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吉野弘幸, 寺田ケンイチ, 矢立肇, 富野由悠季 / グランドジャンプ むちゃ (1件のレビュー)
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総合評価:
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三千年伯爵
このレビューはネタバレを含みます
1巻を手に取った時はまた宇宙世紀の隙間モノかと食傷気味だったものの、読み始め、ストーリーが進むに連れどんどん面白くなってきた。MS戦が主要な要素ではあるものの、タイトルにもなっているガンダムの名を冠するラストは他のガンダムシリーズの主人公機のようにスーパーな絶対的存在の機体ではなく、それについては前巻とこの巻における連邦の対策を見てもらえればよくわかる。そして、その辺の理屈についてしっかり解説されているのも良い。列車砲や榴弾(徹甲弾ではなく!)と戦う「ガンダム」は新鮮。しかしピーキーにもほどがある。 そんなわけで、等身大の機体による頭脳戦、政争、陰謀などを散りばめた大人のガンダム作品で、これまで読んだものとなかなか毛色の違う面白さ。 この巻から登場した悪そうなイケメンのザビ家親衛隊テオ・グラン少佐(キャラデザ素晴らしい)によりますます陰謀度が高まりさらに面白さが加速する。イセリナ・エッシェンバッハにまつわる陰謀ってのがまた「そうくるか!」ってなるし、主人公の敵なんだけどヒロイン(これはZとかにもおるな)にして自分の部下となるレミア・ラランを精神的に揺さぶるグラン少佐ほんまやばい。その舞台がハリウッドでガルマ・ザビとイセリナの恋愛物(にしてザビ家による国民の戦意高揚作品)観劇っていうまさかのシチュエーション……オサレすぎる。俳優がギレンの演説ぶちあげてるのは笑うが……というかギレンに見られたら大丈夫なんやろかこれ…… とまあ、いろんな要素が詰め込まれて面白さ満載なんやけど、実はストーリーだけではなく作画も良くて、ショートカットヒロインのレミアはかわいいし、そのレミアのバスケシーンのコマ割りや描写、後半カーチェイスにおける臨場感と迫力、レミアのギアチェンジやステアリングとかもう見てるだけでハラハラする良さ。ザク対軽自動車www 作画担当の寺田ケンイチは調べても本作以外特に著作が出ないから新人かもしれんのやけど、完結したらスポーツ物とかガンダム作品以外を描いても上手そうと思った。
投稿日:2024.02.28
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