【感想】NHK 100分 de 名著中江兆民 『三酔人経綸問答』2023年12月【リフロー版】

日本放送協会, NHK出版 / NHK 100分 de 名著
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • workma

    workma

     100分de名著TV番組視聴し、まだオリジナルは読んでませんが…中江兆民て先進的な現代にも通用する思想の持ち主だったのですね…!『名前・自由民権運動・昔の偉い人』という認識しかなく。平田オリザさんの解説を聞いた印象…『対話』とは、『君と僕と意見が違ってもいい』その基盤のもと、『互いの違いを認めた上で、己の考えを自由に言うこと』
    これこれ!(゚∀゚)キタコレ!!
    江戸後期〜明治時代に生きた中江兆民さん!すごいよ、中江兆民さん!ハァハァ…。(;´Д`)ハァハァ
    すみません、中江兆民の思想にシビレてしまい…興奮してしまいました(^_^;)。
     現代でも、『対話』がちゃんとできてるかどうかあやしい。まずは、中江兆民の本をちゃんと読んで、身につけて、真似できるところは真似して日々実行できるようにがんばろう。
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    投稿日:2024.01.10

  • ☆ベルガモット☆

    ☆ベルガモット☆

    中江兆民は土佐出身、24歳で岩倉使節団随行、アメリカから欧州渡航後フランスに2年滞在。帰国途上でエジプトやベトナムなど中近東やアジアを立ち寄っている。27歳で東京外国語学校長就任するが文部省と対立し辞職。文筆活動や哲学書翻訳、東洋のルソーと呼ばれた。明治23年第一回衆議院銀選挙で当選するも約半年で議員辞職。
    『三酔人経綸門答』は明治20年理想主義者の洋学博士と覇権主義の豪傑君の二人が現実主義者の南海先生をたずねて在るべき国家の方向性について対話する形式
    兆民は演劇好きで、哲学がもともと門答=対話で成り立っていたことや当時の状況では門答でないと書けなかったという理由を挙げている。明治初頭に始まった自由民権運動が徐々に衰退する時期だった。
    侵略主義者の理屈として、アジア内では日本がいち早く開国して近代化した恩恵を近隣国に授けよう、ヨーロッパの植民地になればもっと悲惨になるというひとりよがり、侵略がもたらすある種の快感のためと指摘している。遠方への出兵は浪費で人々の負担が重くなるため、軍備は最低限で防衛に徹するべきというのが南海先生の見解のようだ。
    NHK番組での解説と合わせて復習するとさらに役立つ。
    平田オリザ氏の関わっている演劇的手法を用いたコミュニケーション教育、「主体的対話的で深い学び」探求型学習が非常に興味深い。
    共感エンパシーする力は学んで身につける技術であり、そのエンパシーを養うためには演劇教育が紹介されているらしい。「同意はしないけど理解はできる」という姿勢。
    異なる価値観のすり合わせには時間がかかる、適度な冗長率の重要性、対立はたいてい事実ではなく風聞によって起きるなどの指摘。
    税金は再分配機能と長期的なことに投資(教育や文化芸術など)するという機能がある。短期的に人気を集められる政策を掲げばらまくのがポピュリズムだと批判。
    自分の頭で考えること、異なる意見を認め合い互いが変化することを潔しとするのが前提とし、話し合いを通して新たな結論にたどりつく対話社会を目指したい。
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    投稿日:2024.01.05

  • nakaizawa

    nakaizawa

    このレビューはネタバレを含みます

    「中江兆民「三酔人経綸問答」」平田オリザ著、NHK出版、2023.12.01
    95p¥600C9410(2024.01.05読了)(2023.11.27購入)

    【目次】
    【はじめに】今こそ見直したい、おおらかなリベラリズム
    第1回 なぜ問答形式なのか
    第2回 洋学紳士と豪傑君 ―理想主義と覇権主義の対話
    第3回 「現実主義」の可能性 ―南海先生の論を中心に
    第4回 その後の兆民 ―『一年有半』『続一年有半』

