

    戦火を免れ、なんとか持ち出した板木の数枚、買い付けた濱田の作品など。戦後はブラジルに出展の機会を得て最優秀賞を受賞、ヴェネチア ビエンナーレでも大賞を得て世界のムナカタに…

    版画が油絵より下に見られていたとか、柳の紹介するゴッホがなによりも最初だったことなど、知らなかった。
    改めて大和し美し、壮大な絵巻物を見に日本民藝館へ再訪したい。


    民藝の美は、無心の美、自然の美、健康の美。
    ずば抜けて個性的であり、西洋画に微塵も追従しておらず、他人の評価などまったく気にしていない無鉄砲さ…それでいて卓越した手技と緻密な構成も兼ね供えていた。 油絵よりも格下、既成概念を覆す白八年もがき続けた。 p. 160


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    投稿日:2024.05.04

  • nhosan

    nhosan

    原田マハマジックで
    この作品も棟方志功に詳しくない私には
    こんな生涯を生き抜いた方なんだと
    魅力のある人物として刷り込んでくれました

    棟方志功を世界の棟方に向かう道筋に
    民藝が関係(かなり重要ポイント)だった
    それは不勉強すぎて知らなかったです。。。

    ドラマチックすぎる感じですが
    だからそんなに棟方志功を知らなくても
    読み終えることができると思います
    続きを読む

    投稿日:2024.05.03

  • ykeiko

    ykeiko

    棟方志功の板画家としての生涯を妻チヤから語っている。
    板画家として認められる迄は貧乏のどん底で、認められてからは、いかに板画に純朴に取り組んだか、棟方志功の熱い想いがひしひしと伝わってくる。
    チヤが妻として夫と一緒に歩んできた幸せを感じられる様な読後感。続きを読む

    投稿日:2024.05.02

  • マルガリータ

    マルガリータ

    彫る人の心が宿る。表紙を眺め、棟方志功という人間を感じた。弱視を物ともせず、一途にゴッホ目指して突き進む志功。彼を信じて献身的に支える同郷の妻、チヤ。夫婦の息が合った津軽弁が、日常の辛苦や緊張を希釈する。芸術家は強いと感じ入った。続きを読む

    投稿日:2024.04.30

  • まつ

    まつ

    このレビューはネタバレを含みます

    何かを成し遂げる人は、他のもの全てを捨てるくらいでないといけない、というくらい、棟方志功は真っ直ぐに板画と向き合った人だったんだな。そして奥さんのチヤも本当にすごい。
    大抵何かを成し遂げる人の側にはそれを支える誰かがいるけれど、棟方を信じて、極貧生活を乗り越えてここまで支えられる人がいるだろうか。
    この作品を通して棟方志功という人物を初めて知ったけど、この方は生きているうちに評価されて、最後に神と崇めるほどのゴッホの墓前にも行くことができて本当に良かったと思う。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.29

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