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安部龍太郎 / 日本経済新聞出版 (8件のレビュー)
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ごまみそずい
このレビューはネタバレを含みます
以前の作品からの、遣唐使は唐との外交問題をなんとかすることに腐心していた、という流れを継承している。日本では天皇は神にひとしい唯一無二の存在なのに、唐に朝貢する臣下国では具合が悪い。『迷宮の月』の粟田真人はなんとかダブルスタンダードに持ち込んだけれども、今回は。 阿倍仲麻呂、吉備真備、井真成の留学生組が異国で協力しあう中、次の遣唐使船が来る。この船で故国に帰ろうとする中、真成が殺され、仲麻呂は唐に残るよう密命を受け取る。死んだはずの弁正はその密命のためにいまだ唐で暗躍していて……。 政治と家族の板挟みになる仲麻呂が切ない。本作では、羽栗翼と翔は仲麻呂の子という設定。大きなうねりはどう帰結するのか、下巻も楽しみに読みます。 余談 真備が書いたと思われる墓誌や、大雁塔には科挙に合格した者の名前が刻まれる、など当時の様子がわかる描写が興味深かったです。
投稿日:2024.05.19
稲石浩司
阿倍仲麻呂と吉備真備を主人公にした歴史小説。 大河ドラマでは平安時代が熱いようですが、奈良時代だって政争が熱いです。 ただ、メインは阿倍仲麻呂のいる玄宗時代の大唐の政争でした。 仲麻呂が優秀すぎて日本のためのスパイとして残留する設定は荒唐無稽っぽいが、白村江の敗戦の影響を引きずっていて唐に認められるために平城京や日本書紀を作った話は納得できますね。 全体感想は下巻読了後に。
投稿日:2024.02.18
hosinotuki
玄宗皇帝の時代、楊貴妃や安禄山を中心に据えた物語は多いが、遣唐使阿倍仲麻呂や吉備真備の視点で書かれる事で激動の唐の時代を少し斜めから眺めたような冷静な語り口になっている。そして妻や子への強い感情が迸る場面は、大衆小説の感がある。 また日本国の成り立ちに関する情報を得るという使命のため日本に帰れず苦悩する仲麻呂、そのために出世もしなければいけない訳だが、そのスパイもどきの行動も面白い。
投稿日:2024.01.22
chifuyuk
奈良時代中期、聖武天皇の時代。阿倍仲麻呂に吉備真備、名前しか知らなかったが、奈良の都に唐の長安の宮廷で繰り広げられる大活劇!と云ってもアクションじゃないけどね。ムチャクチャ厚い本だし、文章も読み応えあ…るが、どんどん引き込まれていく。そうか、玉環って楊貴妃のことなのね。いやあ、陰謀渦巻くわ続きを読む
投稿日:2024.01.20
ともあつ
奈良時代について、予備知識はあまりないが、当時の日本の立ち位置を考えると、なるほどと思えるストーリー。戦国モノや幕末モノとは一味違う面白さがある。
投稿日:2024.01.15
Takeminakata
『血の日本史』以来かな? 安倍龍太郎。(全然読んでないやん!) 歴史で習った人物や漢文で習った漢詩がゾロゾロ。読み進めながら頭に浮かぶ映像は、なぜか『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』。 さてさて仲…麻呂の運命や如何に。下巻が楽しみです。続きを読む
投稿日:2023.09.23
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