    ●幅広く実情をみる(59頁)
    中江兆民は現実のヨーロッパを見てきたため、民主制の導入も一筋縄ではいかないことを理解していました。彼は岩倉使節団で渡欧した際、先進的な文化のあるパリだけでなく金融の中心地であったリヨンにも滞在し、また帰国の途上ではアジア諸国が欧米列強に抑圧される様子も見てきました。そうした経験を通じて当時のヨーロッパを善悪両面から立体的にとらえていた。

    (アマゾンより)
    酒を酌み交わしながらの軽妙な対話に、民主主義の本質を読みとく
    明治時代中期、藩閥政治への不満から民権運動が大きな盛り上がりを見せるなか、その理論的な支柱を作り出そうと奮闘した思想家・中江兆民。代表作『三酔人経綸問答』は民主主義の本質を問う名著だが、ユニークなのはその形式。三人の人物の酒を飲みながらの問答によって進んでいく。理想主義者の洋学紳士と覇権主義者の豪傑君、真っ向からぶつかる二人の議論に、現実主義者の南海先生が示した意外な答えとは――
    学生時代に中江兆民について研究し、演劇を通じて「対話」の持つ力を訴え続ける平田オリザ氏が、『三酔人経綸問答』の問答に込められた、現実主義的なリベラルの可能性や、分断が進む現代社会における「対話」の意義を解説する。

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    投稿日:2024.01.05

  • 9678

    9678

    中江兆民の名前は知っていたが、初めて内容に触れ、素晴らしい考え方の人だと知りました。現代日本がまさに学ぶべきと思いました!最近の100分de名著では秀逸でした

    投稿日:2023.12.28

  • kuma0504

    kuma0504

    不覚にも夕方知ったのであるが、今日12月13日は中江兆民の命日である。しかも、現在NHKで「100分で名著」が、兆民の『三酔人経綸問答』をやっているという。

    急いで本屋に飛び込み、本書を購い、レビューをあげることにした。19時半に初めて本書を手に取り20時50分にアップするのは、私の最速レビューである。

    しかしながら、「三酔人」は過去何度も読んだ思い出の書である(詳細は略)。著者の平田オリザの「論」は飛ばし読みでも十分に理解できたと自信が持ててる。

    改めて、今日こそ「三酔人」は読まれるべき本である。私は改めて思った。いや、近代「文学」の中、私にとって「三酔人」こそが、もっとも名著だと断言する。漱石よりも、鴎外よりも、荷風よりも、私は「三酔人」を推す。1番私に影響を与えた本だったからである(詳細は略)。

    予想が外れて、「三酔人」の概略は、4回中、第二回と第三回で済んで仕舞う。思った以上にユニークな「三酔人」論だった。もと本を読むのが1番ではあるが、概略は本書でも十分によくわかるので、できたら手に取って欲しい。それも面倒ならば、岩波文庫版を、私が2012年にレビューしている。

    平田さんの「論」のユニークな点は私論では2点。
    ひとつは、明治20年当時に問答形式で、漢文で、明治憲法発布直前の日本を論じて、(現代では考えられないかもしれないが)もっとも効果的な文体だったということである。言文一致が未だ実現していなかった社会で、国家や政治についての「思想」を伝えるとしたら、これほど効果的な文体はなかったかもしれない。これまでは、兆民の難しい漢文に、みんな??を持っていた人が多かったが、この論、かなり説得力あった。
    ひとつは、(これが1番本書の重要なところ)、3人の姿勢である。「あなたの立場に同意はしないけれど、理解はする」という話し合いの姿勢。これがもたらすものは、当時、もっとも現実的な、明治20年現在の日本のグランドデザインだった。そしていくつかは現代でも通用するデザイン(この言葉は平田さんは使用してない)だった。

    その他、細かいところで、発見はあったのであるが、それは余裕あれば付け足していきたい。
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    投稿日:2023.12.13

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