【感想】新・幕末史 グローバル・ヒストリーで読み解く列強vs.日本

NHKスペシャル取材班 / 幻冬舎新書
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 4.6
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ブクログレビュー

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  • Yukirobbinson

    Yukirobbinson

    幕末の動乱、戊辰戦争をイギリスとロシアの対立構造を中心に列強国の思惑という目線で分析、描かれており面白かった。新政府を勝たせたのはイギリスだった(パークスだった)と言っても過言ではない。

    投稿日:2024.04.23

  • 1527439番目の読書家

    1527439番目の読書家

    幕末の日本を世界的に視点から俯瞰して説明している。
    イギリス、フランスの介入は知っていたが、南下政策を目論むロシアに加えて鉄の宰相ビスマルク擁するプロイセンも絡んでいたとは知らなかった。
    単純に薩長対幕府と見ていたが、イギリスを中心とした世界のグレートゲームとしての視点は非常に興味深くて今までの認識を大きく変えた。4.2
    個人的には日本史としての幕末史を読んでからの方がより視野が広がって良いと思った。
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    投稿日:2024.04.22

  • 千葉経済大学総合図書館

    千葉経済大学総合図書館

    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10276533

    投稿日:2024.04.09

  • DJ Charlie

    DJ Charlie

    かなり興味深い内容で、読み進めていて「そして如何なる?」と「続き」が凄く気になり、頁を繰る手が停め難くなった。結局素早く読了に至り、非常に満たされたような感覚に包まれる。
    「幕末の歴史」というような事柄には高い関心を寄せている。色々な意味で興味深い事柄だと思う。本書はその「幕末の歴史」に関して、「多少新しい視点」を持ち込んで語ろうとしている。そしてそれが、読み易い感じに巧く纏まっている。新しい知見を広く伝えるというような「新書らしさ」が色濃いとも思う。
    本書はテレビ放映等に供する映像コンテンツの制作に向けた取材を基礎としている。
    「幕末の歴史」とでも言う場合、それは「日本国内での出来事」或いは「国内の物語」というように感じられるかもしれない。が、19世紀の半ば、1850年代から1860年代というのは「欧米列強が競い合った時代」でもあり、その時期の事柄である「幕末の歴史」というのは「諸外国の様々な活動の経過」という性質も少なからず帯びている筈だ。
    そういう訳で本書では、「日本国内での」という捉え方を「ナショナル・ヒストリー」とし、それに半ば対峙するような「競い合う国々の動きの一環としての側面」を少し重視する「グローバル・ヒストリー」という概念を打ち出して、「幕末」を今一度深く考えてみようとしているのである。
    本書では黒船来航や開国の頃から、箱館での戦いで終結する戊辰戦争迄の概ね16年間の様々な出来事が論じられている。それらを論じる際に、「グローバル・ヒストリー」という概念に則り、外国に在る種々の史料も駆使して考察している。様々な国々の政府機関や民間に伝えられている古い文書等を紐解いている訳だ。
    加えて、幕末には「戦い」という要素が大きいが、急速に新兵器がもたらされて実戦使用されたというような経過も目立つ。そういうことに鑑みて、当時の最新のモノと、それ以前のモノとの性能差が「眼で見て判る」というように実験を行い、映像コンテンツ制作向けて、かなり特殊な機材等も駆使して撮影してみた経過も在るようだ。本書に在る、それらに関する説明も非常に興味深い。例えば当時の新型であった「アームストロング砲」と、19世紀初期の大砲との違いや、所謂「北越戦争」で使われたという「ガトリング砲」を復元したモノを駆使した恐るべき威力の実験というようなモノが在った。
    日本の開国ということで、米国が路を切り拓いたかのような感が在る。が、ロシアや英国も日本関係で野心を持っていて、積極的に動こうとしていた。米国が「南北戦争」の故に日本での活動に関して些か後退した感になった頃、活動に積極性を増したのは英国であり、英国に対抗しようとするロシアであった。
    こういうような「各国の競い合い」ということの舞台となった日本という見地で「幕末の歴史」を眺めるとなかなかに興味深い。
    幕末の日本での「各国の競い合い」という中には、「国内の物語」とは「少しだけ角度の異なる物語」というモノも見受けられる。本書に紹介されるそうした「少しだけ角度の異なる物語」も非常に興味深い。
    幕末期に日本で活動した外交官達は、公的な報告のようなモノ、私信、その他の様々なモノを書き遺している。それらを丹念に紐解く中で明かされる各国の思惑、少し驚くような計画が論じられた経過の在ること等が判って興味深い。更に、そういう中には或る程度広く名が知られる日本の人達との対談内容等が詳しい場合も見受けられる。「少し独特な立場と視点とを有する同時代人の人物評」という様子でもあって、非常に興味深い。
    大英帝国の国益のために寧ろ討幕派に近付くパークス、蚕の取引を巡って良好で強固な対日関係を築くべく幕府側に近付くロッシュ、新天地で新たな機会を掴むべく本国政府の想いの先を行くような構想で動く欧州の新興勢力プロイセンのブラントと、各国外交官達の様子が非常に興味深い。
    戊辰戦争の知られている様々な経過だが、或いは「外交団の圧力」というようなモノ、そういうモノを踏まえた情勢分析のようなことをしていた可能性も在る人達の動きというような事柄が存外に大きく影響をしているかもしれないということも、本書では指摘されている。更に、主要国の外交団による協議の場で、外交官達は自身の思惑に近い形に状況を動かそうと、色々と策動しているような様子も見受けられる。こういうような様子も興味深い。
    本書の“あとがき”に「現代と過去との対話」としても「歴史」が在るというような言及も見られる。様々な思惑で動く各国の思惑が交錯する場所で、色々な出来事が起こっている。「日本の幕末」というのも、「人名や事件名や地名や年号を覚えさせられる学校の教科の一部」ということではなく、「示唆に富んだ“対話を試みるべき過去”」として捉えるようにすると、得られるモノが大きいのかもしれないと思った。
    上記で「興味深い」を連呼するような体裁にもなってしまっているが、そういう内容が最初から最後迄溢れているような一冊だと思う。広く御薦めしたい。
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    投稿日:2024.03.16

