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鈴木桜, Shabon / KADOKAWA (1件のレビュー)
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いこ
このレビューはネタバレを含みます
当たり前のことをちゃんとできる難しさと大切さ。 それに気付かせてくれた物語。 結婚と出産についてややこしい縛りのある設定の世界。 中世ヨーロッパを思わせながら、実は魔物と瘴気によって滅びつつある世界が舞台。 そのある意味ぶっ飛んだ世界設定と貴族社会の組み合わせが個性的だった。 ゆえにというべきだろうか、ヒロインが乗り越えなくてはならない困難もなかなかだったが。 子供を産めないことに対する差別。 (これは終盤にあることが判明する) 婚約破棄から職業婦人への転換の際の様々な困難。 問題児な双子とどう打ち解けていくか。 そして、職業婦人として生きていく覚悟を揺るがす公爵様との恋模様。 他にも様々な内容が盛り込まれていて大変濃い話だった。 双子の実の母親とのこととか、政治体制についても絡んでくるし。 何より、公爵様が3人目の子どもかよというほど無自覚問題児で母親の愛を欲しているようなキャラだったから、恋愛模様も拗れに拗れた。 徹底的に言葉足りないからね、仕方ないね。 ラストも個人的には予想外だった。 困難を乗り越えて恋も叶えて幸せな結婚をして終わりと思っていたら、ああ、そうきたかと。 妻としての自分も働く自分も等しく「自分」だったのだろう。 ファンタジー世界の話ながら、現代を生きる女性たちにも通じる話でもあった。
投稿日:2023.11.05
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