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遠藤周作 / 文春文庫 (11件のレビュー)
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あんず
このレビューはネタバレを含みます
遠藤周作という人の魅力を知れるエッセイ集。新聞や雑誌に寄稿したエッセイが収録されている。 キリスト教徒だから聖書のことばとかがたくさん出ているのかと思っていたら、仏教も学んでいて、むしろお坊さんの名言のほうがたくさん載っている。 お茶に、将棋にと多趣味で交友関係も広くて、通算して3年の辛い入院生活も「無駄ではなかった、役に立った」と言い切る。 それでいて、押しつけがましい感じもなく、やさしさがにじみ出る文章。 今読んでも時代を感じさせないやわらかな言葉が心にすっと届く、そんな一冊。
投稿日:2023.07.17
canaco
愛の第一原則は「捨てぬこと」です。 人生が愉快で楽しいなら、人生には愛はいりません。 人生が辛くみにくいからこそ、人生を捨てずにこれを生きようとするのが人生への愛です。
投稿日:2023.05.23
桜色の世界(sakurairoworld)
遠藤周作は小説を読んできた。 エッセイが小説ではない文章がこんなにも心地良いとは思わなかった。 遠藤さんの小説は独特の表現と展開する風景がゾクゾクとする。小説の楽しみの真髄たるものがあるが、こちらのよ…うなエッセイでは違う角度から教えて下さることばかりだ。 これはこう思わないかな?こうしてみると良いよ。 こんな事があったよ。こう感じたんだよ。 この人のこれが好きなんだ。 人の感想や意見なんて読んでも面白くない、そう思っていた私は幼かった… 感想でも意見でも、書き手の伝え方によっては本当に心に染みて、もっと知りたいと思ったり、血肉になっていくと実感した。 著者のキリスト教との関わり、キリスト教を知っているから故の仏教との違いも、嫌な感じがしないのは遠藤周作の言葉だからなんだと思う。続きを読む
投稿日:2021.10.31
ばあチャル
随時集は短文の集まりでも、その作家なり人となりがにじみでるのだけれど、この集はちゃんと人生論になって、上手く一冊の本にまとめられている。作家があちらこちらにお書きになるとき、そうしようとてその意識がお…ありだったのかも。 「老年というのはふしぎなもので若い折の肉体や壮年時代の知性はたしかにおとろえていくが、ある種の触覚・感覚はとぎすまされていく。そのとぎすまされていく間隔をシュタイナーは次なる世界への媒介感覚といった。」 氏60代ころの文だけど、わたしの年齢でちょうどいい、よくわかる。 としをとるほど見えてくる、もう一つの世界への旅立ちの準備。 「自分の救いは自分のなかにある」 「余白のなかの完成」 「生活の挫折は人生のプラス」 「よく学び よく遊ぶ」 「すべてのものには時季がある」 目次を並べればなるほど、ごもっとも、なにしろ文章がうまいから。 氏ほど病に苦しまず、世間にも知られていないけど、この心境は共感できる。 「死ぬときは死ぬがよし(良寛)」の言葉がお好きだそう。続きを読む
投稿日:2021.10.24
k_ominami
遠藤周作のエッセイ。 ホメオパシーが肯定的に語られているので注意。 大きなお世話をする人を善魔と名付けている一方で、 生きざまという言葉はないと怒っている。 遠藤は自分の知らないところで言葉がつくら…れるのが嫌いらしい。続きを読む
投稿日:2021.01.03
ori-p
延命医学に対する疑問は共感できる。 ただ、自分が当事者になったとき、特に延命対象が自分自身ではなく、親や兄弟、子供が対象になったとき、「延命不要」と言えるか…。私は「命がある」ということに拘り、そこに…望みを見出だしてしまうと思う。続きを読む
投稿日:2020.08.12
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