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プチ鹿島 / 双葉社 (2件のレビュー)
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sakufuu
「アントニオ猪木とは何だったのか」。多くのプロレスファンが散々語ってきたテーゼ。この書はそれを最も端的且つ的確に、それも分かりやすく解説している。 最終章とあとがきは、本書のまとめとしてかなり優秀な内…容と構成になっている。新間寿の相変わらずの「愛憎」ぶりの不思議さを、あらためて分析している。ここでわかったのは、「プロレスは勧善懲悪だ」という理論が間違っていたことだ。この理論は力道山時代や、ジャイアント馬場がメインイベンターだった頃まではそのとおりだったのかもしれない。そしてこれを越えていったのがアントニオ猪木だったということだ。プロレスにはベビーフェイス(善)とヒール(悪)がある。これらは絶対ではなく、しばしばヒールターン、ベビーターンが起こる。つまり「今日の友は明日の敵」「昨日の敵は今日の友」である。猪木は新日本プロレスでこれを実践し、且つ「正義の中の悪」「不正の中の善」という細部にまで落としこんだと言える。新間との関係性を見ると、まさにこのことをプロレス試合の外、社会や生活でまで実践していたのだと思う。その意味で新間は「猪木と最も手の合ったレスラー」だったのだ。 あらためて実感するのは、プロレスとは「勧善懲悪」ではなく、「この世界は、完全な善も、許されることはない悪も見つけられない、不確かな状態で動いている」ということを解説してくれる場所なのだ。 有田芳生は議員時代猪木と酒を飲んだことがある。その時猪木は注射(インスリン)をしながら酒を飲んでいた。284 『1976年のアントニオ猪木』のタイガー・ジェット・シンとの死闘の描写は、ラブシーンの描写にしか思えなかった189続きを読む
投稿日:2024.02.10
dklikesv
この本の題名は本来『プチ鹿島の教養としてのアントニオ猪木』となっているべきで、著者にとってアントニオ猪木やその取り巻く全てを見て聞いて感じて考えたことが自分だけの世の中やモノに対する見方や思考を獲得す…ることになり著者の教養と呼ぶべき要素の一部になったのだ、ということをデータやインタビュー等引用と共にまとめた一冊だと正しく理解しないと危ない。でないと誤解してこれもいわゆる教養本の類だと十把一絡げに捉えて全く的外れな批評する無教養な奴が出てくる。まあそれほどに魅力的な内容の良書だと思った。続きを読む
投稿日:2023.11.19
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