  • tagutti

    tagutti

    このレビューはネタバレを含みます

    <目次>
    第1章  英露の覇権争いと対馬事件
    第2章  イギリスの対日全面戦争計画と下関戦争
    第3章  マネー・ウォーズと改税約書
    第4章  武器商人の暗躍と幕長戦争
    第5章  英仏露の知られざる攻防と大政奉還
    第6章  列強のパワーゲームと鳥羽・伏見の戦い
    第7章  プロイセンの野望と奥羽越列藩同盟
    第8章  イギリスの逆襲と幻の植民地化計画
    第9章  世界のグレート・ゲームと箱館戦争

    <内容>
    近年欧米から見つかった新しい文書と幕末の動きをつないだ歴史書。幕府と薩長の争いが、列強のパワーゲームの中で、危うい橋を渡りながら、植民地化を免れ、明治時代を作っていったことがわかる。叙述がやや恣意的な部分も見られるが、授業に厚みを加える知識が増えた。

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    投稿日:2024.02.22

  • エス

    エス

    読み始めたときは、難しくてやめようと思ったけど、
    途中から面白く読み切ってしまった。
    幕末の歴史に興味があり坂本龍馬はじめ多くの本を
    読んだけど、それは国内だけの話。
    この本は外国、イギリス、フランス、ロシア、アメリカなどの列強の国益によって形づくられたことが書かれていた。とても興味深かった。
    以前にテレビで放映されたとのこと。
    アマゾンプライムビデオのNHKオンデマンドにはいっているので、見ようと思ったけど現在放映してないとのこと。
    NHKで再放送されるのを期待したい!
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    投稿日:2024.02.13

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