新刊・予約
ランキング
セール
特集・キャンペーン
ジャンル一覧
詳細検索
0
町田そのこ / 新潮文庫 (304件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
"powered by"
司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)
「人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん…」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。」 「「張り詰めた力を抜いて息をつくことは、逃げやズルじゃないよ」 ひたすら頑張り続けることが自分の価値だと思い込んでいた時に、少し立ち止まってみてもいいのかなあ、と思えたセリフです。」 (未来屋書店 本屋従業員によるおススメ本の紹介 2023 の紹介より)続きを読む
投稿日:2024.05.07
パティ
登場人物 御舟朱鷺 大学生の頃に遭遇した友人の死をきっかけに、自室に引き篭もっている青年 御舟華子 会社員をしている朱鷺の妹 物語 恋人である、上司の美袋の葬式から帰ってきた華子 その恋人は不倫相…手で、美袋の自分への想いや死ぬ間際に考えていたことを知りたいと思っていた 朱鷺に自分の想いを話していると、『ぎょらん』を探しに行こうと言うが、それはかつて読んだ漫画に出てくるもので、実在するわけがないと華子は思っている それでも2人は美袋の事故現場へと向かい、やがて華子の想いは解けてゆく これをきっかけに、朱鷺は天幸社という葬儀屋に勤めることになり、『ぎょらん』にまつわる人々と交わっていくようになる… 読後感 人の死をテーマに描いてあることもあり、胸にくる場面が多かった 亡くなった人の生前の想いと遺された人の想い、思い込みからくるそれらのズレや誤解が人々との交流によって解かれていくストーリーは涙なしには読めなかった 各章の登場人物は後悔や自責の念に囚われてしまい、立ち止まってしまっている 亡くなった人はそれぞれの境遇で悩みながら命を失ってしまうが、恨んでも憎んでもいないところに胸が締め付けられた また、そのことを知って自分なりに咀嚼し、未来を生きていこうと決意していく姿に人の関わりの深さと強さを感じた 各章の中盤以降の真実がわかっていくところは、ずっと泣きながら読んでいて、今年一年分の涙を流したとさえ思う それくらい、今の私の心には染みるものがあった また、読み返して心を洗いたいと思える一冊であった続きを読む
投稿日:2024.05.04
まりお
人が死に際に残すと言われている”ぎょらん”という赤い小さな珠。口に入れて噛み潰せば死者からの最後のお願い事がわかるらしい。 7つの短編からなっていてどれも死とぎょらんに関わった話なんだけどぎょらんと一…言に言っても表れ方も意味も受け取る人によって違う。 てゆか最初にぎょらんで即思い出したのが着信アリの死者の口から出てくる赤い飴、まあ意味は全く違ったけど笑 読んでく内に自分も経験したことあるけど大事な人が亡くなる前の夜に見る予知夢?的なのにちょっと似てるなって思った。夢の中で最後のお別れを言いに来てくれるみたいなやつ。 そういう不思議なことって本当にあるから自分にまだ起こった事がないだけでぎょらんて本当にあるんじゃないかってちょっと思った。 死がテーマだから読んでてしんみり少し悲しい気持ちになったりもしたけど死は生といつも隣り合わせのところにいるから生きてる内に大切な人達にいつも感謝の気持ちを忘れずに言葉にちゃんと出して伝えていきたいって思った。 当たり前のことなんだけどとても大切な事を改めて思い出させてくれた素敵な作品でした。続きを読む
み
このレビューはネタバレを含みます
死者の思いやその人に伝えたい事ではなく、 残された人が死者に対して抱く気持ちがぎょらんだと。。死者の想いや言葉は結局のところ、分からないが、その死者を尊ぶ気持ちこそが大切で、その気持ちがどんな形であれ届いているといいなと思います。
投稿日:2024.05.01
本とコーヒーで
感謝、愛の言葉、謝罪。 何かを伝えるべき相手がいるなら、相手がいなくなる前にしたい。 読んでいて、ふと、未だ健在である両親の事を考えてしまいました。
投稿日:2024.04.30
yuichimaeba
町田そのこさんの『ぎょらん』を読了。 52ヘルツのクジラたちで初めて手にして、魅力的な人物を描く作家さんだと思っていましたが、本作でもその魅力を改めて感じました。 人の死に纏わる『ぎょらん』を通じて、様々な人が身近な相手の死に携わる物語が短編の様に紡がれるストーリー。 自身も『ぎょらん』に人生を狂わされた朱鷺が物語を通じてそれぞれの死のシーンを結びつけ、立ち直り、成長する物語になっており、多くの死で安易に御涙頂戴という本にはなっていない。 正直短編スタイルで登場人物が密接に関係し合っている構造はまとまった読書時間を取っていない自分の苦手な分野で、何度も前を読み返す為に進まない…という困難もあったし、都市伝説的に描かれる『ぎょらん』に明確な解釈は出ないのか!と思いもした。 が朱鷺があれだけの長い時間を費やして考察し、葬儀社に入り、救い救われながら生きることになる事で、大切な人との別れを受け容れていく人が増えていく事が丁寧に描かれており、それぞれが素敵な物語になっていた。 病気や事故、震災等で突然の別れを迎える事は誰にでも起こりうる事で、それが近しい人であればある程それを乗り越える事はとても難しい。 そんな時に『ぎょらん』を思い出したい。ぎょらんを見て、葬儀社に朱鷺さんがいたりしたら、受け容れる事が出来る気がする。
投稿日:2024.04.29
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。